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産総研論文賞2020

産総研論文賞2018のタイトルバナー

賞の概要

産総研研究者は、科学技術におけるイノベーション創出の先導者として、自ら向上心と使命感を持って研究を遂行し、質の高い論文を世界に向けて発信していきます。そこで、産総研として誇れる高水準の論文を発表した研究者に対して、2014年度より毎年「産総研論文賞」として顕彰しております。

※受賞者の所属は受賞時点のものです。

過去の受賞一覧

受賞論文

Isolation of an archaeon at the prokaryote-eukaryote interface

Hiroyuki Imachi, Masaru K. Nobu, Nozomi Nakahara, Yuki Morono, Miyuki Ogawara, Yoshihiro Takaki, Yoshinori Takano, Katsuyuki Uematsu, Tetsuro Ikuta, Motoo Ito, Yohei Matsui, Masayuki Miyazaki, Kazuyoshi Murata, Yumi Saito, Sanae Sakai, Chihong Song, Eiji Tasumi, Yuko Yamanaka, Takashi Yamaguchi, Yoichi Kamagata, Hideyuki Tamaki, Ken Takai
Nature, 2020, 577 (7791), 519-525

受賞者

  • ノブ マサル コニシ(生物プロセス研究部門)
  • 中原 望(生物プロセス研究部門)
  • 玉木 秀幸(生物プロセス研究部門)
  • 鎌形 洋一(生命工学領域)

選出理由

本論文の著者は、我々人間をはじめとする動物、植物、菌類等が含まれる真核生物の祖先に最も近縁な原核生物「アーキア」を海底の泥から採取・培養し、世界で初めてその実態を解明した。それにより従来の進化説を覆して、真核生物の高等化に関する新たな進化モデルを提唱した。本論文は、英科学誌Natureの表紙を飾ると共に米科学誌Scienceが選ぶ「2019年10大科学的発見」に挙げられた。公表から約1年間で71件の論文に引用されており、学術的に非常に大きな影響を与えている。さらに、一般社会においても、国内外の多数の新聞・テレビの主要メディアで広く報道されると共に一般向け科学雑誌等でも取り上げられるなど、産総研のプレゼンス向上に大きく貢献した。本研究を基にした真核生物に共通する細胞構造の形成プロセスの解明は、今後、酵母、植物、動物等の様々な真核生物の産業利用において、革新的な細胞制御技術や物質生産技術を創出する基盤となることが期待される。本研究の成果は学術的な新規性と価値が極めて大きいことに留まらず、一般社会に対しても大きなインパクトをもたらすものである。以上のように、本論文は産総研のプレゼンス向上に大きく貢献した。

受賞者代表(ノブ マサル コニシ)(右)の写真
受賞者代表(ノブ マサル コニシ)(右)

Pressure-core-based reservoir characterization for geomechanics: Insights from gas hydrate drilling during 2012-2013 at the eastern Nankai Trough

Jun Yoneda, Akira Masui, Yoshihiro Konno, Yusuke Jin, Masato Kida, Jun Katagiri, Jiro Nagao, Norio Tenma
Marine and Petroleum Geology, 2017, 86, 1-16

受賞者

  • 米田 純(エネルギープロセス研究部門)
  • 桝井 明(創エネルギー研究部門)(当時)
  • 今野 義浩(創エネルギー研究部門)(当時)
  • 神 裕介(エネルギープロセス研究部門)
  • 木田 真人(創エネルギー研究部門)(当時)
  • 片桐 淳(環境創生研究部門)
  • 長尾 二郎(エネルギープロセス研究部門)
  • 天満 則夫(エネルギープロセス研究部門)

