令和7年10月20日に経済産業省より本年度産業標準化事業表彰の受賞者が発表され、「産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)」を佐藤 洋(情報・人間工学領域 副領域長)、是永 敦(エレクトロニクス・製造領域 製造基盤技術研究部門 表面機能・トライボロジー研究グループ 研究グループ付)、平井 亜紀子(研究戦略本部 知財・標準化推進部 総括企画主幹、(兼)計量標準総合センター 工学計測標準研究部門 長さ標準研究グループ 研究グループ付)、杉村 領一(情報・人間工学領域 情報・人間工学領域連携推進室 チーフ連携オフィサー)が受賞しました。
併せて、国際電気標準会議(IEC)によるIEC1906賞を栗山 信宏(研究戦略本部 知財・標準化推進部 標準化推進室 標準化オフィサー)が受賞しました。
経済産業省が主催する表彰式が、令和7年10月21日に東京都千代田区の都市センターホテルにて行われました。
産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)
受賞者
佐藤 洋(情報・人間工学領域 副領域長)
主な功績
高齢社会の先進国の日本として提案した、世界初のウェルビーイングに関する国際規 格ISO25554:2024 の策定を ISO/TC314(高齢社会)/WG4(ウェルビーイング)でプロジェクトリーダー及び WGコンビーナとして主導。本規格は、日本の健康経営の理念を基に、デジタル技術の活用を視野に入れた持続可能なウェルビーイング向上の枠組みを提示し、企業や自治体の施策を可視化・評価できる枠組みを示している。そのため、この規格は、個人だけでなく組織全体のウェルビーイング向上に貢献し、企業活動において、従業員の健康や働きがいを重視する姿勢を示す手段となり、社会的信頼や持続可能な価値の創出を可能とする。
受賞者
是永 敦(エレクトロニクス・製造領域 製造基盤技術研究部門 表面機能・トライボロジー研究グループ 研究グループ付)
主な功績
ISO/TC123(滑り軸受)国内委員会委員への就任以降、日本メーカーの滑り軸受市場への拡大とともに標準化の必要性を発信し、3つの SC設立、及びそれらの幹事国獲得に貢献。SC7国際議長就任後には、プロジェクトリーダーとして摺動面の表面改質に関する標準化を模索し、TS発行を達成。更に2件のISO規格の発行にも貢献。JIS原案作成委員会委員長としては、延べ12件のJIS改正を主導し、一部をISO規格にも反映させるなど、省エネルギーに貢献する滑り軸受の市場拡大に大いに貢献。
受賞者
平井 亜紀子(研究戦略本部 知財・標準化推進部 総括企画主幹)((兼)計量標準総合センター 工学計測標準研究部門 長さ標準研究グループ 研究グループ付)
主な功績
10年にわたり日本工業標準調査会(現:日本産業標準調査会)機械要素技術専門委員会において、機械部品類、工具類、光学機械・精密機械、機械一般等、広い分野における150件以上のJIS制定・改正・廃止等に関する審議を行い、日本のものづくり産業を中心とした国際競争力向上に資する規格の制定に貢献。また、2023年に認定産業標準作成機関である日本規格協会に設置された機械要素分野産業標準作成委員会では当初から委員長を務め、同分野でのJIS案作成テーマの承認等の審議を主導し、迅速なJIS制定に貢献。機械要素分野の標準化活動に尽力した功績は大である。
受賞者
杉村 領一(情報・人間工学領域 情報・人間工学領域連携推進室 チーフ連携オフィサー)
主な功績
高い技術力と粘り強い交渉を通じ、国際コンビーナ4件(WG数11件)確保。日本から、ユースケース3件、ライフサイクル1件、機能安全4件、データ品質5件など総計15件の国際規格を提案し成立。エディタも5人育成。国際規格のJIS化を推進し、原案作成委員会委員長として1件、幹事として2件を完成。SC42(人工知能)総会の日本開催、AI国際標準化シンポジウム開催を成功させた。ITU、NIST、Partnership AI等、国際的に高いプレゼンスの会議で日本の活動を紹介し国際的な評価向上に大きく貢献。また経済産業省の委員会等において指導的貢献をなした。
国際電気標準会議(IEC)1906賞
受賞者
栗山 信宏(研究戦略本部 知財・標準化推進部 標準化推進室 標準化オフィサー)
推薦されたTC等
TC113(電気・電子分野の製品及びシステムのナノテクノロジー)