産総研 - ニュース 受賞

2007/07/17

全国発明表彰 21世紀発明賞、産学官連携功労者表彰(科学技術政策担当大臣賞)、文部科学大臣表彰、新技術開発財団 市村賞の各賞を受賞

 先進製造プロセス研究部門の明渡純 集積加工研究グループ長が「エアロゾルデポジション法」というコーティング手法の発明と、NEDO「ナノレベル電子セラミックス低温成形・集積化技術」プロジェクトでの応用開発によって表記4つの大きな賞を受賞しました。

 「エアロゾルデポジション法」とは、固体状態のセラミックス微粉末を常温で基板に吹き付けることによって、加熱することなく機械的な衝撃力だけで、緻密かつ高透明、高強度、高密着力のセラミックス被膜を常温形成するもので、従来の成膜法に比べて飛躍的な成膜速度の向上とプロセス温度の低下を実現する手法です。

参考:産総研TODAY Vol.4, No.12
   2004年5月20日発表プレスリリース

  • 平成19年度全国発明表彰 21世紀発明賞(2007年6月)
    題名:「エアロゾルデポジション法の発明」
    全国発明表彰は、我が国科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的として1919年からはじまり88年の顕彰の歴史があります。特許権等の設定登録3年以内の発明で最も優れた発明の完成者に21世紀発明賞が贈呈され、これを受賞する当該法人の代表者に21世紀発明貢献賞が授与されます。表彰式は、常陸宮殿下同妃殿下ご臨席のもと開催され、吉川弘之理事長も列席し、21世紀発明貢献賞を授与されました。また、6月6日常陸宮邸において(社)発明協会総裁、常陸宮殿下に御進講が行われました。

表彰式の写真

  • 第5回産学官連携功労者表彰  科学技術政策担当大臣賞(2007年6月)
    題名:「ナノレベル電子セラミックス低温成形・集積化技術の開発」
    プロジェクトリーダーとして、幅広い分野の企業から人材を集めて研究を行う集中研を設置、産学官が連携した結果、基礎研究と応用開発がシームレスに行われ、世界最高値のデバイス性能の達成や実用化など多くの成果を挙げ、日本独自の技術を開発しました。実用化に最も近い成果をあげたTOTO(株)、富士通(株)とともに共同受賞となりました。

壇上の明渡グループ長の写真

  • 平成19年度文部科学大臣表彰 科学技術賞 研究部門(2007年4月)
    題名:「常温衝撃固化現象の発見とエアロゾルデポジション技術の研究」
    この賞は、科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は開発を行った者を対象としており、本研究の基礎から応用にわたる成果は、近い将来、IT・情報関連機器、医療・福祉関連、エネルギー関連など幅広い分野で利用されるものと期待されており、この様な学術・産業への貢献が認められ授与されました。

     

  • 新技術開発財団 第39回市村賞 市村学術賞・貢献賞(2007年4月)
    題名:「常温衝撃固化現象の発見と常温セラミックスコーティング技術の開発」
    市村学術賞は、大学ならびに研究機関で行われた研究のうち、学術分野の進展に貢献し、実用化の可能性のある研究に功績のあった研究者またはグループに贈呈されます。本研究成果は数多くの民間企業で実用化が検討され始めています。近い将来、幅広い分野で利用されるものと期待されており、この様な学術・産業への貢献が認められ授与されました。