新規に設計した複核錯体触媒を開発し、低温低圧の温和な条件で二酸化炭素の水素化により高い選択性でメタノールの合成を可能とした。今回開発した複核錯体触媒はイリジウム2個を含むイリジウム触媒であり、この触媒により30℃でも二酸化炭素の水素化反応が進行し、選択的なメタノール合成が可能になった。メタノール合成の障害要因を回避するために、これまでに産総研で行ってきた二酸化炭素の水素化触媒の開発研究の知見をもとにした触媒設計と反応場の選択により、既存の固体触媒に比べて極めて温和な条件で二酸化炭素をメタノールへと変換できることを見いだした。これらの成果から得られた知見によって、二酸化炭素の水素化によるメタノール合成の低温化のための触媒開発への貢献が期待できる。
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