島津製作所は、医薬品の検査※)、食品の衛生管理、河川の水質検査などで実施されている微生物同定向けに、独自開発の大規模データベースを活用した、微生物同定ソフトウェア「MicrobialTrack」を国内外で発売しました。本製品は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析計(MALDI-TOFMS)で取得した微生物の測定結果をデータベースに照会して、国際原核生物命名規約に基づき発表済みの分類に加えて、難培養・未培養の分類を含む、約8万5千種の微生物(バクテリア、アーキア)のうち、対象がいずれに該当するかを3時間以内で特定します。当社は煩雑・高額な遺伝子解析法に替わり得るソリューションである「MicrobialTrack」を通じて、微生物の検査・研究に貢献していきます。
本製品は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)との共同研究成果を基に開発されました。産総研と当社は2023年に原核微生物タンパク質理論質量データベース「GPMsDB」と、質量分析結果を解析する独自アルゴリズムによる、微生物の同定手法に関して発表しています。MALDIは当社エグゼクティブ・リサーチ フェローである田中耕一のノーベル化学賞の受賞理由となった技術で、マトリックス(イオン化補助剤)を混ぜた試料にレーザーを照射し、タンパク質など高分子化合物を壊さずイオン化します。
※)以下のとおり訂正しました(2025年5月21日)。
訂正前:感染症や医薬品の検査
訂正後:医薬品の検査
詳細は以下を参照ください。
https://www.shimadzu.co.jp/news/2025/03gq8ep3_804x16u.html