マイクロプラスチック(MPs)のうち、自動車などのタイヤが摩耗してできる粒子は環境中への流出量が特に多いと考えられていますが、タイヤ由来MPsが環境中でどのように移動し、どこに蓄積するのか、これまで分かっていませんでした。
国立環境研究所、産業技術総合研究所、愛媛大学の研究チーム(以下「本研究チーム」という。)が、北海道から沖縄まで11都道府県 36地点(沿岸海域/湖沼)において、堆積物中のタイヤ由来MPsの濃度を調べたところ、多くの地点(32地点)でタイヤ由来MPsが検出されました。さらに、これらの粒子は川を通じて海や湖に運ばれ、陸域から流入した泥や有機物とともに沈殿し、堆積物中に蓄積していることが示唆されました。この結果により、タイヤ由来MPsの環境中挙動と汚染状況の評価・見積もりが可能となり、対策のための基盤的知見としての活用が期待できます。
本研究の成果は、2025年7月24日付でElsevier社から刊行された水環境分野の学術誌『Water Research』に掲載されました。
詳細は以下を参照ください。
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2025/20250822/20250822.html