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産総研:中国センター 平成24(2012)年度の産友会メールマガジン

平成24(2012)年度の産友会メールマガジンの情報がご覧いただけます。

産友会メールマガジン第15号 【画像処理関連技術特集】
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   産総研中国センター友の会(産友会)メールマガジン
        【第15号/ 2013.03.30発行】
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【画像処理関連技術特集】
 コンピュータを用いた画像処理技術は以前から利用されてきた技術ですが、最近ではサーバー上で処理を行うクラウド対応のものや、画像入力装置の小型化、高性能化に伴い、様々な分野での利用が進みつつあります。そこで、本号ではこの画像処理関連技術の最近の研究開発動向に焦点を当てることにしました。
 
■工業用視覚システム、その応用とツール
この総説では、目視に代わるマシンヴィジョン(コンピュータビジョンを機械、ロボット、品質検査などに適用すること)の工業的な応用例について網羅的にまとめるとともに、その開発のためのソフトウェアやハードウェアについて紹介しています。
 
■ロボットビジョンにおけるモデルベースでの認識
本論文はロボットビジョンのためのモデルベースでのオブジェクト認識アルゴリズムの比較調査結果を紹介するとともに、特徴抽出、モデリング、およびマッチングについて詳細な検討を行っています。
1986年の論文ですが、画像認識のポイントを押さえるのに役立つかも知れません。
 
■SUSAN---低レベル画像処理の新規な方法
この論文では端や角(かど) の検出や雑音低減のような低レベル画像処理のための非線形フィルタリングを用いた新規な方法を提言しています。この方法は正確で雑音に強く高速に作動するという特徴を有しています。
 
■テクスチャ解析方法 - レビュー
本レビューは、磁気共鳴画像テクスチャの定量化に関するCOST B11 アクションの管理委員会委員長であるリチャード博士のリクエストにより作成されたもので、デジタル画像をテクスチャ解析するための方法について紹介しています。
 
■モバイル用プレゼンテーションカメラの開発
本論文では、パソコンに USB 端子で接続して使用する方式のオートフォーカス機能を備えたモバイル用プレゼンテーションカメラの開発について紹介しています。
■医用画像の利用技術に関する特許出願技術動向調査報告書
特許庁は平成24年4月に平成23年度の標記報告書を発行しました。この報告書は、①医用画像の利用技術の技術俯瞰、②医用画像の利用技術に関する特許動向調査、③医用画像の利用技術に関する研究開発動向調査、④政策動向調査、⑤市場環境調査、⑥総合分析の 6つの章で構成されています。
 
■クラウド上で画像解析システムを容易に構築
産総研では大量のデータの複雑で高速な処理が必要な衛星画像解析システムをクラウド(クラウドコンピューティング)上で容易に開発できる、画像解析ワークフローソフトウエア「Lavatube 2」を開発しました。Lavatube 2 による衛星画像を利用した研究開発の支援により、社会・科学に有用な新たな知見が得られる情報基盤を容易に構築することができるため、衛星画像などの地理空間情報の利活用の促進が期待されています。
 
■人間の目を持つロボット
産総研では2~3台のビデオカメラを人間の視覚受容器である目として使い、その目がとらえた画像情報から物体認識を行うアルゴリズムを、人間の脳の中での画像処理方法に代わるものとして研究開発しました。
 
■カメラ映像から異常動作をリアルタイムで自動検出するソフトを開発
-監視カメラの自動化に向けて大きく前進-
産総研では産総研独自の画像認識技術を用いて、カメラ映像から異常動作をリアルタイムで自動的に検出するソフトを開発しました。これまでにわれわれは、「 CHLAC 」(立体高次局所自己相関特徴法)という計算方法を考案し、それに基づきカメラ映像中からの人物識別や、異常行動の検出などを行うための基本技術を開発し、優れた性能が得られることを確認しました。
 
■動的視覚情報処理に関する研究
産総研ではマニピュレータ、移動機構、視覚装置を有する移動ロボットを開発し、行動と密結合が可能な移動ロボット用視覚情報処理について検討を加えて画像処理システムを開発しました。
 
■第69回ロボット工学セミナー「ロボットに利用できるコンピュータビジョン技術」
産総研では昨年5 月、コンピュータビジョン分野の最新トピックスについて、基礎アルゴリズムから応用まで失敗談・技術導入時のポイント、実世界への適用・応用可能性について、初学者にも分かりやすく解説したセミナーを開催しました。
 
■VocaWatcher(ぼかうお)
産総研では市販ソフトウェアのfaceAPI ver.3.2.6 を使用して、ビデオ画像の画像処理を行って、人間の顔を検出し、でヒューマノイドロボットの自然な顔動作パラメータを自動生成しました。
 
■スキャナーによる岩石類の観察
産総研では岩石資料をパソコンのスキャナーを用いて観察する手法について、具体的な手順、方法を分かりやすく解説した資料を作成しています。この岩石の断面の観測手法は岩石のみならず、コンクリートコアの断面等の記録や観察方法として利用できるのではないでしょうか。
 
■遠隔画像診断システムの開発と実用化の方策
産総研では大学等と共同で、医療機関で撮像された3次元画像情報をネットワーク伝送し、画像処理および実体モデル化することにより臨床診断の精度を飛躍的に向上させる遠隔医療システムを開発することを目標として研究を行っています。
 
高信頼画像情報処理および距離情報を用いる三次元物体認識
産総研では文字・図形認識アルゴリズムの開発、汎用的な画像処理技術、次いで蓄積した技術を活かした統合的な認識技術へと研究を展開しています。本記事では 1970年代から2000年代にかけて産総研において行われた画像処理研究を「アウトカム(*1)」の観点から紹介しています。
 
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産友会メールマガジン第14号 【二次電池関連技術特集号】
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   産総研中国センター友の会(産友会)メールマガジン
        【第14号/2013.02.28発行】
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【二次電池関連技術特集号】
 古くから利用されている二次電池ですが、近年、スマホや電気自動車用の電源としてその重要性はますます増大しています。しかし、最近、報道された航空用Li電池システムのトラブルは、現段階ではまだ原因は特定されていないものの、まだまだ解決すべき技術課題があることを示しているようです。産総研では、下記URLに示すように、本年度補正予算に組み込まれる緊急経済対策の中で次世代蓄電池等の研究拠点整備を計画しています。本号では、こうした二次電池の最近の研究動向について特集することに致しました。
 
■リチウムイオン電池の熱暴走抑制剤
この論文では、リチウムイオン電池の電解質の難燃性を改善するために、熱暴走を抑える新規な芳香族系のリン含有エステルの製造方法について紹介しています。このエステルを標準的な電池の電解質に2-5%添加することにより、火災と爆発を防止して、安全性を向上させることが出来るとのことです。
 
■LiCoOと炭素電極を用いたリチウムイオン再放電可能セル
本論文では、より大きなエネルギー密度を得るために、層状遷移金属酸化物LiMOz(M-Co、Ni)のカソードとスピネルのマンガン酸酸化物LiMn*O*のアノードおよび電解質溶液からなる電池について調べています。電解液としてプロビレンカーボネィト(PC)-ジエチルカーボネイト(DEC)を用いた場合に優れた特性を示しました。さらにポリフルフリールアルコール由来の炭素電極が大容量と優れたリサイクル特性を有していることが分かりました。
 
■有機ラジカルカソードを正極活物質として用いる再充電可能な電池
この論文では、エネルギー貯蔵システムのための安定ラジカルの応用について報告しています。合成したポリ(2、2、6、6-テトラメチルメタクリレート)(PTMA)を充電式電池の正極活物質として用いたところ、電池の平均放電電圧3.5Vで500回の充放電を行うことが出来たとのことです。
 
■高温電池への応用に適した結晶性リチウムイオン伝導体の総説
この総説では、高温電池への応用に適した材料に焦点を当てながら結晶性リチウムイオン伝導体について紹介しています。酸化物や非酸化物の広範囲の材料について調べた結果、特に興味あるシステムとして複数のシステムを推奨しています。その際、考慮された因子は300~600℃の作動温度における高いイオン伝導性、電極材料との互換性および製造の容易さです。
 
■リチウムイオン電池とリチウムポリマー電池システムのためのセル均等化方法の総説
リチウムを用いる電池は鉛蓄電池のような伝統的な電池と比較した場合、過充電することによりセルを均等化することができないため、それに代わる方法が求められています。この総説では活性化セルバランス法のような電池のセルの均等化をするための方法として、電荷均衡技法の理論を示し、その長所と短所を紹介しています。
 
■先進的かつ実用的なリチウム電池材料についての総説
この総説では、次世代リチウムイオン電池のための高度な電極材料や電解液の研究開発における最前線の動向を紹介しています。電極上での電極-溶液の相互作用と不動態化現象が、安定性、サイクル寿命や安全性に重要な役割を果たしていることを指摘。
 
■再充電可能なマグネシウム電池技術に関する短い総説
この総説では、価格が安いマグネシウムを用いる電池について、新規な電解液を開発し、2.5Vを得たことを紹介しています。さらに、MgxMoSyタイプ(シェブレル相)のカソードを用いるマグネシウム電池を作成し、1000回以上の充放電サイクルを実現したことなどを紹介しています。
 
■リチウム電池の火災テストに関するプレゼン資料
この資料では、Li一次電池とLiイオン電池について、5つの異なるメーカーの18、650のセルを50%充電したものと100%充電したものとをアルコールの炎に晒して試験し、熱伝搬と爆発の状況について調べています。さらに、ハロンの効果を調べるとともに、10m3の容器を使用した圧力パルス試験も行っています。
■リチウム電池保護回路
この発明では、電池や多重セルで構成される電池を結線ミスによる電圧の逆転を防ぐための方法と装置を提供しています。検出する方法としては電圧レベルの低下を検出した際に電圧レベルと負荷の結線ミスを比較することによるものです。
 
