宝永地震による津波を超える規模の津波が存在したと推定
千個以上も分布する巨礫の位置や大きさを現地でひとつひとつ測定し、どのくらいの規模の津波によって巨礫が動くのかを計算した。この結果、南海トラフ沿いで歴史上最大とされる1707年の宝永地震による津波の規模でも動かない巨礫が存在することがわかった。このことから、1707年津波を超える大きな津波がかつてこの地に来襲し、巨礫を動かしたことが推定される。さらに台風や高潮の影響も検討し、2012年9月に通過した台風前後のレーザースキャン測量による地形変化の確認や、1976年と2007年の航空写真の比較から、高潮は主に直径1 m以下の相対的に小さな巨礫は動かしうるが、それ以上の大きな巨礫には影響を与えないこともわかった。