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ものづくりAIアプリ

ものづくりAIアプリ

2026/04/02

ものづくりAIアプリ 画像から材料特性予測

日刊工業新聞寄稿記事「技術で未来拓く」
    KeyPoint産総研では、将来の産業ニーズを見据えた目的基礎研究を通じて、革新的な技術シーズの創出に挑戦しています。
    こうした最先端の成果を、日刊工業新聞で連載しています。産総研マガジンでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
    ※本記事は、日刊工業新聞社の許諾を得て掲載しています。著作権は日刊工業新聞社に帰属します。

    汎用ツールに

     産業技術総合研究所(産総研)は、材料組織や材料に関連した2次元マッピングなどの画像から、種々の材料特性を予測する“ものづくりAI(人工知能)アプリケーション”を開発した。

     筆者は、深層学習という手法を用いて、窒化ケイ素やアルミニウムの顕微鏡写真と強度や熱伝導率などの材料特性とを関連付けるモデルを構築した。このモデルを使うと、未学習の顕微鏡写真であっても、材料特性を最大誤差20%の範囲で予測できた。

     ここで用いた関連付けの手法は、学習データがあれば、どのような材料系にも適用できる。そこで、プログラミングの知識がなくても、オンプレミス(自社保有)な環境でモデルを構築できる汎用ツールとして、ものづくりAIアプリを深層学習に基づいて開発した。

    関連付け高精度

     同アプリは、以下に示す方法で材料特性を予測する。ユーザーは、材料に関する画像と材料特性を結び付けたデータセットを用意する。はじめに、アプリがこのデータセットを学習データとテストデータに分割する。次に、図で示されている方法などで、学習データの材料画像を増幅して深層学習に十分なデータ数を生成する。そして、AIが画像から抽出した種々の特徴量に基づいて、画像データを整理する。最後に、アプリによって、特徴量と材料特性とを結び付けたモデルが学習データから構築される。材料特性の予測値は、テストデータを用いて、データセットの実測値との差が最小になるまで、繰り返し計算によって算出される。これらの過程を経て、材料特性と画像を高精度に関連付けるモデルを構築する。

     アプリにはテストデータを用いた予測精度の評価機能が付与されているため、ユーザーは構築されたモデルの汎化レベルを確認して、納得する性能のモデルを構築できる。また、モデルが重要視した箇所を可視化する機能も付いている。

    材料特性の予測モデルを構築するAIアプリの図

    データ秘匿守る

     2月現在、ものづくりAIアプリはバージョン5までアップグレード済みで、既に実用化されている。近年、マテリアルDX関連のウェブアプリがみられるようになった。しかし、データ秘匿性を重視して、クラウドにデータを上げられない企業が多い。

     同アプリは、オンプレミスな環境で利用できるので、マテリアルDXの導入を躊躇(ちゅうちょ)している企業に、ぜひ使っていただきたい。

    マルチマテリアル研究部門
    部材接合研究グループ
    研究グループ長

    古嶋 亮一

    FURUSHIMA Ryoichi

    古嶋 亮一研究グループ長

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