■リチウムイオン電池における劣化メカニズム
充電式リチウムイオン電池は、電圧が高く、重量あたりのエネルギー密度が高く、自己放電速度が低いため、広範囲の移動体通信やポータブル機器で使用されています。さらに、電気自動車や定置エネルギー貯蔵用電源として最も有力な候補の一つです。本論文では、リチウムイオン電池の老化のメカニズムについて紹介しています。
 
■「ドイツ蓄電等関連技術市場に関する調査」報告書
日本貿易振興機構(ジェトロ)は2012年2月に、市場動向、規制・制度関係、流通外観、バイヤー情報、業界誌・見本市、プロジェクト情報についての調査結果をまとめた標記報告書を発行しました。
 
■Liイオン電池のLiイオンの出入りを可視化
産総研では、Liイオン電池の正極材料でのLiイオンの出入りの様子を明らかにするため、走査透過電子像観察-電子エネルギー損失分光(STEM-EELS)のスペクトルデータ処理を行うことにより、充放電に伴うLiイオンのナノスケールでの濃度分布を明らかにしました。
■分散型電池電力貯蔵技術
産総研では、一般家庭などで夜間電力を貯蔵できる小規模な電池電力貯蔵装置や夜間に貯蔵した電力を利用する電気自動車への応用が可能な、分散型電池電力貯蔵技術の研究開発を実施しています。この中で「高能率未来型電池の研究」としてリチウム二次電池の研究開発を行うとともに、電池の導入方策等を検討する「トータルシステムの研究」を行っています。
 
■イオン液体とゲル空気極を用いたリチウム-空気電池
これまでのリチウム-空気電池には電解液として有機電解液が用いられているため、発火、蒸発、分解しやすいなどの問題がありました。産総研では、今回、電解液としてイオン液体、空気極としてゲルを用いる設計を採用し、従来よりも、安全で、安定した動作をするリチウム-空気電池を作製し、この電池により、初めて空気中での可逆的な大容量(10,000mAh/g)充放電を実現しました。
 
■安価で高性能なリチウムイオン二次電池正極材料の開発に成功
産総研では、酸化物中全遷移金属量の30%に、安価で資源的にも豊富な鉄を用いた、二種のリチウムイオン二次電池用新規酸化物正極材料を開発しました。これらの正極材料は還元焼成を含む湿式化学製造法により作製され、規格化放電容量値を既存正極材料並みの約80%にまで向上させることができました。
 
■リチウム二次電池用の新しい負極材料を開発
産総研では、企業と共同でリチウムイオン二次電池用の新しい高容量チタン酸化物負極材料(H2Ti12O25)を開発しました。この負極材料は現行材料と同程度の高い電位をもつ高容量な酸化物系の代替負極材料です。正極にマンガン酸リチウムを使用してリチウムイオン二次電池を試作したところ、可逆的な充放電ができたことから、開発した新規チタン酸化物は負極として問題なく機能することが分かりました。
 
■リサイクルが容易な「リチウム-銅二次電池」を開発
産総研では、大容量でリサイクルが容易な「リチウム-銅二次電池」を開発しました。今回開発した電池は、電極に金属リチウムと銅だけを用いており、低コストで生産でき、簡単なプロセスでリサイクルすることが可能。
 
■有機物で二次電池を作る
―無機電極材料を代替し、レアメタルフリー電池を目指す―
産総研では、スルホ基をもつ誘導体(インディゴカルミン)が、容量は十分でないものの、充放電1000サイクル以上の寿命があることを示し、耐久性で劣ると考えられがちな有機物ではあっても、現行の無機材料に遜色ない水準に到達することを示しました。
 
■Li金属極の充電性能を格段に高めるイオン液体を開発
産総研では、環状4級アンモニウム-イミド塩からなるイオン液体電解質がリチウム金属極に適用可能な耐還元性を持つことを明らかにしました。この電解質を用いた場合、溶解析出を繰り返したリチウム金属基板上へのリチウムの析出形態は有機電解液の場合のような樹枝状ではなく、平滑であること、したがってリチウム金属極の性能と信頼性が格段に向上することが分かりました。
 
■ソフト化学合成法によるリチウム二次電池用高容量電極材料の開発
産総研では、高容量電極材料の開発に無機材料の低温合成プロセスのひとつであるソフト化学合成法を適用し、いずれも現行材料よりも高容量な新規マンガン酸化物系正極材料および新規チタン酸化物系負極材料を開発しました。
 
■コバルトフリー化ニッケル水素電池の開発
産総研では、コバルトフリー化によりコストを下げながら、より高性能な、スマートグリッドに適したニッケル水素電池を開発しました。
 
■新規ナノポーラス材料の電極への応用
産総研では、最近開発した結晶性金属酸化物複合ナノポーラス材料(TiO2-P2O5)をリチウム2次電池の電極(負極)に応用することで、従来のリチウム2次電池と同程度のエネルギー密度を維持した上で、パワー密度が2桁以上向上することを実証しました。
 
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産友会メールマガジン第13号 【平成24年の産総研の主な研究成果紹介】
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   産総研中国センター友の会(産友会)メールマガジン
        【第13号/ 2013.01.31発行】
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【特集 新春特集号】  平成24年の産総研の主な研究成果紹介
 =所長挨拶=
 年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。産友会を立ち上げてからちょうど一年が経過しまして、現在会員は約80社に達しております。会員の皆様には毎月一回メルマガを発信して、産総研を中心にした国内外の最新技術シーズ、経産省等の公募情報、及びイベント情報をご案内して参りました。この一年、会員の皆様が抱える技術課題を抽出して産総研の技術シーズに繋げる活動を展開し、共同研究に発展した3例を昨年11月の「産総研本格研究ワークショップin広島」(テーマ:中国地域のものづくり技術のオープンイノベーション)で紹介させていただきました。今後とも、会員の増員を図るとともに、会員の皆様の技術課題を克服して中国地域をさらに活性化すべく汗を流して参る所存ですので、これまで以上に連携方よろしくお願い申し上げます。(所長 中村 修)
 
1.環境・エネルギー分野
■ダイヤモンド半導体を用いて真空パワースイッチの開発に世界で初めて成功
 真空をスイッチ素子に用いるには、スイッチがオンのときに真空に電流を流す電子放出源が必要です。ダイヤモンド半導体の表面を水素原子で覆うと、真空中に自由に電子が飛び出すことを明らかにし、試作した真空パワースイッチの動作を検証したところ、10kVの電圧でパワースイッチとして機能することを確認できました。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20121210/pr20121210.html
 
■燃焼排出ガスからのCO2回収システムの開発
 施設園芸栽培での生産性向上とCO2排出削減に資するため、夜間暖房に用いる加温器からCO2を回収・貯蔵し、光合成が盛んな昼間に施設内に放出するシステムを開発しました。
 
2.ライフサイエンス分野
■キノコの不凍タンパク質の分子構造と不凍機能のメカニズムを解明
 キノコが生産する不凍タンパク質が氷の成長を強く抑制し、強力な不凍作用を示すことを明らかにしました。キノコは大量培養が可能であり、キノコを原料とすることで、強い不凍作用をもつ、新たな不凍タンパク質の低コスト生産や、食品や細胞を安定的に冷凍保存する技術を始めとして様々な応用への展開が期待できます。
 
■乳酸菌にストレス性睡眠障害改善効果を発見
 睡眠障害の症状は多岐にわたり、現代社会の大きな問題となっています。
 ストレスにより睡眠障害を引き起こしたマウスは睡眠時間帯(昼)に寝つきが悪く、睡眠不足に陥る影響で活動時間帯(夜)に活動量が低下してしまうのに対し、「SBL88乳酸菌」入りの餌を摂取したマウスでは活動時間帯の活動量の低下が抑制され、睡眠障害により発現が上昇する睡眠障害マーカー遺伝子の発現も抑制されて、遺伝子レベルでも睡眠障害の改善効果があることが分かりました。
 
■ミドリムシを主原料とするバイオプラスチックを開発
 開発されたバイオプラスチックは微細藻の一種であるミドリムシが作り出す多糖類(パラミロン)に、同じくミドリムシ由来の油脂成分から得られる長鎖脂肪酸またはカシューナッツ殻由来の油脂成分で柔軟性をもつ長い鎖状部位と剛直な六角形状部位を併せもつカルダノールを付加して合成され、熱可塑性と耐熱性に優れ、植物成分率が約70%と高いことが特徴で、温暖化ガス削減を実現する革新的なバイオプラスチックの開発に繋がります。
 
3.情報通信・エレクトロニクス関連技術分野
■クラウド上で画像改正技術を容易に構築する技術
 複雑なプログラミングが必要な衛星画像解析システムをウェブブラウザで容易に構築し、クラウドコンピューティングを利用し、大規模処理が必要なデータ解析を可能にする技術を開発しました。衛星画像を利用する調査・研究やアプリケーション開発でのデータ解析技術の利用の促進が期待されます。
 
■液体を強くはじく表面に半導体を塗布する新しい製膜技術
 特殊な3層シリコーンゴムスタンプを用いた、プッシュコート製膜法と呼ばれる新しい成膜技術を開発しました。有機ポリマートランジスタの高性能化を実現するとともに、この新技術は、液体がなじみにくい表面への新しい塗布製膜技術として、さまざまな材料の薄膜化技術への応用が期待されます。
 
■室温でゲルマニウムにスピン情報を入力する技術
 磁性体が持つ電子スピン情報(電気を切っても情報が失われない)を半導体に入力して演算に利用するスピントランジスタと呼ばれる超省電力のトランジスタ実現への道を開く技術を開発しました。
 
