藤原さんの「点と点をつなぐ研究」【放射線計測】
~研究者漫画 AIST RESEARCHER MANGA~ #2023一般公開
取材・構成 産総研広報 、漫画 篠原 彬
これは科学解説漫画ではない。研究者の人生の物語だ。
すべての発明は、研究者たちが日夜手を動かし、数多の壁を乗り越えた先に生まれる。
そばで研究者を支える職員として、成果だけではなく研究という「人の営み」を伝えたいと思いました。
同じ研究所の職員だからこそ聞ける、純度100%の“研究にかける想い”。
取材をもとに構成された、ノンフィクションの漫画を産総研広報・完全内製でお届けします。
藤原さん・取材こぼれ話
苦労しなくちゃ研究者になれない…わけじゃない!
迷ったら目の前の人が喜ぶことを
藤原さんは「小さなことでも誰かの役に立つのが嬉しい」と、人の役に立つことが研究のモチベーションになっていると言います。原点は、発明王エジソン。伝記を読んだ幼い藤原少年は、白熱電球をはじめ人の生活に役立つものを幅広く、数多く発明をしたことに感銘を受けたそうです。
マンガで紹介した、放射線をつかった従来の技術(精密な回路をつくること)を追い求めるのではなく、どうやったらきれいな画像がみられるようになるか、と目的を達成するための原点に立ち戻ったエピソードも、エジソンに通ずる気がします。あれだけたくさんのものを発明したエジソン。きっと、ひとつのことを深掘りするだけでなく、いろいろなことを試して、こうしたらどうなるのか?というチャレンジを続けたはずですよね。
達成したいことに向かって進む道のりはひとそれぞれでいい。実際に困ったり必要としたりする人がいる技術を作り出すためになにができるか…。藤原さんはマンガの中で「すごくない」と謙遜していますが、目的を達成するための道を広い視野で探し続けられることも、やはり何かを突き詰めていくことができる研究者の資質では、と感じます。
おもしろいは原動力
「苦手があっても研究者にはなれます。苦労=スゴイじゃない。得意を伸ばして、いろんなことをおもしろがって、挑戦を続けられるのが研究者かな、と思っています」と藤原さん。
プロの研究者になろうと思ったのは、やっぱり研究がおもしろかったから。そして、身近に憧れる人がいたから。実は大学の研究室の先輩のひとりが、漫画でも紹介した暗黒シートの雨宮さん。学生時代の関係がいまにつながっているって…エモーショナル…!
こんなつながりがあるのも、たくさんの研究者がいる産総研ならでは。藤原さんの学生時代のあれこれ、雨宮さんに聞いたら何か教えてくれるかも?
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