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2017研究ハイライト カーボンナノチューブを用いた塗料で電磁波遮蔽

ナノチューブ実用化研究センター 阿多 誠介

ポイント

長尺の単層カーボンナノチューブを用いて、フレキシブルで高耐熱性(180℃)を有する電磁波遮蔽膜を任意の基材上に形成可能な水性塗料を開発しました。

図下に写真のキャプションを表示
SGCNT系水性塗料を用いて
ポリイミドシートへ成膜
  図下に図のキャプションを表示
SGCNT系水性塗料(左)と塗布速度による粘度依存性(右)

背景

近年、電気機器、電子機器、携帯電話などの爆発的な普及により、これらから放出される電磁波で私たちの住環境は覆われている。一方で、私たちの健康障害やデバイスの誤作動、電波テロなどを未然に防ぐため電磁波遮蔽材料のニーズは飛躍的に増大しています。

電磁波遮蔽材料には用途に応じて様々な種類があります。中でも金属粒子を含む塗料を基材上に成膜することにより形成される電磁波遮蔽膜は、基材に電磁波遮蔽特性を後処理により付与できることから、一定のニーズがあります。しかし、有機溶媒を使用しているため環境親和性が低く、液だれや、高温での金属粒子の酸化による遮蔽能の低下など様々な問題がありました。今回、産総研ではこれら電磁波遮蔽材料の元となる塗料が抱える問題を解決するために、産総研で開発したCNTを用いた水性塗料の開発を行いました。

新たな成果

今回、産総研で開発された長尺のカーボンナノチューブ(CNT)を用いて、高性能な電磁波遮蔽材料を任意の基材表面に形成することの出来る、水性塗料を開発しました。塗料は溶媒として水を用いていることから環境親和性が高く、安全に取り扱うことが可能です。今回開発した塗料は、CNT溶液の特異な粘弾性挙動を利用し、平面だけでなく曲面等に綺麗に成膜することを可能にしています。また、成膜された電磁波遮蔽材料は、フレキシブル性を有し、基材を曲げてもひび割れなどは起こりません。また、耐熱性の高いCNTをベースとしていることから、180℃において長期間電磁波遮蔽特性を維持することが出来ることを確認しています。

今後の展開

今後は、試料提供などを通じて本材料の実用化を図ると共に、寄せられたニーズを元に改良を進めていきます。

関連リンク


本研究テーマに関するお問合せ先

阿多さんの写真  
ナノチューブ実用化研究センター CNT用途チーム 研究員 阿多 誠介(あた せいすけ)

〒305-8565 茨城県つくば市東1-1-1 中央第5


話:029-861-4551

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国立研究開発法人産業技術総合研究所