4.ナノテクノロジー・材料・製造分野
■赤外線カラー暗視撮影技術
 暗闇でも鮮明な高フレームレートのカラー動画を撮影できる、3CCD方式によるフルハイビジョン規格の赤外線カラー暗視撮影技術を開発しました。
 
■鏡/透明状態が切り替わる調光ミラーデバイスの高効率作製技術
 数ボルトの電圧をかけることで鏡状態と透明状態を切り替えられる調光ミラーデバイスの低コスト化、大型化、低電圧駆動に繋がる新しい作製技術を開発しました。
 
■レプリカ成形技術を用いたMEMS製造技術
 MEMSデバイスを動作させるために必要な電気配線パターンや機能材料を低コストの印刷技術で形成し、それを射出成形により構造体に転写することで、低コストでの樹脂MEMSの製造を可能としました。
 
■室温で光による液化-固化を繰り返す材料
 温度一定の室温状態で、光を照射するだけで液化と固化を繰り返し起こす材料を開発しました。
 
5.計測・計量標準分野
■24年度の研究成果: 個人向け小型放射線積算線量計を開発
 放射線関連機器の小型化・省エネ化技術を応用し、小型で軽く(重量20g以下)、名札ケースやポケットに入れて持ち運びでき、長期間の連続使用が可能な放射線積算線量計を開発しました
 
第22回つくば奨励賞(実用化研究部門)を受賞
 受賞者: 齋藤 剛 主任研究員,井原 俊英 研究室長
 受賞日: 平成24年10月17日
 受賞テーマ:「定量NMR法による革新的計量トレーサビリティ供給システムの開発」
 受賞内容:受賞者らは、NMRの定量精度を向上させることにより、水素核(1H)の数に基づく分子構造に依存しない新しい計量トレーサビリティ供給システムの構築に成功しました
 
■平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞)を受賞
 受賞者: 井原俊英 研究室長、齋藤剛 主任研究員
 受賞日: 平成24年4月17日
 受賞テーマ:革新的計量トレーサビリティ実現のための定量NMR法の開発
 受賞内容:水素原子核を測定する核磁気共鳴法を高精度化させたことで、水素原子を含有するあらゆる標準物質の校正を可能としました。本成果により、国家標準が整備されていない化学物質においても計量トレーサビリティが確保された標準物質の供給が可能になり、化学分析で必要とされる標準物質のニーズに即応できる仕組みが構築できるようになりました。
 
■平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(創意工夫功労者賞)を受賞
 受賞者: 伊豫彰 主任研究員
 受賞日: 平成24年4月20日
 受賞テーマ:力の国家計量標準の範囲拡大と供給における改善
 受賞内容:世界最大級の20 MN力標準機の開発に参画し、力標準の範囲を大幅に拡大するとともに、力標準機の運転の自動化や校正方法の見直しを行い、校正を効率良く実施できるようにしました。
 
6.地質分野
■24年度の研究成果: 水中の低濃度の溶存態放射性セシウムを簡易・迅速に測定
 産総研では企業と共同して、農業用水や河川水(環境水)中の低濃度の溶存態(水に溶けている状態)放射性セシウムをプルシアンブルー担持不織布によって濃縮し、従来よりも迅速に分析できる技術を開発しました。その結果、水中の低濃度の溶存態放射性セシウムを、従来の1/10以下の前処理・測定時間(それぞれ約30分~1時間で可能)で、従来からの2Lの水を長時間測定する方法の1/10程度の濃度(0.01Bq/L)まで測定できるようになりました。
 
■平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞・創意工夫功労者賞)を受賞
 受賞者: 活断層・地震研究センター 澤井祐紀 主任研究員、宍倉正展 研究チーム長、佐竹健治 教授(東京大学)、行谷佑一 研究員、岡村行信 研究センター長
 受賞日: 平成24年4月17日
 受賞テーマ:日本海溝における巨大津波の復元方法の開発
 受賞内容:過去の津波が残した「津波堆積物」に注目し、その分布範囲から貞観地震による津波の浸水域を復元するとともに、化石の記録から地震時の地殻変動を推定しました。これらの地質調査に基づいて数値シミュレーションを行い、貞観地震の規模をM8.4以上と具体的に示しました。さらに、同様の津波が450年~800年間間隔で発生していたことを解明しました。
 
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産友会メールマガジン第12号 【web利用技術】
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        【第12号/ 2012.12.28発行】
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【特集】web利用技術
 近年、webを利用した各種の情報系技術の開発が進んできており、サーバー上のデータを利用するという従来からの利用形態からさらに進んだ様々な利用方法が開発されてきています。12月号ではこうしたwebを利用した情報系の技術に焦点を当てて、最近の関連技術の進展についてご紹介しようと思います。
 
■モバイルユビキタスセンサーネットワークとRFIDのためのサービスフレームワーク
 モバイルコンピューティングにおける最近の研究では、RFID(無線ICタグ)とWSN(無線センサーネットワーク)が将来のキーとなる技術であるとされています。この論文では、モバイルRFIDとWSNのデータの集合の間の相互作用と提議されるフレームワークWISSEとそのサービスについて紹介しています。
 
■ユビキタスセンサベースに基づく人間行動のモデル化とユーザー状態の時空間表現を用いた認識
 この論文では、状態シーケンス記述スキームを用いたユーザーの活動支援を行うシステムを提案しています。この方式は、各状態はユーザーと現実世界のオブジェクトの間の時空関係として記述されています。種々の埋め込まれたセンサーと無線ICタグ(RFID)の付いたオブジェクから構成される実験的な建物を開発し、この方法がユーザーの時空間系を取得するのに有効であることを確認しました。
 
■科学博物館におけるユビキタスセンサによる人々の軌跡の解析
 本論文では、無線ICタグ(RFID)リーダーからの情報を用いて、科学博物館における訪問者の位置、訪問パターンおよび人と人の関係を調べる研究について報告しています。訪問者動作を20のRFIDリーダーを用いて観察し、近くのタグの距離を測定して、訪問者の訪問パターンを解析しました。
 
■ユビキタスセンサネットワークのための低消費電力音声分類
 本論文では、聴覚系のモデルから派生した新機能を紹介しています。メル周波数ケプストラム(MFCC)と新しい特徴の特性を比較した。これらの新特徴は、低消費電力センサーネットワークに最適化された低消費電力アナログVLSI回路で実装することができることを示しています。
 
■セマンテックWebを利用した加工工程決定支援システム
 松江工業高等専門学校の越田氏等による本論文では、生産工程管理に関し、セマンテックWebを利用したリアルタイムでの進捗管理などの生産工程管理システムを構築し、製品毎の加工工程決定の自動化について紹介しています。
 
■中堅企業のためのWeb利用各種業務管理システムの構築プロジェクト
 ドイツのBMWi(経済技術省)は、中堅企業のためのインターネットを用いた自律的でシミュレーションに基づくシステムの構築を目指す技術開発プログラム(AUTONOMIK)を推進しており、監視・制御、ロジスティック、ロボット、輸送などの14分野に関するプロジェクトが実施されています。
 
■クラウド上で画像解析システムを容易に構築
 産総研では、複雑なプログラミングが必要な衛星画像解析システムをウェブブラウザで容易に構築できる画像解析ワークフローソフトウエア「Lavatube2」を開発しました。今回、開発したLavatube2は、さまざまな画像解析処理を行うプログラムをアイコンとして表現し、ウェブブラウザ上でそれらのアイコンを結びつける操作を行うことで、簡単かつ直感的に画像解析システムを構築できるという特徴をもっています。
 
■DanceReProducer:Web上の音楽動画を再利用して新たな音楽動画を自動生成するN次創作支援システム
 産総研では、早稲田大学と共同して、既存の音楽動画の映像部分を、新たな別の音楽に合うように切り貼りして映像を自動生成し、かつインタラクティブに編集できるシステムDanceReProducerを実現しました。
 
■盗聴やフィッシング詐欺などを防御する認証技術の開発と国際標準化
 産総研では、高い安全性をもつパスワード認証を、従来よりも少ない計算量(従来の1/2~1/3程度)で行える方式を開発しました。今回開発した方式は、2012年6月にインターネット技術の国際標準化団体IETF(Internet Engineering Task Force)により効率のよいパスワード認証に関する新たな規格:RFC
 6628として承認・発行されています。
 
■インターネット上の楽曲の中身を自動解析する音楽鑑賞システム
 産総研では、インターネット上にある楽曲の中身を自動解析できる音楽理解技術を開発しました。この技術を用いて、楽曲の可視化機能やサビ出し機能を使用しながら、より能動的で豊かな音楽鑑賞ができる能動的音楽鑑賞サービス「Songle(ソングル)」(http://songle.jp)を2012年8月29日に一般公開し、実証実験を行っています。
■イベント空間情報支援プロジェクト
 産総研では、2003年より本プロジェクトに参加し、主にWeb支援システムの研究開発を担当してきました。開発したシステムはユーザーを支援するだけでなく、他のコミュニティ支援システムのプラットフォームとしても機能し、国立情報額研究所や東京大学等の様々な研究組織が開発したシステムの基盤として利用されました。
このリンク先の最後にある記事がここでご紹介した『イベント空間情報支援プロジェクト』に関する記事となっています。
 
