研究との出会い
必然か、偶然か。
未知との出会いが、研究の扉を開けた。
今日はよろしくお願いします。まず、皆さんと研究の出会いからお伺いしたいと思います。少しさかのぼって聞いていきたいのですが、皆さん、どんなお子さんだったのですか?

塚崎
私は、自然科学にずっと興味がありましたね。家族が研究関係の仕事をしていたこともあって、よくTVで生命の進化や深海の生物や地形に関する番組などを見ていました。家族の刷り込みかもしれません(笑)。そんな子ども時代を過ごして、高校の進路選択時に、地質や古生物か海洋かどちらが良いか考えました。海洋は、学べる大学の選択肢が限られてしまう一方で、地質や古生物はいろんな大学で学べるので、地質・古生物の方を選びました。

植田
小学生の頃は、国際的な仕事がしたくて、活躍するなら外交官かなと思っていました。外交官になりたいなら法学部かなと漠然と考えていたのですが、中学生の時、兄が大学で生物を専攻していて、たまたま「精神と物質」という本をくれたんですが、それがすごく面白くて。ノーベル賞を獲得した利根川進さんの研究人生について書かれた本です。それまで遺伝子は変化しないと考えられていたけど、免疫細胞は抗体遺伝子を自在に組み替えて抗体を作っていることを解明し、ノーベル賞を受賞した話などが書かれていました。本を読んでいて感じたのは、研究ってやっぱり常識にとらわれないんだなっていうところ。そこから、研究もいいかなと思うようになりました。

二宮
僕は子どもの頃、全く研究と関係なく、運動とゲームが好きな男の子だったかと思います。ミニバス、剣道、柔道、バドミントン、テニス等、様々なスポーツを転々と取り組み、アクティブに活動していました。あまり今に根付くものはないかもしれませんね……。高校時代に文理選択があり、理系を選びましたが、理系を選んだのは数学が得意で、国語が苦手だったからです。研究に触れたのは、大学の学部4年の時。地球資源工学を専攻していましたが、地震や噴火に伴う地中内部の変動をモニタリングする研究を行いました。解析や解釈など先生と議論しながら自由に進められて、研究の面白さを実感しました。