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デジタルツイン技術

デジタルツイン技術

2026/02/19

デジタルツイン技術 学官連携で未来創造

日刊工業新聞寄稿記事「技術で未来拓く」
    KeyPoint産総研では、将来の産業ニーズを見据えた目的基礎研究を通じて、革新的な技術シーズの創出に挑戦しています。
    こうした最先端の成果を、日刊工業新聞で連載しています。産総研マガジンでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
    ※本記事は、日刊工業新聞社の許諾を得て掲載しています。著作権は日刊工業新聞社に帰属します。

    冠ラボで進行

     産業技術総合研究所(産総研)には、企業と連携して研究成果の社会実装を加速する冠ラボ制度がある。本制度の下、未来コア・デジタル技術連携研究室は、ソフトバンク(株)とデジタルツインの研究開発を進めている。デジタルツインとは、現実世界の都市や建物をデジタル空間に再現 し、現実では実現困難な状況のシミュレーションや各種サービスの運用に、それを活用する技術である。例を以下に紹介する。

    防災・安全にも

     スマートシティ分野では、函館市や西新宿を実証の場として、人流・交通・気象などの多様なデータ同士の関連を分析して、街の暑熱リスクや人の混雑の様子を予測している。デジタルツインは、安全性の向上や観光・防災計画に活用できる技術として期待が大きい。この場合、通信事業者が蓄積してきた都市データ活用の知見が研究には不可欠である。

     大学との連携では、立命館大学大阪いばらきキャンパスにおいて、教室の利用状況や警備員の巡回経路をゴーグル型デバイスでリアルタイムに把握する仕組みを構築した。このスマートビル型のデジタルツインは、オフィスや商業施設の運営への応用も見込まれる。ここでは、IoT連携やシステム運用に関するソフトバンクの知見が活かされている。

     自治体との協働では、会津若松市の観光地向け拡張現実(AR)やいわき市の防災教育ARなどを展開している。スマートフォンなどを通じて、現地での景観や体験に歴史背景やリアルタイム情報をその場で提供することは、地域サービスの向上につながるとして高い評価を得ている。

    ゴーグル型デバイスの実証試験の様子

    生成AI中核に

     これらの実証の基盤がデータプラットフォームである。これは、静的な3次元空間モデルならびに空間的に変動する人流や環境、IoT、映像などの動的データを時間軸に沿って、一貫して加工・分析することができる。異なる現場で得られた知見であっても、横断的に活用して、運用現場で意思決定を行える環境を提供できる。

     今後は、生成AIを中核に据え、デジタルツインを意思決定の支援ツールへと進化させる。都市や建物に関連した膨大なデータから、AIが現場の状況を分析し、自動でシミュレーションをして最適な解決策を導き出す仕組みを構築する。これにより、地域課題の迅速な解決を目指す。

    インテリジェントプラットフォーム研究部門
    未来コア・デジタル技術連携研究室
    連携研究室長

    宮田 聡

    MIYATA Satoshi

    宮田 聡未来コア・デジタル技術連携研究室長

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