■マルチメディアを「声で探す」検索システムをインターネット上で実証公開
 産総研では、マルチメディアコンテンツを音声により直接検索する技術を開発し、音声検索システムの実証サイト(http://www.voiser.jp)を公開した。この技術を用いれば一般的なブラウザー画面から音声でも直接検索でき、家庭や会社でも、マルチメディアなどの音声情報が効率的に検索可能になります。
■低コストな電力可視化システム
 産総研では、電力データ収集サーバー上に蓄積されたデータベースから電力使用量をダウンロードし、ユーザーが視認できるようにしました。データ収集サーバーからのダウンロードにはシンプルなRESTプロトコルを策定しており、Webアプリケーション等のアプリケーションの接続が可能で、このサービスにより、30分単位での電力使用量をWebブラウザー上でグラフ化することにより、電力使用傾向を容易に把握することができます。
 
■音声全文検索・書き起こしサービスPodCastle
 産総研では、性能が日々向上する音声情報検索技術を開発し、インターネット上にある日本語と英語の動画音声データを対象とした音声全文検索・書き起こしサービス「ポッドキャッスル(PodCastle)」(日本語版http://podcastle.jp、英語版http://en.podcastle.jp)を2011年に一般公開し、実証実験を開始しました。
 
■地質調査総合センター研究資料集
 すこし毛色の変わった『インターネット利用技術』ですが、産総研地質調査総合センター研究資料集は、「地質の調査」に関わる研究及び関連資料の閲覧・複写に供しているものです。鉱山関係の記載も含まれていますので、必要に応じてご利用ください。
 
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【事務局より】
本メルマガの特集テーマのご提案やその他のご要望、また技術相談等のお問い合わせがございましたら、下記の様式をメールに貼り付けて、事務局アドレスまでお気軽にご投稿下さい。必要に応じて、担当のイノベーションコーディネータより返信させていただきます。
 
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産友会メールマガジン第11号 【食とものづくり技術特集】
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【特集】食とものづくり技術特集
 近年、中国地域においても、食品加工技術の高度化が図られてきています。こうした食品加工技術の高度化の事業化事例の中には地域の産業振興組織により表彰を受けたものも出てきており、今後は、食品加工企業の競争力強化や製品の高付加価値化のため、ものづくり企業と食品加工企業とのより一層の連携が期待されています。
 このため、11月号では『食とものづくり関連技術』に焦点をあてて、内外の研究機関や産総研において開発された技術を中心にご紹介することに致しました。
 
■ヒラメ(Scophthalmus maximus)の筋肉におよぼす低温下での高圧処理(100-200MPa)の効果
 この論文では、ヒラメの切り身を4℃で15~30分間、100、140、180、200MPaで高圧処理し、脂質とタンパク質の安定性および色に及ぼす影響について検討しています。脂質の酸化安定性は、特に180MPaから高圧処理の影響を受け、200MPaでミオシンが完全に変性すること等を報告しています。
 
■高圧食品処理における熱移動のモデリング: レビュー
 高圧力を利用した食品加工の利点は圧力が瞬時にしかも均一に印加されることです。しかし、熱勾配が製品中に存在するため、圧力効果に不均一性が生じることが知られています。このレビューでは氷点下の温度域を含む高圧プロセスにおける熱移動について考察しています。
 
■食品と高圧科学
 食品に対する高圧力処理は、栄養素や悪臭の生産の分解がより効果的に最小限に抑えることができ、エネルギー消費量を効率的に低減することができるため、食品加工のための非常に有望であると考えられています。また、容器内の食品に高圧処理を施すと、食品全体に均一な処理を保証することができること等を紹介しています。
 
■食品の品質に関連する酵素に及ぼす高圧の効果
 食品の高圧処理は微生物や酵素を不活化することができるため、食品保存の目的のための可能性を秘めています。食品工業会がこの新しい技術を導入するためには機構や圧力誘起分解や変性の速度論を理解することが必要です。このレビューでは食品の品質に関連する酵素におよぼす高圧の効果について紹介しています。
 
■高圧処理により誘起された野菜の機能性の変化
 100MPaを超える極めて高い静水圧の印加は熱による品質の低下を起こすことなく、微生物を不活性化するために用いられています。この論文では600MPaの超高圧を人参、トマト、ブロッコリーの破砕物や抽出物に印加して、ビタミンなどの健康促進物質や保水性、抽出特性等に及ぼす圧力の影響を調べています。その結果、ほとんどの場合、高圧は有用物質の損失を誘発しないことが分かりました。
 
■ナノカプセル化による食品機能の向上
 産総研では食品中の有効成分をナノサイズで封入・包装することが可能な、新しいカプセル化技術を開発しました。本技術を利用することにより、有効成分の胃での分解を抑え、腸からの吸収を促進させることができます。
 
■傷を自己修復する酸素ガスバリアフィルム
 産総研では東北地方に豊富に産するベントナイトに含まれるフィルム化しやすいスメクタイトという粘土を用いた食品包装材の研究開発を行っています。さらに、光透過性に優れた合成粘土を用いた透明フィルムの用途も広がっていくことが期待されています。
 
■産業技術総合研究所における農商工連携の現状及び施策案の例
 本資料では産総研が農研機構と共同研究を行った実績についてご紹介しています。農学分野と工学分野を融合した研究を共同して推進することで、地域活性化に貢献するとともに、緊急の課題である食の安全・安心の確保への取り組みを効率的に推進する体制づくりが図られました。
 
■模擬含水バイオ廃棄物の水熱酸化に関する研究
 産総研では食品廃棄物(含水性バイオ廃棄物)を用いた水熱温水ボイラー・プロセスの実現をめざすため、反応器の設計を数値実験により行い、反応器の設計ツールとして数値実験の手法を確立しました。
 
■食品中の機能性成分分析法マニュアル
 産総研では食品等の機能性成分定量分析法のフォーラム標準法を作成し、標準法によって分析された信頼性の高い機能性成分含有量値を得ることを目的に、全国組織の産技連食品分析フォーラムを2012年に設立致しました。この中で、食品素材やフレーバーなどの機能性成分定量分析法について成分分析法マニュアルを作成しています。
 
■機能性食品産業化プロジェクト
 島根県では島根県産素材等を対象として、産学官連携による共同研究によって食品の機能性評価を行い、素材生産から加工、販売に至る健康食品(機能性食品)産業群の創出を目指しています。これまでに、県内の農林水産物を試験管内での試験により機能性の面からスクリーニングを行うとともに、島根大学医学部等との共同研究による動物試験、ヒト試験での検証、安全性の評価、製造方法の開発等を行っています。
 
■「とっとり発」環境・食品産業クラスター推進事業
 鳥取県では氷温産業クラスター、機能性食品産業クラスター等からなる標記の推進事業に取り組んでいます。このうち、機能性食品産業クラスターではカニ殻から得たキトサンの食品への応用を図るとともに、キトサンの健康への効果を明らかにしています。
 ↑
この資料の中にある鳥取県の取り組みのご紹介記事に記載されています。
 
■超高圧を利用した調味料の開発
 広島県では県内企業と協力して超高圧を利用した調味料開発して特許化しています。この技術は食材に40~60℃の適温と50~100MPaの静水圧をかけることにより、腐敗菌の発生を抑え、酵素の作用を活性化させることにより、分解を促進させるというものです。塩の添加を抑えた調味料を短時間でエキス化することが出来るということです。
特許第3475328号 名称: 調味料の製造方法 発明者: 岡崎 尚 出願人: 広島県
 
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産友会メールマガジン第10号 【カスタマイズ技術特集】
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        【第10号/ 2012.10.31発行】
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【特集】カスタマイズ技術特集
 自動車の生産に代表される近代の組立型の工業生産は大量生産方式を採用することで大きな飛躍を遂げてきました。しかし、大量生産方式の場合、海外における安い人件費の元で生産された製品との価格競争にさらされてきていることに加えて、消費者側からみた場合、画一的な製品に自分を合わせるのではなく、自分に合った製品を購入したいという意識もあるため、多品種少量生産により製品の『カスタマイズ』を行う意義はこれからますます大きくなってゆくものと思われます。このため、産総研メルマガの10月号ではこの『カスタマイズ関連技術』に焦点をあてて、産総研において開発された技術を中心にご紹介します。
 
■T型フォード自動車: 製品の供給とマスカスタマイズの課題
 本論文では、自動車産業の起源に焦点を当て、T型フォード自動車とその多くの亜種について、ヘンリー・フォード氏のビジョンと彼の車への洞察について説明しています。マス・カスタマイゼーションのバージョンは、フォードによって実装されました。フォードの会社が共通のプラットフォームを構築し、正確な顧客のニーズに合わせるために専業メーカーを使用したことが紹介されています。T型フォードの導入100周年を迎え、製品のカスタマイズについてフォードの過去の事例からの貴重な教訓を学びとることができるのではないでしょうか。
 
■外注による多品種少量生産へのガイド
 この記事では、医療機器の分析機器を製造する医療機器メーカーが運用コストを縮小し、高い品質基準を維持しなければならないことから、その生産をアウトソーシングすることの意義を述べています。アウトソーシングをすることにより医療機器の製造企業は大きい利益を得、医療機器メーカーであるFrost & Sullivan の2013年の売上高が80億ドルに上昇することを予測しています。
 
■多品種、少量生産の規範
 本論文では多品種少量生産における各種の規範について、紹介しています。フレキシブル生産システムの採用により、多品種製造組織のすべての機能間の調整が必要で、増加した多品種少量生産および労働力の柔軟性に起因するパフォーマンスの向上が、競争に対する効果的な障壁となること等を紹介しています。
 
■少量生産のためのモジュール式自動車車体製造法
 ドイツで実施されている企業と研究機関の共同プロジェクト“FlexBody”において、年間生産台数1~10000の少量生産自動車のための、車体をモジュール式で製造する技術の開発を行っています。この技術で車体を製造すると、車体形状を要望に応じて変更できます。
 
