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お知らせ記事2020/04/01

オープンイノベーション拠点TⅠAの運営に東北大学が参画
-東北大学の強みである半導体(IoT/AI)分野を中心に、日本の産業競争力向上に寄与-

発表のポイント

  • 国立大学法人東北大学(以下「東北大学」)がオープンイノベーション拠点TⅠA(以下「TⅠA」という)の運営に、6番目の中核機関として新たに参画することにより、世界を牽引する先端研究を推進・拡大し、日本の産業競争力向上に寄与する。
  • まずは、東北大学の強みである半導体(IoT/AI)分野を中心とした相互の研究拠点の整備や、より広い分野での人材交流の促進を行う。
  • TⅠA連携探索プログラム「かけはし」、共用施設活用事業にも参画する他、人材育成事業への協力も検討する。

参賀に関する概要図

 

概要

東北大学は、2020年4月1日付けでオープンイノベーション拠点TⅠAの運営に6番目の中核機関として参画しました。

今回の参画を機に、TⅠAの既存5機関との交流をさらに深め、次の2つのアクションを強化することで、TⅠAが推進するイノベーションエコシステムの構築に貢献するとともに、社会実装を通じて、半導体(IoT/AI)分野を始めとした各分野において日本の産業競争力の向上を目指します。

1.半導体(IoT/AI)分野の連携強化

それぞれの機関が持つ能力や強みを結集し、IoT/AIチップの実証段階までを包含するイノベーションエコシステムとして循環させることで、国内外の産業界への高い訴求力を持つIoT/AIチップおよびシステムの開発につなげます。

  • 東北大学の強み
    - STT-MRAMなどの超低消費電力のメモリ、およびそれらを活用した革新的なIoT/AIチップの設計/試作能力
    - 豊富な産学連携・国際連携の関係構築ノウハウ
  • TⅠAの強み
    - 各機関の研究開発のプラットフォームを連携・拡充することにより、半導体IoT/AIチップの設計から検証までの広範囲をカバーできる体制をダイナミックに整備
  1. 研究拠点の相互設置
    東北大学・青葉山キャンパスにある国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)と、産総研・つくば西にあるTⅠA推進センター内に相互の研究開発拠点をそれぞれ常駐可能な形で設置し、密度の高いスピーディーな研究開発を実現
  2. 人材交流の促進
    クロスアポイントメント制度などを活用したフレキシブルな人材交流を促進

2.その他の連携

  1. 連携探索プログラム「かけはし」への参画
    分野融合、複数機関連携による基礎から応用まで技術の橋渡しを促進し、企業を含む連携研究開発を推進します。
  2. 共用施設活動への参画
    TⅠA共用施設活動への参画により、アクセス可能なユーザー利便性の高い研究インフラを拡充します。
    具体的には、東北大学 マイクロシステム融合研究開発センター(試作コインランドリ)との連携強化を進めて参ります。
  3. 人材育成活動への参画
    TⅠA連携大学院などの活動への協力を検討していきます。

用語の説明

◆オープンイノベーション拠点TⅠA https://www.tia-nano.jp/
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)、国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)、国立大学法人 筑波大学、大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構(KEK)と国立大学法人 東京大学を中核機関とし、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)とで運営する研究拠点であり、内閣府、文部科学省、経済産業省の支援を得てオープンイノベーションに繋がる研究開発と人材育成を推進している。[参照元へ戻る]
◆かけはし
TⅠA中核機関が組織の枠を超えて連携し、新領域を開拓するための調査や連携を支援する事業。[参照元へ戻る]
◆TⅠA連携大学院
TⅠAの研究人材・研究設備を活用し、一つの大学・研究機関だけでは到達できない高水準の教育を目指す大学院教育インフラ。サマーオープンフェスティバルなど、学生や若手研究者向けの人材育成プログラムも実施する。[参照元へ戻る]