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秤量法で燃費計校正

秤量法で燃費計校正

2025/09/18

秤量法で燃費計校正 HV開発競争支える

日刊工業新聞寄稿記事「技術で未来拓く」
    KeyPoint産総研では、将来の産業ニーズを見据えた目的基礎研究を通じて、革新的な技術シーズの創出に挑戦しています。
    こうした最先端の成果を、日刊工業新聞で連載しています。産総研マガジンでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
    ※本記事は、日刊工業新聞社の許諾を得て掲載しています。著作権は日刊工業新聞社に帰属します。

    測定値は厳格

     燃料価格の高騰や環境意識の高まりなどの社会情勢を受けて、低燃費・低排出のハイブリッド車(HEV)が、現在、自動車産業の主力車になっており、その燃費改善の技術開発が続いている。各メーカーが公表している燃費測定値は、環境規制の適合性や市場性を大きく左右するため、校正により国家標準へトレーサブルで信頼性が担保された燃費計で測定しなければならない。

     エンジンのテストベンチで広く使われている燃費計に、容積式流量計がある。流量計の校正では、校正装置で発生した標準流量とその標準流量に対する流量計の指示値を比較する。容積式流量計は、高精度化するには実液燃料による校正が必要である。

     しかし、可燃性・揮発性の高い実液燃料は取り扱いが難しく、精度や安全面での課題が標準開発の大きな壁になっている。

    実液で標準確立

     そこで、産業技術総合研究所(産総研)は、高精度で安全な実液校正を実現するために、秤量法に基づいた独自の校正要素技術を開発するとともに、実液燃料を取り扱う環境を整備し、世界で初めて微小流量範囲までの実液燃料による国家標準を確立した。秤量法は、秤量容器に試験液を流入させ、秤量計を用いて流入質量を測定する方法であり、燃費計の校正基準値となる標準流量を高精度に作り出せる。

     秤量法では、秤量容器への試験液切り換え操作を制御するダイバータ(転流器)が重要な要素である。産総研は、流れを切り換える時に生じた流入時間の測定誤差を理論的に無くすことができ、小流量域において顕著化した蒸発量や液付着量、飛び散り量による誤差も低減できる2枚羽根式円錐状回転ダイバータを開発した。

    校正用に開発した機器類

    微小域にも対応

     さらに、自動車の低燃費化が進むにつれて、微小流量域(数10ミリリットル/hオーダー)までの燃費計校正が必要となる。しかし、従来の転流羽根式ダイバータの高精度化には実現限界があった。そこで、密閉流路内の高速切替バルブをダイバータとして採用した秤量システムを開発し微小流量域での校正を可能にした。

     エンジンに供給される燃料流量は、エンジン気筒内のインジェクターの連続噴射により過渡的に変動する。現在、この非定常流に対する燃費計の測定精度や応答性を評価する校正技術の開発に取り組んでいる。

    工学計測標準研究部門
    液体流量標準研究グループ
    上級主任研究員

    チョン・カーウィー

    Cheong KarHooi

    チョン・カーウィー上級主任研究員の写真

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