■改造車研究の可能性
 本論文では東京モータショーと同様、大手自動車会社も出展する東京オートサロンについて、その歴史的視点から概要を紹介し、さらに、改造車がどのような形でマーケティングの対象とされ、またメーカーの戦略に利用されているのかについて考察しています。「量産化や産業化とはほど遠い奇妙な手仕事の跡」と表現されるカスタマイズを含めて自動車のカスタマイズ化について紹介しています。
 
■人工股関節ステムのカスタムメイド化
 本論文では石川県工業試験場のものづくり支援に一環として研究が行われた『人工股関節ステムのカスタムメイド化』について紹介しています。ステムの設計手法、ステムの金属材料として有望なバナジウムフリーチタニウム合金の高速切削加工技術について検討し、切削にはバインダレスcBN工具が有効であることなどが紹介されています。(その他、石川県工業試験場で行われた2件の技術についても合わせて紹介されています。)
 
■日本企業のソフトウエア選択と生産性
 -カスタムソフトウエア対パッケージソフトウエア-
 本資料では日本と米国の企業におけるカスタムソフトウエアとパッケージソフトウエアの採用状況とそうした状況を生み出した原因について調査、分析を行っています。日本企業のカスタムソフトウエア偏重の理由として、コスト、信頼性、製品寿命等の10個の要因を取り上げ、個別に考察し、自社の独自のノウハウの強みを生かせるようなソフトウエアを開発して、自社ノウハウの競争力を維持しようという積極的な理由が大きいことを指摘しています。
 
■多品種少量微細製造に関する本格研究  --小さな製品は小さな装置で --
 産総研では、さまざまな種類の製品を個人の好みによりカスタマイズして生産する多品種少量生産に向く生産方法として、ナノ製造を机の上に乗る小さな工場(デスクトップナノファクトリ)で行うことを試みています。このコンセプトを生かした装置開発の手はじめとして、大本の微細な形状(マスターパターン)を作成するためのリソグラフィ装置とマスターパターンの複製を多数製作するための装置(ナノインプリント装置)を試作しました。この超小型ナノ製造システムはものづくり日本大賞を受賞しました。
 
■日本人顔面3次元形態に基づいた高フィット眼鏡の開発
 産総研では、企業との共同研究により日本人成人男性56名の顔面3次元形態の個人差を調べ、顔を4つのタイプに分類し、各タイプごとに適合する眼鏡を設計しました。この眼鏡は、顔面の3次元形態を考慮して設計されているだけでなく、耳の後ろまで包み込むような新フィット感を持っています。
 
■セラミックス部品の多品種少量生産型高効率加工技術
 産総研では、セラミックス部品を対象として、切削・研削加工等に高周波振動エネルギー及び熱エネルギーを援用するハイブリッド加工技術について研究を行うとともに、ハイブリッド加工装置及び専用工具の開発を行いました。 本研究では知識ベース制御による加工システムの最適化を図り、ハイブリッドマシニングシステムを構築しました。
 
■産総研のミニマルファブ構想
 産総研では、多品種少量および変種変量生産ニーズに適応した、新しい半導体システムとしてミニマルファブモデルを提案しています。 このモデルは工場ラインと試作ラインの投資規模を大幅にコンパクト化して行くことで、コスト競争力だけでなく、 研究開発直結型であることを高付加価値の源泉とし、 一方で変種変量の潜在市場を獲得してゆくという特徴を持っています。
 
■異形断面形状が成形できるスピニング加工機 - リニアモーター駆動の実用機プロトタイプ
 産総研は、企業と共同で異形断面形状が成形できるスピニング加工機「リニア・ロボスピン」を開発しました。この加工機はロボット制御技術の導入により、楕円・偏心・多角形など異形断面形状の成形を実現し、金型コスト削減で小ロットの多品種少量生産、単品の特注品や製品開発における試作に有利という特徴を持っています。
 
■ミニマルマニュファクチャリング 考え方とテクノロジー
 産総研では、必要な時に必要な数の製品を製造するミニマルマニュファクチャリングの具現化に向けた研究開発を行っています。本報告書はミニマルマニュファクチャリングのコンセプトを産業界へ展開するために必要な技術課題を抽出し、体系化を図ることを目的としてまとめられたものです。
 
■エアロゾルデポジッション法
 産総研では粉末材料を常温で固化・緻密化できる革新的なコーティング手法であるエアロゾルデポジション法を開発しました。このコーティング手法は必要なところに必要なだけあるいは多品種変量という要求に答える手法です。この技術を用いた、圧電駆動型のMEMS型光スキャナーへの適用について紹介しています。
 
■患者に最適な高生体適合性インプラント製品の実用化
 産総研では生体適合性の高い材料を用い、個体適合性に優れたカスタムメイドインプラントを設計・製造する技術の開発と早期実用化を目指した研究を実施しています。本研究では生体適合性の高い合金元素の効果を解明し、合金のミクロ組織を制御する技術の開発しました。強度、延性、疲労特性などの素材強度評価し、生体内模擬環境下での耐食性評価、細胞適合性、動物埋植試験などによる生体適合性試験を行い、世界で最も生体適合性の高いTi-15Zr-4Nb-4Ta合金を開発することができました。
 
■ナノテクノロジーを活かしたローコストでオンデマンドなミニマル生産
 産総研では、今後のナノテクノロジーによる生産技術革新の有り方について調べるため、「ナノテクノロジーによる生産技術革新に関する調査研究」を行いました。その中で、変量多品種生産の具体的技術やシステムとして、インクジェット技術、マイクロリアクター、局所クリーン化生産システム(環境分離型生産システム)、 Self-Assemble MEMS(またはSelf-Functional MEMS)という技術があることを紹介しています。
 
■経済性シミュレーションによるバイオマス利活用ニーズのカスタマイズ化
 産総研では、「バイオマス協議会」を主催しています。40機関が参加するこの協議会では、積極的情報交換によるバイオマス利用プロジェクトの創生と推進を目指しています。その手法としては、バイオマス研究センターで保有しているバイオマス利活用システムの経済性シミュレーション手法を、技術プラットフォームとして提供し、各地域の各ニーズに対してカスタマイズ化することを考えています
 
■カスタムメイドインプラント
 本資料では産総研における高生体親和性チタン材料の設計・製造,高機能インプラントの製品開発について紹介しています。人工関節の材質、疲労特性、開発ガイドライン情報等について紹介し、カスタムメイド人工股関節の開発ガイドライン(案)を提示しています。
 
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産友会メールマガジン第9号 【FPGA 技術】
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        【第9号/ 2012.09.26発行】
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【特集】FPGA 技術
 FPGA(Field Programmable Gate Array)とは、現場(Field)で、プログラム可能な(Programmable)論理ゲート(Gate)が格子(Array)状に並んでいるLSIという意味です。本号では、FPGA関連技術の概要、応用例、産総研における研究開発事例等をご紹介します。
 
■FPGAの一般的な解説記事
 産友会メルマガの今月号はFPGA特集と致しました。FPGAはユーザーがプログラムしてから使う特殊なLSIですので、産友会会員企業の皆様の業種によっては、すでにFPGAを利用されている場合もあれば、業種によっては、逆にFPGAとは何か?というような場合もあるかと思います。このため、まず、web上に9回に分けて公開されているFPGA紹介記事の特集をご紹介します。
 
■FPGAも活用した情報の安全性に関するドイツの国家プロジェクト
 ドイツのBMBF(教育研究省)とBMI(内務省)は、ドイツにおける情報通信技術の安全性を高めるための、FPGAも活用した研究開発を2009年から5年間の予定で行っています。
 
■FPGAの使い方講座
 FPGAと聞くと、何か難しいプログラムを作成することが必要ではないかと考えて、どうしても取り組むのが億劫になる方もいらっしゃるのではないでしょうか? 産総研では旧電総研時代に、FPGAをプログラムしてお好みの回路を作って動かしてみるためのデジタル回路とFPGA入門(講義)とハードウェアのプログラミング(講義+実習)を行っています。この時の資料などが当時の担当者等の所に残っているかも知れませんので、これからPFGAに取り組んでみたいとお考えの方はぜひ産総研中国センターの産学官連携コーディネータまで連絡下さい。
 
■ミニマルマニファクチャリング向けのLSI FPGA
産総研では、多品種少量生産に向くことから急速に市場に受け入れられつつあるミニマルマニファクチャリング技術におけるFPGAの概要とメリットおよびデメリット、今後の動向についてまとめて解説した記事を作成しています。以下のpdf資料の45ページに記載されています。
 
■FPGA実装のためのHough変換アルゴリズム
 この論文はハフ変換を計算するための新規なアルゴリズムに関するものです。このアルゴリズムは、主に高性能デジタル信号処理アプリケーションのための競争力のある代替手段となってきたフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)の実装に適合するように開発されました。8ビットの画像ピクセルへの実装結果を使った実装例の紹介もあります。
 
■電力センサーデータ収集ユニットFPGAプログラム
 産総研では、電力センサーデータ収集ユニットFPGAプログラムを開発しています。今回開発した電力計測器は1台で4点の同時測定が可能で、市販のクランプ型電流センサーと安価なワンチップマイコンで構成されているため、低コスト(量産時で計測点1点あたり2,500円程度)で製作できます。
 
■ORBエンジン FPGA+ソフトウェアのオブジェクト指向開発を支援
 産総研では、ORB(分散オブジェクト間通信機構)によりFPGAのソフト・ハードをPCから直接駆動可能にするとともに、ソフトウェアのコンポーネント化を可能にしました。問題点としてはORB自体の習熟に時間がかかる点が挙げられます。
 
