産総研:ニュース

お知らせ記事2021/11/11

政府の技術実証において大規模イベントの感染予防のための調査を実施
-Bリーグにおいて技術実証-

掲載日:2021/11/11
更新日:2021/11/30
更新日:2021/12/7
更新日:2022/1/27

概要

大規模施設でのイベントにおいては、観戦時の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクを把握し、低減することが重要です。

これまで、産業技術総合研究所(以下、産総研)は、さまざまなスポーツ団体や球団・クラブと連携して、スポーツ観戦における観客の感染予防のための調査を進めてきました。

このたび、産総研は、政府、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)およびクラブによる「ワクチン・検査パッケージ」に関する技術実証*において、Bリーグ、クラブと連携して、リーグ戦などで政府の技術実証の一環として、観戦時の観客のマスクの着用の有無や応援方法、アリーナ内の歓声などを評価する技術実証を実施します。また、CO濃度計測器を活用して、アリーナ内の密の程度を評価します。なお、アリーナ内の収容率の差異による環境変化を確認するため、「ワクチン・検査パッケージ」の導入前の試合においても自主調査として実施します。

さらに、取得したデータなどから各種対策の効果を評価します。この技術実証により、安全に観戦できる環境づくりに協力できると考えています。

なお、本調査は、地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門地圏化学研究グループ、情報・人間工学領域 人工知能研究センター社会知能研究チーム、およびエネルギー・環境領域 安全科学研究部門リスク評価戦略グループの3領域の連携により実施します。

*内閣官房「ワクチン接種が進む中における日常生活の回復に向けた特設サイト」
https://corona.go.jp/package//

調査概要

                
評価項目
調査内容
マスク着用率の把握および拍手、万歳、ハイタッチなど10種類程度の行動の推定 ハンディカメラでの撮影および解析
観客の非意図的な声出しや応援状況などの把握 マイクロホンアレイによる計測および解析
アリーナ内の密の程度の評価および換気状況の把握 CO濃度計測器によるCO2濃度計測

観客席を撮影するカメラ画像は、個人が特定できない程度の解像度で取得し、個人の特定はいたしません。また、音響センサーは、個々の音声ではなく喧騒の計測のために用い,個々の人の声についての音声認識や会話記録は行いません。なお、得られた画像や音声などの情報は、本研究用途以外に使用することはありません。
調査についてご不明点がありましたら、下の問い合わせ先にご連絡ください。

調査実施日と実施会場

      
位置づけ
対象
日程
カード
会場
カメラ撮影
マイクロホンアレイ
CO2測定
自主調査 B1リーグ第8節 2021/11/13 茨城ロボッツ vs 川崎ブレイブサンダース アダストリアみとアリーナ 実施 実施 実施
自主調査 B1リーグ第8節 2021/11/14 千葉ジェッツ vs 新潟アルビレックスBB 船橋アリーナ 実施 実施 実施
政府技術実証 B2リーグ第10節 2021/12/05 仙台89ERS vs 熊本ヴォルターズ ゼビオアリーナ仙台 実施 実施 実施
チェックリスト B1リーグ第13節 2021/12/25 横浜ビー・コルセアーズ vs 琉球ゴールデンキングス 横浜国際プール 実施 実施 実施
チェックリスト B1リーグ第13節 2021/12/26 宇都宮ブレックス vs 島根スサノオマジック 日環アリーナ栃木メインアリーナ 実施 実施 実施
中止 B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2022 IN OKINAWA 2022/1/15 - 沖縄アリーナ 中止 中止 中止
自主調査 B1リーグ 第19節 2022/1/29 横浜ビー・コルセアーズvs千葉ジェッツ 横浜国際プール 実施 - 実施

成果の発表方法

本調査を元とした研究成果はホームページなどにて一般の方にも分かりやすく報告します。得られた知見は政府およびBリーグ、クラブなどと共有して今後の大会運営に生かしていきます。また、詳細な研究成果については論文などで学術的な発表を行う可能性があります。

 

お問い合わせ先

広報部報道室
Eメール:hodo-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)