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アプリで障がい者支援

アプリで障がい者支援

2026/04/16

アプリで障がい者支援 ジェスチャー認識、意思伝達

日刊工業新聞寄稿記事「技術で未来拓く」
    KeyPoint産総研では、将来の産業ニーズを見据えた目的基礎研究を通じて、革新的な技術シーズの創出に挑戦しています。
    こうした最先端の成果を、日刊工業新聞で連載しています。産総研マガジンでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
    ※本記事は、日刊工業新聞社の許諾を得て掲載しています。著作権は日刊工業新聞社に帰属します。

    生活の質向上

     産業技術総合研究所(産総研)は、四肢の運動機能に障がいのある方がパソコン(PC)やゲーム機などに備わった操作インターフェースであるキーやボタンを利用できるように、非接触・非拘束のジェスチャー・インターフェースの研究開発を行っている。その目的は、彼らの就労および教育の機会、余暇活動、生活の質の向上などに対する支援である。研究の本質は、人のジェスチャーをカメラで撮影して画像認識し、その結果をキーやボタンを介した意思伝達の手段に応用することである。

     障がいのある方によっては、操作のために事前に決められたジェスチャーができなかったり、機器利用時の姿勢や随意運動可能なジェスチャーもさまざまだったりする。研究開発の目標は、障がいのある方が望むジェスチャーをPCが実時間で認識し、個々のジェスチャーを行う姿勢や動きが変わっても認識の精度が変わらないことである。それには、PCに負荷を掛けないアプリが必須である。そのため、市販のRGB-Dカメラを用いて、3次元情報とカラー画像を同時に利用することにした。3次元情報は、身体の部位の変動を実時間で捉えるのに適している。

    意味合いを分類

     アプリの技術コンセプトは、「ユーザーができるジェスチャーをコンピューターが覚える」である。まず、運動機能に障がいのある81名の方々から、1745パターンのジェスチャーを記録した。次に、PCが認識できるように、ジェスチャーが示す意味合いを分類した。その上で、障がいのある方がジェスチャー・インターフェースを利用できることを前提に、部位に依存する・しないのそれぞれ7種類と2種類の計9種類の認識モジュールを開発した。

    認識モジュールの図

    汎用化目指す

     障がいのある方が自身の意思に最も合う認識モジュールを最初に選択し、ジェスチャーを10回ほど繰り返すと、その意味をPCが覚えるという仕組みである。同じ画角内であれば複数のモジュールが並行動作し、カメラも2台まで接続可能である。障がいのある方は、ジェスチャーを割り当てたキーやボタンを通じて、意思を他者に伝えることができる。

     現在、このアプリの利用者は、欧州も含めた国内外で100名を超えている。研究の最終目標は、安価に利用可能な汎用化されたジェスチャー・インターフェースの構築である。

    人間情報インタラクション研究部門
    行動情報デザイン研究グループ
    主任研究員

    依田 育士

    YODA Ikushi

    依田 育士主任研究員

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