■ネットワークテストベッドGNET-1 のFPGA回路情報モジュール
 産総研では、ネットワークをワイヤレートでエミュレート、詳細測定、制御が行えるネットワークテストベッドGNET-1 のFPGA回路情報モジュールを公開しています。GNET-1 は機能をプログラムできるネットワークテストベッドで、グリッド環境を構築するミドルウェアの開発、および性能チューニングに強力なツールとなります。
 
■書き換え可能なハードウェア(FPGA)による高速ウイルスチェックシステムの開発
 産総研では、書き換え可能なハードウェア(FPGA)を用いた高速なウイルスチェックシステムの開発を行いました。本システムではハードウェアの高速性を活かして、現在、一般に普及しているネットワークの規格で最も高速な10ギガビットイーサネット(通信性能が最大10Gbps)の通信データをリアルタイムでチェックすることが出来ます。
 
■ネットワークの利用を効率化するためのFPGAの利用
 産総研では、ネットワークを効率よく使用するために、FPGAを用いて『ペーシング』と呼ばれる個々のパケットの送信を制御するための装置を開発しました。この装置は2003年に米国において開かれた国際会議SC2003において分散インフラストラクチャ賞を受賞しています。現在では、さらに進んで、特別な装置を用いることなくペーシングを実現するためのソフトウェアPSPacerを開発しています。
 
■書き換え可能なハードウェアによる高速ウイルスチェックシステムの開発
 産総研では、書き換え可能なハードウェア(FPGA)を用いた高速なウイルスチェックシステムの開発に成功しました。今回開発したウイルスチェックシステムは、ハードウェアでウイルスをチェックし、新たに出現したウイルスに対する対応は全て自動で行われるという特徴を有しています。このシステムを用いることにより、コンピュータのセキュリティ向上や情報家電などに対する新たなセキュリティ対策への貢献が期待されます。
 
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産友会メールマガジン第8号 【レアアース(希土類金属)関連技術】
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【特集】レアアース(希土類金属)関連技術
 HVや電気自動車など次世代エコカーの製造に欠かせないレアアースの賦存量は地域的に偏っており、最近、我が国の産業で必要な量を確保することが困難な状況になってきたことから、リサイクルや新規な鉱床の発見についても関心が高まってきています。産総研では、これまでに高性能磁石や蛍光体に含まれるレアアースを対象として、回収技術の研究開発を行ってきました。今回は、先端的な産業技術に不可欠なレアアースに関わる研究開発動向をご紹介致します。
 
■スクラップ磁石からのネオジム金属の直接抽出と回収
 この論文では、温度を維持して、抽出媒体としてマグネシウムを循環させることにより、磁石スクラップからネオジムを抽出するための環境に配慮したプロセスを考案しています。MgとNdの合金からMg再抽出し、酸化させることなく磁石のスクラップから97.7%のNd金属を回収することが出来たとしています。
 
■酸性溶液からのネオジムの回分式生物学的吸収
 この論文では、生物学的吸収法を酸性溶液からのネオジム回収に応用しています。pH1.5における最も高いバイオ吸収係数は微細藻類Monoraphidium SPを用いた場合の菌体1gあたり511 mgとなり、パン酵母では菌体1gあたり313 mgとなりました。
 
■レアアース元素を含有するスラッジからのレアアースの回収
 千葉工大の斎藤等によるこの論文では、化学的なリサイクル過程によるネオジム含有三酸化ホウ素系からのネオジムナトリウム硫酸塩水和物あるいは水酸化ネオジムとしての抽出法について記述されています。
 
■資源問題に直面するモータ用永久磁石の研究動向と課題
 この和文の総説では2010 年 6 月 17 日に総説された「東北モータ磁石イノベーション戦略会議」での議論を参考に、モータ用永久磁石の研究動向と課題について紹介されています。特にNd― Fe― B 系磁石を代替する新規永久磁石の開発(新規永久磁石開発)や今後の永久磁石の基礎・基盤研究の進め方についても言及されています。
 
■米国のレアアース鉱山関連記事
 日経産業新聞の2012年8月7日号16面に米国カリフォルニア州のレアアース鉱山関連の記事が掲載されています。
 
■希土類鉱床のタイプとその特徴
 産総研では世界中の希土類鉱床について資源ポテンシャルの評価を行い、希土類鉱床をカーナタイト鉱床、アルカリ岩関連鉱床、熱水性鉄鉱床からなる火成鉱床とカーボナタイト起源ラテライト鉱床、イオン吸着型鉱床、漂砂鉱床からなる風化鉱床の6種類のタイプに分類しました。世界最大の希土類鉱床である中国のバイユンオボ鉱床は熱水性鉄鉱床であることを紹介しています。
 
■レアアース資源を供給する鉱床タイプ
 産総研では希土類鉱床をその生成条件に基づき火成岩関連鉱床と風化鉱床に大別し、バイヤンオボ鉱床の寄与が大きいこと、豪州のマウントウェルド鉱床に代表されるカーボナタイトの風化(ラテライト)鉱床が高品位・大規模であることなどを紹介しています。また、将来の需要に見合う希土類資源を確保するためには,ジルコンなどの難溶解性鉱物から希土類元素を分離・生成する環境負荷の少ない技術の開発が今後の課題となることなどを指摘しています。
また、この論文では、広く採取可能な個別のレアアース資源について、写真や地質図を使って具体的に解説するとともに、将来進むべき方向について提案しています。レアアース資源の安定供給のためには、“脱バイユンオボ鉱石”を早急に進める必要があると指摘しています。
 
■希土類資源調査
 産総研では我が国の磁石業界や自動車業界からの希土類資源調査の要請を受け、中国外での新たな資源確保を目指して、希土類元素別資源DBの作成と希土類資源の調査を開始しています (DBは2008年に完成)。中国外の希土類供給源の調査としてイオン吸着型鉱化作用について紹介するとともに、ボーキサイト層の下部に存在する希土類元素について指摘しています。
 
■カルシウムアルミノケイ酸塩を用いた青色応力発光体の開発
 産総研では 外部からの機械的な応力に対して、弾性変形領域内で繰り返し発光する性質を有する応力発光体に関連して、カルシウムアルミノケイ酸塩を母体とする新規応力発光体の開発に成功しました。さらにカルシウムアルミノケイ酸塩の応力発光強度の向上を目指して、希土類イオン(La, Nd, Sm, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu)の共添加がカルシウムアルミノケイ酸塩に与える効果についても検討しています。
 
■土類元素を含有する蛍光体を用いた超音波振動の検出法
 島根県工業技術センターでは長残光性蛍光体溶射皮膜を用いて、超音波振動加熱による熱ルミネッセンス性を備えた面上の発光体による超音波振動の可視化方法について検討しています。引用資料の中には類似の材料として17ページに産総研の「メカノルミネッセンス材料およびその製造方法」が紹介されています。
 
■レアアース関連の研究所
 ドイツのデュッセルドルフ(Duesseldorf)にあるレアアース・レアメタル研究所(Institut fuer seltene Erden und Metalle e.V.)は、下記ホームページでレアアースに関する様々な情報を発信しています。
 
■世界のレアアース関連データ
 ドイツのエコ研究所(Oeko-Institut e.V.)によるこの資料は、レアアースに関して、世界各国の埋蔵量、2009年における国別供給量、輸入量のEU各国比率、利用分野、2001年から2010年にかけての価格変遷などを紹介しています。
 
■使用済みハードディスクドライブからネオジム磁石を回収
 産総研では使用済みハードディスクドライブからネオジムやジスプロシウムなどの希土類(レアアース)を含有するネオジム磁石を脱磁せずに物理選別する技術を開発しました。今回開発した試作機は3.5インチHDD専用であるが、将来的には2.5インチHDDや他の磁石含有製品にも適用できる可能性があり、広くネオジム磁石のリサイクルに貢献することが期待されています。
 
■希土類元素のリサイクル
 産総研ではいったん製品となって市中に出た磁石のリサイクルについて、物理的手法を用いた一次濃縮技術ならびに濃縮された対象物を水溶液に溶解し、希土類元素を抽出分離する技術を研究しています。さらに蛍光体についても多孔質のシリカガラスを用いて、希土類使用量の少ない高効率蛍光材料や希土類以外の金属を使用した高効率蛍光体の開発にも着手しています。
 
■重希土類を使わない希土類磁石
 産総研ではパルス通電焼結法によって荷重をかけながら短時間で焼結することにより、Sm-Fe-Nの分解を抑えながら緻密な焼結磁石を製作することを試みました。加圧力を高くして、焼結密度を上げることによって、最大磁気エネルギー積を高くできるため、製造コストの低減と量産化に適した粉末の製造から焼結までの研究開発を行っています。
 
■ポータブルNMRの開発
 産総研ではネオジム磁石を用いたNMRにより、建造物の中にひそむ空隙などを探し当てる装置を試作しています。このNMRでは、コイルが磁石の中ではなく、外側にあります。この装置を用いて2cm離れたところにある試料内の空隙にあるプロトンからのシグナルを捉えることに成功しました。将来的にはトンネル内の内部約5cmくらいにある空洞を20秒くらいでスキャンできるようにしたいと考えているとのことです。
 
■希土類金属水素化物の結晶構造の一般則を確立
 希土類金属は金属原子1個当たり最大3個もの水素原子を吸収して超高濃度水素化物となるため、高性能水素貯蔵材料の構成元素として注目されています。産総研ではすべての希土類金属水素化物に共通する希土類金属水素化物が水素濃度によって取りうる結晶構造の一般則を、大型放射光施設SPring-8の高輝度X線を用いて世界で初めて確立致しました。
 
