INTERVIEWインタビュー

官民の経験を生かして、
産総研で叶える社会貢献。

  • 官公庁・民間勤務経験
  • キャリア
  • 産学官連携
  • 研究運営支援
  • 総合職 企業連携推進室※当時→研究事務
  • 中島 徹なかじま とおるキャリア
中島 徹さんの写真

新卒の時からずっと、
社会貢献というところが
働く軸にあったんです。

中島 徹さんの写真

2022年、中途入所。通信インフラ企業にて販売企画業務、東京都庁にて人事、財政業務を担当したのち、産総研に入所。入所後の1年間で、企業との連携業務を担当。企業連携に関する本部―研究領域間の会議体運営、理事長によるトップセールス案件の事務局メンバー。現在は人事異動で、研究予算の管理や研究室のマネジメントなどの研究事務の業務に就いている。
(取材日:2024年3月)

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社会貢献への変わらぬ想いから、
たどり着いた産総研。

働く上で、新卒の時から変わらない軸は『社会貢献』。社会人として色々な人々・業界を知る中で関心の対象も変わり、絞られていった結果、3社目で産総研にたどり着きました。新卒で入ったのは、通信インフラ企業。中堅・中小企業の経営者とのやり取りが多く、経営の困り事の相談を受けていました。私からは通信に関する提案・サポート等を行い、その点では相手の期待に応えられたという感触を得る一方で、もっと根本的なアプローチはできないものかというモヤモヤを抱えていました。経営コンサルタントへ転身していく同僚もいましたが、私は経営者達がよく口にしていた行政サービスに関心を抱いたことから、様々な制度・サービスを提供したり立案したりする側の立場になってみたいと思って公務員へと転職しました。そこで配属されたのは下水道局。もともと希望していた産業支援系ではありませんでしたが、巨大な社会インフラを支える事業に携われたことは大きな経験となりました。下水道には様々なノウハウが詰まっていて、新しい技術の研究開発が日々行われていることを財政面から感じました。既存設備の効率的な維持管理や新しい施策・事業の立ち上げを生み出す源泉として研究開発に関心を持ち始め、社会全体をより良くするための研究開発に自分が関われる環境として産総研に魅力を感じました。産総研なら、公的な立場で、幅広い研究分野を生かしたオールインワンパッケージのようなアプローチもでき、社会に与える影響も大きい。官民それぞれの立場で職務経験を積んできた自分が、事業運営と発展に貢献できるイメージも描けたため、産総研への入所を決めました。

両手の画像

講演依頼から、
1億円の共同研究へとつなげていく。

入所後は、当時の企業連携推進室へ。「技術を社会実装する」業務、つまり民間企業との連携案件の企画を行う業務に従事しました。現在は、産総研100%出資の会社(株式会社AIST Solutions)で総合職が出向して対応している業務になりますが、当時も今も、総合職に期待される役割は、研究者ではない視点からの柔軟な発想・アイデア出しにあると思います。共同研究の規模は大小様々ですが、本気で社会課題の解決を目指すのであれば、やはり大きな投資も必要。そういった大型の企業連携のあり方として、年間で1億円以上の共同研究費を用意し、相手方の研究者が産総研に常駐した研究室、いわゆる「冠ラボ」の設立を目指して汗をかいたことが強く印象に残っています。私の役割は、新たな連携を創っていくため、産総研理事長自身が企業へ赴く施策を主体的に進めること。業界や市場を調査した結果から、連携先の候補企業を選定して共同研究の提案を行っていくことが多いのですが、それ以外の動きからも案件が生まれることがあります。例えば、企業の方から社内イベントでの外部スピーカーとして産総研理事長への講演のご依頼をいただいて、その繋がりをきっかけに、共同研究の提案を含めたトップ会談の機会を創出できたことはとても印象深かったですね。もちろん産総研には著名な研究者がたくさんいるので、個人のネットワークから生まれる案件もありますが、お互いの組織のトップ同士がビジョンを共有した上で、実務レベルの提案・調整を進めていくほうが、より社会的にインパクトのある強力なタッグを構築できます。今はその業務がAIST Solutionsへ引き継がれ、産総研グループが取り組む社会実装活動の柱の一つとなっています。

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民間・官庁を経て、
いま感じる自分の役目。

2年目になり、人事異動で研究事務に異動となりました。研究室のマネジメントや、研究予算の有効利用・効率化などの予算管理を行っています。具体的には、研究者がやりたいことを、ルールの範囲内で最大限実現させるための調整を行う。それが研究者の最も近くにいる総合職である私の役目です。事務を肩代わりするのではなく、研究プロジェクトの伴走者として業務にあたっています。また、民間企業との共同研究費の執行ではAIST Solutionsの担当者ともやり取りしながら進めることが多いのですが、私が1年目に経験したことがやり取りにも活きていると感じています。研究者の方々が実現したかったことの実現に自分が貢献できた時には、達成感、醍醐味を感じますね。私は民間・官庁どちらも経験していますが、産総研の環境・雰囲気はちょうど中間ぐらいの感覚です。産総研の良いところは色々浮かびますが、若手研究者が論文執筆を重ね、研究者としてのバリューを高められたり、短期的な目線ではなく、中長期的に良い研究者を育てようとしたりする姿勢は特に素晴らしいなと思います。

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豊富なバックグラウンドが、
それぞれの場所で活きていく。

産総研にはいろんな人がいます。総合職であっても、様々なバックグラウンドや知識、経験を持つ方がいます。研究者はもちろん、専門分野も幅広いですし、外国籍の方もいて、敷地内やカフェテリアのテーブルでは楽しそうな会話が聞こえてきます。また、様々な拠点がありますが、オンラインでの繋がりは充実していて、所内学会や意見交換のためのイベント開催、取組の紹介ページなどをきっかけとして異分野の研究者がマッチングして「今度一緒になんかやりましょう!」と新たな繋がりが生まれることもあります。研究プロジェクトの一部に関われるのは大変面白いですし、好奇心が刺激される毎日です。研究しやすい環境をつくるべく研究者に伴走することが、研究成果の実用化に向けた間接的な貢献につながっているなと思います。研究所で働くことって、ハードルが高く思えるかもしれませんが、意外と大丈夫。読んで字のごとく、総合職は様々なことに携わりますし、分野横断的な知識を求められる場面もあるため、引き出しの多さを武器とするジェネラリストが活躍できる場面は多いと思います。もちろん専門性を武器とする方はその強みを生かしてスペシャリストとして力を発揮できます。大事なのは研究が好き!という想いや、日本の研究開発力を高めていきたいという気持ち。そういった仲間が増えていって、一緒に産総研を盛り上げていけると嬉しいです。

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