副生成物を捕捉することで、常温でのPETの全分解に成功
PET樹脂の分解反応により生成するエチレングリコールを炭酸ジメチルで捕捉し、炭酸エチレンへと変換することで、反応を促進することを着想した。実験の結果、飲料用PETボトルをフレーク状にした試料を、室温での3時間の反応でおよそ90%、50℃ではすべて分解できた。この反応で生成するテレフタル酸ジメチルは、高純度(>99%)で簡単に単離でき、PETの原料として再利用可能である。また、副生成物である炭酸エチレンはリチウムイオン電池の電解液などとして利用できる。さらに、触媒であるリチウムメトキシドは、反応完結後は不溶物として沈殿するため、容易に分離・回収できる。