■レアアースを含む蛍光体を種類ごとに分離する技術
 産総研では希土類(レアアース)を含む蛍光体が複数混合しているために再利用が難しい蛍光ランプ(蛍光灯)などの蛍光体を、種類ごとに分離して再利用する技術を開発しました。 この技術は、蛍光体の種類ごとに磁化率が異なっている点に着目し、汎用の高磁場勾配磁選機を用い、蛍光体を分散させた液の添加剤を工夫することで、連続的に蛍光体を種類ごとに分離できる技術です。高効率照明に使用されるテルビウム(Tb)やユーロピウム(Eu)などの希土類を含む蛍光体の使用量低減に貢献することができます。
 
■レアアース(希土類元素)に関する図表が総合的にわかるホームページです。
 
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産友会メールマガジン第7号 【炭素繊維の自動車への応用】
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【特集】炭素繊維の自動車への応用
 7月号は自動車の車体軽量化の切り札として注目を集めている炭素繊維についての特集です。約50年前に、通商産業省工業技術院(現産業技術総合研究所)の進藤昭男博士によって発明*1)された炭素繊維を用いて強化された樹脂は炭素繊維強化樹脂(CFRP)と呼ばれ、これまでゴルフクラブのシャフトなどのスポーツ用品や航空機等で実用化されてきましたが、国産自動車への応用は2010年12月にトヨタ自動車が発売した「レクサスLFA」が初めてということです。現在、CFRPは高級自動車における車体軽量化の切り札として期待が集まっています。
*1) 進藤昭男:大阪工業技術試験所報告 317, 1-52(1961)
 
■ドイツにおける自動車へのCFRP使用の動向
 この記事は、ドイツの自動車におけるCFRP使用の動向・将来予測を紹介しています。DLR(ドイツ航空宇宙センター)での車体への適用に関する研究、BMW社のM3型自動車屋根の製造、同社が2013年に販売開始予定のi3型電気自動車車体への適用などが記されています。
Industrieanzeiger誌(ドイツKonradin社)、2012年第12号(5月21日号)、p24-27、標題:Materialmix ist entscheidend(材料の混合が決定的だ)
関連HP
 
■欧州の炭素繊維複合材料関連ネットワーク
 炭素繊維複合材料の利用を促進するためのドイツ、オーストリア、スイスの企業・研究機関のネットワークとして、Carbon Composites e.V. (社団法人炭素複合材料)が2007年に設立されて様々な活動を行っています。現在の参加機関は、自動車メーカーを含む165機関(研究機関:34、大企業:39、中小企業等:92)です。
 
■入手可能な100MPGの炭素繊維製の自動車
 Axon自動車は時速90マイルの最高速度で約100MPG(←PMGとは「1ガロンあたりのマイル」のこと)を達成できる新規な乗用車を開発しました。こうした素晴らしい燃焼効率を達成できた秘密は炭素繊維にあります。同社は炭素繊維複合体から車の構造要素や車体のパネルを製造する大量生産技術に関する特許を保有しています。これらのパーツは炭素繊維のロープで作られエポキシ樹脂を含浸させています。鉄と同等の強さを重量比40%で製造することかできます。車は2010年モデルとしてリリースされる予定です。
 
■BMWの炭素繊維車: 鋼鉄よりも堅牢
 三菱レイヨンとの合弁企業で作られた無色の繊維前駆体はワシントン州のモーゼス湖の200mの長さのプラントで数百のリールで伸張されて1400℃で焼成され、黒い色と強い強度を有する炭素繊維となります。炭素繊維のフィラメントは太さが髪の毛の10分の1で、五万本が束になるとほぼ1トンのものを持ち上げることができます。ランツフットの南70マイルの別の場所で樹脂を真空含浸させ、約100℃で硬化させると、3次元の車体を形成する数分以内で硬化し、鉄の車に比べて半分の重量で、鉄よりも堅牢で硬くなる・・・というようなことが紹介されています。
 
■炭素繊維複合プラスチックの成形
 中小企業事業団では平成11 年度 ものづくり人材支援基盤整備事業の一環として、プラスチック成型用金型(その2)という報告書をまとめています。この中には炭素繊維複合プラスチックの成形についても紹介されています。
 
■炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法
 産総研では、種々の熱硬化性樹脂を炭素マトリックス前駆体とする炭素繊維強化複合材料を製造に関連して、ビスマレイミド-トリアジン共重合樹脂を炭素繊維複合材料について研究しています。得られた炭素繊維強化複合材料は、高温での熱処理後においても、高強度を示すことを見出し、特許を取得しています。【特許番号】第2664047号
 
■炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の改質による新規材料の創製
 産総研では既存のCFRPに対して、層状ケイ酸塩のようなナノフィラーの添加と産総研で開発した『高せん断成形加工法』の利用によりCFRPを大幅に改質できることを見出しました。
(関連技術・高せん断成形加工法のご紹介:
 
■「ナノテクノロジーによる次世代CFRP開発」シンポジウム
 産総研・中部センターでは2011年3月、次世代CFRP開発に関連する「ナノテクノロジーによる次世代CFRP開発」シンポジウムを開催しました。このシンポジウムでは計測フロンティア研究部門 が「CFRP構造物の健全性評価技術」について、また、先進製造プロセス研究部門 が「CFRPの切削加工について」および「炭素繊維の外部場による表面・界面改質とマトリックス樹脂改質の試み」 という演題で講演を行いました。
 
■超音波映像による接合面の観察
 産総研では接着剤による接合面、積層型複合材の接合面等を超音波を用いて非破壊で観察することにより、CFRPのような積層型複合材料については衝撃によって材料の内部に生じる層間剥離を観察することが可能であることを明らかにしました。超音波映像を用いることにより、CFRPの各層を分離して観察することが可能であることが分かりました。
 
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産友会メールマガジン第6号 【ものづくりのIT化技術】
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【特集】ものづくりのIT化技術
 ものづくりのIT化はコスト削減や納期短縮といった効率化やグローバル化の流れに対応するための有効な手段です。とはいえ、この分野は、PDM (Product Data Management、製品データ管理)、ERP(Enterprise Resource Planning、統合業務パッケージ)、SCM (Supply Chain Management、供給連鎖管理)、CRM (Customer Relationship Management、顧客管理)、PLM(Product Lifecycle Management、製品ライフサイクル管理)といった略号のオンパレード、覚えるだけでも大変です。最近の流れを分かり易く解説した下記の記事などは参考になるかも知れません。
■NEDOものづくり・IT融合化推進技術(デジタル・マイスタープロジェクト)
 産総研を主な実施機関とする本NEDOプロジェクトは、日本の製造業の根幹となる中小製造業の支援を目的として、平成13年度から4年間実施されました。高齢化の進展に伴い熟練技能が喪失することを避けるため、IT により再現性ある「デジタル技術」に可能な限り置き換えるための研究開発、設計・製造アプリケーションのためのプラットフォームづくりが行われました。
 
■生産・物流システムのモデリングとシミュレーション解析の動向
 本論文では融合が進みつつある生産システムと物流システムの動向を紹介し、システムの評価に用いられる解析モデル、特に、人間と機械が連携するシステムのモデリング方法について、港湾物流システムを対象として解説した。さらに、人間-機械系の連成モデルを用いたシミュレーションの事例として、木材荷役運搬システムとコンテナ蔵置計画等への適用を示した。
 
■製造業およびサービスにおけるデマンドチェーン管理:Webベースの統合、ドライバ、およびパフォーマンス
 この論文では、インターネット対応のサプライチェーン(供給連鎖)の統合戦略と製造業とサービスのパフォーマンスとの関係を検討した。無作為標本は、英国のメーカーやサービスから収集した。デマンドチェーン・マネジメント(DCM)は、製造業の最高のパフォーマンスに繋がることを示す強力な証拠があり、その性能を向上させることに興味を持っている製造業とサービス企業について、いくつかの重要な意味を持つことを指摘した。
 
■高級言語プログラミングを用いたロボット用のモバイルコントローラの開発:総説
 この論文ではBluetooth,赤外線通信,無線LAN等のモバイル通信技術を用いることによりロボットのモバイルコントローラ開発において用いられるプログラミング言語についての調査研究の結果を紹介した。ほとんどの移動ロボットコントローラが、c/c++を用いて開発されていることが分かった。Java MEは移動型電話機のアプリ開発に用いられ、c/c+はドクターロボット(WiRobot X80)の開発のために用いられることを指摘した。
 
■熱プロセスのためのファジィ制御システム:試作、設計と実装
 本論文では、実験室におけるオープンを用いて、アプリケーションソフトウェアと信号インタフェースの設計、開発とともに、システム工学的設計解析、制御の試作、実装について、熱プロセスのファジィ論理制御について研究した結果を報告している。必要なソフトウェアはC++ とVisual basicを用いて開発した。ファジープロセス制御の品質と性能を調べ、必要な品質規格を満たしていることを確認した。
 
■ドイツの研究所における、ものづくりのIT化関連研究
 ドイツのマグデブルクにあるIFF(フラウンホーファー研究機構のファクトリーオペレーション・オートメーション研究所)は、ロボット、RFID、仮想工学を含む様々な、ものづくりのIT化関連研究に取り組んでおり、その概要を2012年3月に冊子(下記アドレス)にまとめました。
 
■産総研におけるIT関連の研究ユニットのご紹介
 リンク先のHPでは産総研においてIT関連の研究開発を行っている研究ユニット10の研究ユニットを取り上げ、研究ユニット長による各ユニット研究概要のご紹介をしています。より詳しい内容を必要とされる場合には、産総研中国センターまで、ご連絡ください。
 
■電力可視化システムを低コストで構築
 産総研では市販のクランプ型電流センサーと安価なワンチップマイコンで構成した安価な電力計測器を開発し、それを用いた電力可視化システムを構築した。これにより、サーバーごとの使用電力情報をきめ細かく可視化することができ、電力使用量の削減につながることが期待されています。
 
