産総研:研究ハイライト 大規模イベントにおける新型コロナウイルス感染予防対策の調査およびリスク評価

新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボ
大規模イベントにおける新型コロナウイルス
感染予防対策の調査およびリスク評価
政府やJリーグ等と連携して最新技術を用いた計測を実施
  • 新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボ保高 徹生
  • 大西 正輝
  • 内藤 航
  • 坂東 宜昭

掲載日:2021/05/11 ~ 2022/03/28

政府や各種団体と連携し、大規模イベントにおける感染予防対策の調査・リスク評価を実施

内閣官房コロナ室、経済産業省、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)、全日本サッカー協会(JFA)などと連携し、政府が主導するワクチン検査パッケージを含む45以上のイベントで感染予防のための調査やリスク評価を実施した。

カメラ撮影状況(左)とAIによる画像認識技術でのマスク着用率の検出状況(右)
 

先端技術で感染予防対策の状況を評価

新型コロナウイルス感染が続く中、安全にイベントを開催するには、どのような状況下で感染が広がるかのリスクを知ることは重要であり、社会的にも関心が持たれている。特にスタジアムのような大規模施設で開催するイベントには、一度に多くの観客が集まることから、入場者数、マスク着用の有無、混雑の程度、応援方法の違いなどが感染の広がりに影響する。これまで、Jリーグ、Bリーグ、日本サッカー協会、内閣官房コロナ室、経済産業省等と連携して、政府が主導するワクチン検査パッケージを含む45以上のイベントやクラブハウスなどで新型コロナウイルス感染予防のための調査を実施してきた。

 

スタジアムでの計測と評価結果

調査では、AIによる観戦中のマスク着用率評価やマイクロホンアレイによる声出し応援の評価、レーザー光によるリモートセンシング技術(LIDAR)を用いた人流解析、観客席やコンコースなどでのCO2濃度等の計測を行い観客の対策遵守状況や密の状況を評価するとともに、スタジアム内のリスク評価を実施した。ワクチン接種が進み、緊急事態宣言などが解除された状況下の試合においても、マスクの着用率は高いことが確認された。また、大人数の歓声の時間割合は小さいこと、屋外のスタジアムにおいては観客席のCO2濃度の平均値は1000ppm以下であることも確認された。

 

新型コロナウイルス感染リスクを抑えつつ日常を取り戻す

現状、大規模イベントにおいては、原則声出しの禁止など、様々な規制がなされている。日常を取り戻すことを目的として、Jリーグと連携した声出し応援再開プロジェクトの開始、大規模競技場などで観戦する際の新型コロナウイルス感染リスクと対策ガイダンスの改訂など、新型コロナウイルス感染リスク評価、対策効果の評価を政府や各種団体と連携して進める。

 

本研究テーマに関するお問合せ先

保高徹生研究グループ長の写真
地圏資源環境研究部門 地圏化学研究グループ

研究グループ長 保高 徹生(やすたか てつお)

〒305-8567 茨城県つくば市東1-1-1 中央第7

メール:M-res-geo-Toiawase-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)

ウェブ:https://unit.aist.go.jp/georesenv/res-geo/

大西正輝研究チーム長の写真
人工知能研究センター 社会知能研究チーム

研究チーム長 大西 正輝(おおにし まさき)

〒135-0064 東京都江東区青海2-3-26

メール:airc-info-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)

ウェブ:https://www.airc.aist.go.jp/cosine/

内藤航研究チーム長の写真
安全科学研究部門 リスク評価戦略グループ

研究グループ長 内藤 航(ないとう わたる)

〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1 つくば西

メール:webmaster_riss-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)

ウェブ:https://riss.aist.go.jp/department/group/risk-assessment-strategy/