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トランジスタ開発

トランジスタ開発

2025/09/11

トランジスタ開発 産学官共用試作ライン構築

日刊工業新聞寄稿記事「技術で未来拓く」
    KeyPoint産総研では、将来の産業ニーズを見据えた目的基礎研究を通じて、革新的な技術シーズの創出に挑戦しています。
    こうした最先端の成果を、日刊工業新聞で連載しています。産総研マガジンでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
    ※本記事は、日刊工業新聞社の許諾を得て掲載しています。著作権は日刊工業新聞社に帰属します。

    微細化に対応

     半導体集積回路は各種情報機器に加え、家電や輸送機器、産業機器などにも搭載され、現代社会の根幹を支えている。人工知能(AI)技術の急速な発展も半導体技術の進化に負っている。

     集積回路の高性能・低消費電力・高集積化は、主に基本構成要素であるMOSトランジスタの微細化によりなされてきた。トランジスタは、微細化に適した構造に変化しながら、50年以上に渡る技術革新によって進化してきた。

    GAA型に移行

     十数年前までのトランジスタは、電流が流れる部位であるチャネルをSi基板表面に設ける平面構造であった。それが、微細化に伴い、Si基板を垂直に加工した薄いチャネルを電流の制御を行う部位のゲートで挟むFin型に移行した。そして、現在は膜厚10ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリメートル)以下の多段の極薄膜Siチャネルをゲートで包むゲートオールアラウンド(GAA)型構造へ移行しつつある。チャネルが基板から分離されるという、これまでとは異なった技術革新が成し遂げられようとしている。

     このようなトランジスタの実現には、従来に増して高度なプロセス技術が要求される。多段Siチャネルを形成する結晶成長技術、中空チャネル構造に加工するエッチング技術、狭い空間にゲート電極を堆積させる成膜技術、微細な立体構造へ低抵抗な電極を形成する技術などが必須である。

    トランジスタ構造は平面からFin型、そしてGAA型に変遷してきたというイメージ図

    準備は整う

     産業技術総合研究所(産総研)は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の助成を受け、GAAトランジスタ研究開発のための300mmSi基板用パイロットラインの整備とプロセス・集積化技術を開発している。本ラインは、装置・材料メーカーなどが実際のGAAトランジスタ試作を通じて、技術の検証を行える国内唯一の共用パイロットラインである。先端半導体製造技術コンソーシアムを通じて、大学を含む研究機関や民間企業と共同で技術開発を実施している。

     現在、一連のGAAトランジスタ試作プロセスの初期的な立ち上げを完了した。プロセス高度化を進めると共にトランジスタ性能や信頼性の向上に資する技術の創出を目指した研究を推進している。

    先端半導体研究センター
    デバイスプロセス研究チーム
    研究チーム長

    入沢 寿史

    IRISAWA Toshifumi

    入沢 寿史研究チーム長の写真

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