地震・津波の発生履歴の調査
海岸低地地下の堆積物は過去数千年間の環境変動を記録しており、数百~千年に一度と言われる低頻度の巨大津波の履歴を調べるのに適している。九十九里浜地域は、太平洋プレート、大陸プレート、フィリピン海プレートが1カ所で接するプレートの三重点に隣接する地域であるため、各々のプレート境界で形成されている日本海溝、相模トラフ、伊豆・小笠原海溝の周辺で発生する地震・津波の脅威にさらされている。これらの海域の沿岸における代表的な津波被害として、1677年の延宝地震(延宝五年)と1703年の元禄地震(元禄十六年)によるものが古文書などに記録されている。しかし、これらより古い時代の地震・津波の発生履歴は明らかになっていない。