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メタンハイドレート

メタンハイドレート

2026/03/05

メタンハイドレート エネ資源、回収技術磨く

日刊工業新聞寄稿記事「技術で未来拓く」
    KeyPoint産総研では、将来の産業ニーズを見据えた目的基礎研究を通じて、革新的な技術シーズの創出に挑戦しています。
    こうした最先端の成果を、日刊工業新聞で連載しています。産総研マガジンでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
    ※本記事は、日刊工業新聞社の許諾を得て掲載しています。著作権は日刊工業新聞社に帰属します。

    燃える氷

     ガスハイドレートは、水とガスのみで形成される氷状の結晶である。ガスがメタンであるメタンハイドレートは、自身の体積の160倍程度のメタンを取り込んでいる。そのため、分解時には多量のメタンを放出する。火を付けると燃えるため、「燃える氷」と呼ばれている。大陸周辺の深海底や永久凍土地帯の地層など、低温・高圧の環境に存在することが知られている。

     産業技術総合研究所(産総研)は、メタンハイドレートや二酸化炭素ハイドレートなどに関する生成・分解・熱力学安定性などの基盤研究だけでなく、ガスハイドレートを用いたさまざまなガスの分離や貯蔵などの応用研究でも成果を上げている。

    CO2貯留にも

     メタンハイドレートは、わが国にとって、エネルギーの安定供給に資する重要な資源になり得ると評価されている。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の達成に向けて、エネルギーキャリアを水素などに転換する場合、原料としてメタンの利用が考えられる。また、メタンハイドレートを含む堆積物中からメタンを回収した後、その地層中に二酸化炭素(CO2)をハイドレートとして貯留することも期待できる。

     現在、メタンハイドレートからのメタンの回収には成功している。しかし、メタンを長期的に安定して回収するには、回収技術の一層の向上が求められる。それには、堆積物中のメタンハイドレートの生成・分解過程の解明が必須である。

    メタン生成と二酸化炭素のハイドレート固定の概念図

    初の非破壊観測

     現状では、分解しないよう凍結保存したメタンハイドレートと凍結した海水とを区別するのさえ困難である。そこで、われわれは放射光X線を用いたコンピューター断層撮影を用いて、海水と共存するメタンハイドレートの凝集状態、およびその分解挙動の非破壊観察を世界で初めて実現した。得られた情報に基づき、堆積物の物性や分解過程におけるガスの流動などの数値シミュレーションを高精度化することで、回収技術の向上が期待できる。

     産総研は、経済産業省より受託の「国内石油天然ガスに係る地質調査・メタンハイドレートの研究開発等事業」の一環として、メタンハイドレートに関連する技術とCO2のハイドレート固定によるカーボンニュートラルを標榜する技術を開発している。

     外部機関とも連携し、日本周辺に賦存するメタンハイドレート資源について、商業化に向けた技術開発に取り組んでいる。

    エネルギープロセス研究部門
    メタンハイドレート開発システム研究グループ
    上級主任研究員

    竹谷 敏

    TAKEYA Satoshi

    竹谷敏上級主任研究員の写真

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