選出理由

政府の目標である、経済成長を果たしながら2050年にカーボンニュートラルを達成するためには、エネルギー安定供給と温室効果ガス排出削減の両立が必要不可欠である。前者のために国産エネルギー資源であるメタンハイドレート(MH)の資源開発が進められている。これと二酸化炭素回収・貯留技術を組み合わせることで、将来のゼロエミッション社会におけるエネルギー源の一翼を担うことが期待されている。
本論文では、MHコアを深海部の温度圧力条件で分析する技術を開発し、天然MHコアの水理・力学特性を評価した。その結果、ガス生産性の予測精度向上と採掘による海底地盤の変形予測・安全性評価を可能にし、世界初の海洋産出試験に大きく貢献した。これまでにインド、アメリカ(メキシコ湾、アラスカ)及び日本海の主要なMH開発への協力要請を受けており、高確度な測定技術に厚い信頼が寄せられている。本論文の成果は、産総研のみならず我が国のプレゼンス向上に貢献している。また、被引用件数は59件と多く、学術的にも注目される研究成果である。以上のように、本論文は産総研のプレゼンス向上に大きく貢献した。

受賞者 米田 純(右)の写真
受賞者代表(米田 純)(右)

Lithium-ion conducting oxide single crystal as solid electrolyte for advanced lithium battery application

Kunimitsu Kataoka, Hiroshi Nagata, Junji Akimoto
SCIENTIFIC REPORTS, 2018, 8, 9965

受賞者

  • 片岡 邦光(先進コーティング技術研究センター)
  • 永田 裕(先進コーティング技術研究センター)
  • 秋本 順二(先進コーティング技術研究センター)

選出理由

安全性の高い全固体二次電池は、今後、電気自動車や再生可能エネルギーの大量導入に必要な蓄電システム、IoTデバイス等で広く使われると期待されている。全固体二次電池の普及においては、高イオン導電率の固体電解質の開発が重要課題の一つとなっている。本論文では、固体電解質の中でも国内外で多くの研究がなされているガーネット型固体電解質について、世界で初めて大型単結晶の育成に成功し、その結晶構造を解明すると共に発表時の世界最高のリチウムイオン導電率を達成した。さらに、育成した単結晶を用いて酸化物型全固体リチウム二次電池を作製し、その動作を実証した。本論文の被引用件数は30件あることに加え、日本セラミックス協会から2つの賞を受賞しており、学術的に高く評価されている。さらに、本成果については産業界への橋渡しも積極的に行われている。知財を確保して国内企業3社にノウハウを開示すると共に共同研究を実施している。そのうちの1社とは特許実施契約を締結し、この単結晶を商品として販売するに至っていることも評価に値する。以上のように、本論文は産総研のプレゼンス向上に大きく貢献した。

受賞者代表(片岡 邦光)(右)の写真
受賞者代表(片岡 邦光)(右)

Tsunami deposits refine great earthquake rupture extent and recurrence over the past 1300 years along the Nankai and Tokai fault segments of the Nankai Trough, Japan.

Osamu Fujiwara, Akira Aoshima, Toshiaki Irizuki, Eisuke Ono, Stephen P. Obrochta, Yoshikazu Sampei, Yoshiki Sato, Ayumi Takahashi
Quaternary Science Reviews, 2020, 227, 105999

受賞者

  • 藤原 治(活断層・火山研究部門)
  • 佐藤 善輝(地質情報研究部門)

選出理由

本論文は、津波堆積物の調査により、長年の課題であった東海地震と南海地震の発生タイミングを過去1300年間にわたって初めて解明した。これにより、両者が同時に起こる超巨大地震が過去に2回発生したことも示した。この結果は、政府の地震調査研究推進本部政策委員会予算調整部会でも報告され、今後、約10年毎に見直されている南海トラフ地震の長期評価とそれを踏まえた防災計画の策定に活用されることが期待されている。本論文の成果については14 件の取材があり、 約 40 件の新聞、テレビの報道が行われた。さらに、一般向け科学雑誌や書籍等にも写真入りで掲載された。東日本大震災から10年目の節目において、産総研のプレゼンス向上に大きく貢献した。

受賞者代表(藤原 治)(右)の写真
受賞者代表(藤原 治)(右)

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国立研究開発法人産業技術総合研究所