■燃焼計測評価技術
 産総研ではエンジンなどの燃焼計測評価技術等について主に研究開発を実施しています。また、新しい規制に必要な計測評価技術の確立と、既存計測技術に及ぼす新燃料の影響評価、対応策について研究技術の開発を行っています。今後は、燃費規制をターゲットに新燃料を使用した場合の燃費計測評価技術についても研究開発を進める予定です。
 
■中小企業における技能・技術・ノウハウを蓄積する方法
 産総研ではものづくり中小企業の優れた加工等生産過程における個別熟練者の暗黙知となっていた、技能・技術・ノウハウを蓄積する方法として、自社内で継承・共有化を可能とするITツール(加工テンプレート)を開発しています。熟練者(ベテラン)と非熟練者(若者)の間を取り持つコミュニケーションツールとなりますので、生産工程の改善や、技術・ノウハウの蓄積に役立てていただけましたら幸いです。
 
■設計製造向けソフトウェア開発ツール等の提供
 産総研技術移転ベンチャーであるスマーテック(株)ではソフトウェア開発ツール「MZ Platform」及び三次元CADデータの品質確認機能である「MZ Checker」などの設計製造向けのソリューション構築のためのコンポーネント群を、国内中小企業に対し低価格で提供しています。
 
■傷害予防に関連した研究
 産総研では傷害予防に関連した研究を行っています。本研究ではこれまでに、子どもを対象として、日常生活で発生する事故による傷害を予防するために、事故サーベイランス技術、事故予防策を開発する事故・傷害シミュレーション技術等の研究を行っていますが、工場内での事故予防策に対する何らかのヒントが得られる可能性もあるのではないでしょうか。
 
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産友会メールマガジン第5号 【省エネ関連技術】
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【特集】省エネ関連技術
 この夏も西日本を中心に電力不足が予想されていますが、今後、原発に頼る割合が減少し、中東の不確定要素の増大が燃料価格の高騰につながれば、石油危機以来の省エネ技術の飛躍的な進展が必要になるかも知れません。産総研でも、省エネ住宅や省エネデバイス等、多様な省エネ関連技術の開発に取り組んでおり、企業の皆様とも協力してひとつでも多く実用化することで、日本の産業の発展と国民生活の安全・安心に貢献できればと考えています。
 
■省エネルギー技術の最前線
 この資料は産総研で研究開発を行っている省エネルギー関連技術についてまとめてご紹介したものです。最初に分散型エネルギーネットワークによる省エネ技術について紹介し、続いて、民生部門、運輸部門および産業部門ごとに産総研で行っている研究開発について、計16課題の省エネ関連研究の研究成果をご紹介しています。
 
■相変化エネルギー貯蔵についてのレビュー:材料と応用
 この論文では、相変化材料(PCM)、カプセル化と応用の3つの側面に焦点をあてて、潜熱蓄熱に関する先行研究をレビューし、エネルギー貯蔵に使用するためのPCMを開発するための最近の研究成果を紹介した。水和塩は、より大きなエネルギー貯蔵密度と熱伝導率が高いが、過冷却と相分離を持っており、それゆえ、その応用においては、いくつかの核と増粘剤を使用する必要があることなどを指摘した。
 
■相変化材料を用いた潜熱による蓄熱の建築物への応用における省エネルギーについてのレビュー
 本論文には、建物への応用で用いるために相変化材料(PCM)を組み込んだ熱エネルギー貯蔵システムの研究と解析についてまとめてある。
 PCMは、コンクリート、石膏ボード、天井と床にカプセル化されている。
 
■省エネソケット
 カナダの家庭で使用されるエネルギーは1990年から2007年の間に倍増している。ここで紹介した製品は待ち受け電流等で浪費される電気エネルギーを省エネするために、電気タイマーにより使用後30分~6時間後に電源を切断することによって、エネルギーを節約する省エネソケットである。
 
■ドイツの都市・自治体におけるエネルギー効率向上を目指すプロジェクト
 ドイツのBMBF(教育研究省)は、都市・自治体におけるエネルギー効率向上を目指したプロジェクトを公募しました。70件以上の応募の中から15件が一次審査を通過し、二次審査でDilitzsch、Essen、Magdeburg、Stuttgart、Wolfhagenに関する5件が選ばれました。
 
■界面活性剤を利用して循環ポンプ動力の65%の省エネを達成
 産総研では東京理科大学、財団法人 周南地域地場産業振興センターおよび株式会社 藤原環境科学研究所と共同で地下2階地上19階の札幌市役所本庁舎の暖房用循環水に界面活性剤を注入し流動抵抗を低減させることによって、5%のポンプ動力削減に成功した。
 
■日射熱を反射するクールなガラス
 産総研では可視光を透過させ熱線(赤外線)を反射する日射熱反射ガラスを開発した。このガラスは、日射による採光を確保しつつ熱作用の強い近赤外線を効果的に反射できるので、ビル、家屋、車両などの窓ガラスとして利用することにより省エネに寄与することが期待される。
 
■省エネ・温暖化対策のための地中熱ポテンシャルマップの作成
 産総研では九州大学および福井県との共同研究により、数値シミュレーションを用い、地域の地中熱利用の適地評価、つまり“地中熱ポテンシャル”の評価を行いました。
 本研究の成果は、再生可能エネルギー国際会議(RE2010)においてBest Poster Award を受賞しました。
 
■生活実態に自動応答する省エネシステム
 産総研では複数の企業等と共同研究を行って、住宅内ネットワークを通じて得られる家庭内機器等の運転情報から生活状態を推定する生活行動推定技術を開発した。本研究では各生活状態に合わせた合理的な省エネを実現する生活行動応答型省エネシステム(BeHomeS)を試作した。
 
■省エネ用SiCパワーデバイス
 産総研ではSiC-MOSFETの超低オン抵抗を実現するため、SiCの表面を平滑にしてチャネル移動度を向上させ、耐圧600 V級で1.8mΩcm2を達成しました。このMOSFETを、Pウエルの形成法の頭文字をとってIE-MOSFETと名付けて、デバイス関係の学会として世界最高の国際会議であるIEDMで発表しました。
 
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産友会メールマガジン第4号 【静脈産業を支える技術】
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        【第4号/ 2012.04.27発行】
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【特集】静脈産業を支える技術
 今回は各種リサイクル技術の特集です。産業における物流は、製品を加工し、消費者に届ける「動脈」と、使用・消費後に排出されるものを回収、再資源化、最終廃棄する「静脈」とに分けられますが、この動脈と静脈のバランスが重要となります。一口に静脈産業といっても、対象は食品廃棄物やプラスチック等の有機系から無機系の廃棄物、廃棄製品に至るまで多岐に渡ります。今後、資源の有効利用の観点からも、リサイクル技術はますます重要になると思われます。なお、廃棄物処理に関する特許については、平成17年3月に特許庁から「固体廃棄物の処理」に関するガイドブックが、JSTから「固体廃棄物の処理に関する技術の特許マップ」が出ていますので、参考にしてください。
 
 
■廃棄物管理、廃棄物の資源施設や廃棄物の変換プロセス
 本論文では、廃棄物管理の概念、廃棄物管理システム、バイオマスやバイオ廃棄物の資源、廃棄物の分類、および廃棄物管理方法について紹介しています。この論文を読めば、廃棄物処理について考えるための一般的概念について学ぶことができます。
 
■ 産業廃棄物(フライアッシュやスラッジ)から、付加価値の高いセラミックタイルを製造する技術
 本研究ではフライアッシュとスラッジを軽量タイルとしてリサイクルための新規な方法を開発しています。フライアッシュと汚泥の前処理として、水抽出、超音波キャビテーションについて検討しています。
 
■食品廃棄物からの自動車用ガス燃料製造技術
 ドイツのIGB(界面技術とバイオプロセス技術に関するフラウンホーファー研究所)は、他の研究機関や企業と共同で、食品廃棄物から自動車燃料用バイオガスを作るための、BMBF(ドイツ教育研究省)支援の研究プロジェクト(ETAMAX)を2009年から5ヵ年計画で実施しています。
 
■木質廃棄物からの高付加価値キノコ(食用・薬用ヒラタケ)生産技術
 本論文では、木材に生息するリグニン分解白色腐朽担子菌を用いて、未利用の木質系残渣を食材や薬草として転換する方法について検討しています。子実体は3-8週間で生産され、子実体を収穫した後、(木材は)38パーセントKlasonリグニンと45%酸可溶性リグニンにまで分解することが分かりました。
 
■廃棄HDDからのNd磁石の回収技術
 産総研では脱磁せずに磁石を打ち抜くことによるリサイクル装置を試作し、使用済みハードディスクドライブからネオジム磁石を回収する技術を確立しました。
 
■セシウム吸着材としてのプルシアンブルーを利用した除染・減容化システム
 産総研では福島第一原発の放射能漏洩事故による汚染土壌等を対象として、土壌から放射性セシウムを抽出し、吸着材で回収することで放射性廃棄物を減容する技術の開発を進めています。
 
■水だけを使ったPETのケミカルリサイクル技術
 産総研では高温水を使ってPETを高効率で原料モノマーに分解する技術を開発した。この技術はPET以外の他のポリエステル系樹脂にも応用できます。
 
■無電解ニッケルめっきにおけるニッケルリサイクル技術
 産総研では溶媒抽出法を用いた使用済み液からのニッケルのリサイクルするプロセスについて研究しており、高速で高効率なニッケル回収技術を確立し、連続抽出装置を用いた処理実験を進めています。
 
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