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デバイス特性簡易測定

デバイス特性簡易測定

2026/08/27

デバイス特性簡易測定 パワエレ高周波化後押し

日刊工業新聞寄稿記事「技術で未来拓く」
    KeyPoint産総研では、将来の産業ニーズを見据えた目的基礎研究を通じて、革新的な技術シーズの創出に挑戦しています。
    こうした最先端の成果を、日刊工業新聞で連載しています。産総研マガジンでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
    ※本記事は、日刊工業新聞社の許諾を得て掲載しています。著作権は日刊工業新聞社に帰属します。

    車などに活用

     パワーエレクトロニクス(パワエレ)はトランジスタのオン/オフにより、交流から直流への変換のように、電力を消費するシステムに最適な形態に電力を変換する技術である。効率的な電力マネジメントに重要な技術であり、自動車や家電などの広い範囲で活用されている。

     パワエレ研究のトレンドの一つが、オン/オフのスイッチング周波数(1秒間にスイッチをオン/オフする回数)を上げて回路を小型軽量化することである。高いスイッチング周波数と高い電力変換効率を同時に実現するには、回路を構成する各パワーデバイスの高周波領域における正確なSパラメーター(回路に電磁波を入力した時の反射や透過、伝送特性を表す物理量)の測定が必要になる。

    治具・補正に課題

     高周波領域ではさまざまな電磁的効果が発生するため、Sパラメーターの測定には特別な高周波伝送線路およびその線路と被測定デバイスの接続が必要である。しかし、パワエレは低周波領域の技術が基盤であったため、多くのデバイスは高周波伝送線路との接続に適した形状ではない。そのため、両者の形状を変換する治具であるテストフィクスチャが使われる。しかし、測定者が高周波領域特有の物理現象を理解した上で被測定デバイスの形状ごとに異なるテストフィクスチャを設計・作製し、さらにテストフィクスチャの影響を補正する方法も考えなければならず、負担が大きい。

    高周波プローブを用いた表面実装デバイスのSパラメータ測定の写真

    システム小型化

     そこで、産業技術総合研究所(産総研)は、株式会社テクノプローブ(千葉県白井市)および米キーサイト・テクノロジーと共同で、高周波技術をパワエレに応用し、表面実装デバイス(プリント基板表面にハンダで直接取り付けるデバイス)の電極と同軸形状の高周波伝送線路を接続する高周波プローブと、高周波プローブを制御するプローブステーション、高周波プローブ本体による電磁的影響を補正する方法を開発した。この開発により、被測定デバイスごとに異なるテストフィクスチャが不要になり、一種類の高周波プローブでさまざまな形状の表面実装デバイスのSパラメーターを1 ギガヘルツ(ギガは10億)までの高周波領域で測定することが可能になった。

     この成果を新規パワーデバイスの研究や回路設計へ応用することで、システムの小型化・高効率化の開発が加速すると見込まれる。

    物理計測標準研究部門
    高周波標準研究グループ
    上級主任研究員

    岸川 諒子

    KISHIKAWA Ryoko

    岸川 諒子上級主任研究員

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