INTERVIEWインタビュー

オープンイノベーションの
プラットフォームに。
文系の自分だから、
できることがある。

  • 文系修士
  • 新卒
  • 文理融合
  • オープンイノベーション
  • 経営企画
  • 産学官連携
  • 出向
  • 広報
  • 総合職 企画本部→産学官契約部→経済産業省出向→大学室・企業連携推進室※当時→ブランディング・広報部
  • 廣田 崇ひろた たかし新卒
廣田 崇さんの写真

文系だからこそ、
政策に落とし込み、
社会に伝える強みがある。

廣田 崇さんの写真

2016年、新卒入所。入所後、企画本部(経営企画)に配属。のち、産学官契約部にて民間企業との契約を担当の後、経済産業省へ出向し、科学技術・イノベーション基本計画の取りまとめ業務に従事。産総研に戻り、大学室(大学連携)、企業連携推進室※当時(企業連携)を経て現在ブランディング・広報部にて、産総研ブランドの確立に取り組んでいる。
(取材日:2024年3月)

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オープンイノベーションの
プラットフォームをつくる。
できるし、やらなくちゃいけない。

例えば、強風で電車が止まったりしますよね。「止まるラインをどこにするか」を決めるのが、「リスク影響評価」。大学院時代は、公共政策系のゼミでそんな勉強をしていました。そのゼミに産総研の環境安全系の方が講師として来ていて、出会いはそこからです。今の日本情勢だと、企業単体の力だけでイノベーションは生まれづらいです。イノベーションを起こすためには、いろんなバックグラウンドがある人、異なる文化や組織が混ざり合うことが非常に重要です。様々な企業とも共同研究をしていますが、産総研は、日本企業の自前主義的なマインドを変えていくために必要な組織なんじゃないかと思いました。技術の社会実装を目指す組織として、幅広い分野で研究しながら、日本のオープンイノベーションのプラットフォームをつくっていく。それができるのは、産総研だろうなと。できるし、やらなくちゃいけない。私も文系だからこそ、産総研でできることがあるんじゃないかと夢を抱きました。と、そんなことを面接で話したら、面接官の方と盛り上がりまして。ここなら楽しく働くことができそうだなと思いました。

パソコンを叩く手の写真

研究が社会に生み出す価値を、
未来への資金に。

一番記憶に残っているのは「価値ベース」を作り上げた仕事。産総研がイノベーション・エコシステムを回していくためには、継続的に新たな研究に投資して、研究シーズを生み出していくことが重要です。企業からの共同研究資金のいただき方を考える中で、将来の研究資金をどう確保していくかが重要でした。これまでの請求の流れは、備品費や人件費などを積み上げて、その研究をするために実際にかかる費用を算出するというもの。その場合、その共同研究はできても、新たな研究成果を生み出すための原資が全くなくなってしまいます。目先でかかる費用ではなくて、生み出される研究が社会にどういった影響を生み出すのかという「価値」をベースにした考え方で費用を算出しなくてはならない。そこから「価値ベース」という制度を導入しました。僕がプロジェクトの全体的な調整をしながら、関係各所と調整し合意を形成し、詰めていきました。制度が適用されて、研究現場の方への還元も始まっています。積み上げ時代にはできていなかった、研究者自身の価値も計上できるようになり、産総研の民間企業との関わり方も変わってきています。まさに、エコシステムの原型ができ始めているのかなと思います。

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日本からの期待に、
外から気づいた経産省出向時代。

出向期間は印象的で、産総研が日本全体から求められていることに、外の視点から思いを巡らせた期間でした。出向2年目の終わりごろ「科学技術にイノベーション」という言葉をちゃんと考えよう、という話が出ていて。アカデミックな研究だけではなく、イノベーションによって社会を変えていくまでをしっかり考える必要があると。その意味で、研究成果の社会実装を掲げる産総研に対する期待は、ものすごく大きかったんじゃないかなと思っています。産総研の先進的な取り組みを業界全体に打ち込めば、他の研究機関も同じ水準に上がっていく。産総研は、その取り組みやありたい姿を社会に伝えていくところも期待されています。今はブランディング・広報部として、イノベーション・エコシステムの中核になるために、産総研ブランドの確立を目指しています。産総研は製品を販売していませんので、製品を通じて社会に影響を与えるためには、企業との連携が不可欠です。そのために、産総研の独自性を、企業、そして国民のみなさんに正確に伝えられるよう、ブランドの現場調査やブランディング・広報部の取り組みに対する方針立て、情報共有を行っています。各部署でやっている取り組みも含めて、どこを切っても同じ「オール産総研」として見えるような状態にしていきたいなと。

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産総研の大きなスケールだから、
文系の力が活きる。

実は、生活の色々なところに産総研の技術があります。飛行機の炭素繊維、甘味料、最近の電卓。産総研との共同研究を日常で目にすると、ふふっとなります。産総研で総合職として働くやりがいは、国の研究機関として最先端の研究成果を生み出す仕組みを作っていくこと。社会実装が求められる組織のプラットフォームを作り、この大きな研究所をより良い組織に変えていけること。このダイナミックさは醍醐味ですね。社会における産総研、ここにも、あそこにも産総研がある、という大きなスケールに、文系でも関われるのも魅力です。総合職は、文理関係なし。むしろ研究を政策的に落とし込み、社会へと伝えていくことについては、文系の方が強いんじゃないかと思います。産総研には、まだ変わらなくちゃいけないこともあります。産総研を良くしていくために、「何でこうなってるんだ」と感じるところを、納得するまで考えたい。今は、地域センターも含めた12拠点ある全国の産総研の魅力を、どう伝えていくか考え中です。皆さんの知恵もぜひ貸していただきながら、一緒に考えていけたら。

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