発表・掲載日:2022/07/27

静岡県熱海市伊豆山地区の土砂災害現場の盛土に含まれる軟質泥岩礫


静岡大学、千葉大学、山形大学、早稲田大学、名城大学、産業技術総合研究所の研究グループが、2021年7月3日に静岡県熱海市伊豆山地区の逢初川沿いで発生した土砂災害現場の盛土に含まれる軟質泥岩礫の古生物学的・堆積学的分析を行い、以下の結果を得ました。

土砂災害は、逢初川源頭部にあった盛土の崩落により発生した土石流によるもので、源頭部の未崩落の黒色の土砂から、爪でも削れる固さの泥岩礫を複数発見した。

泥岩礫は、花粉化石や海に生息する珪藻化石と放散虫化石を含む。

それらの化石の種類から、泥岩礫は300万~90万年前の沖合で堆積した泥質物からなる泥岩層に由来することが分かった。

その泥岩層は、神奈川県西部では、大磯丘陵南部と相模原市の相模川周辺に分布する泥岩層が考えられ、その周辺に黒色の土砂の採取地がある。

この黒色の土砂の採取地に残された土砂を採取し、分析することで、盛土崩落の原因究明に不可欠な盛土の力学的性質の情報を得ることができる。

論文情報

題名: 静岡県熱海市伊豆山地区の土砂災害現場の盛土に含まれる軟質泥岩礫
誌名: 第四紀研究
著者: 北村晃寿1, 2、亀尾浩司3、本山功4、守屋和佳5、齊藤毅6、渡辺真人7、森英樹8

1: 静岡大学理学部地球科学科、2: 静岡大学防災総合センター、3: 千葉大学理学研究院地球科学研究部門、4: 山形大学理学部地球科学分野、5: 早稲田大学教育・総合科学学術院理学科地球科学専修、6: 名城大学理工学部教養教育地学教室、7: 産業技術総合研究所地質調査総合センター、8: 静岡大学技術部

 

発表内容

研究の背景

2021年7月3日午前10時30分頃、静岡県熱海市伊豆山地区の逢初(あいぞめ)川沿いで土石流が発生し、伊豆山港に至り、相模湾へ流入した(図1)。その後の調査で、逢初川の源頭部にあった盛土が大量に崩落していたことが判明した(静岡県, 2021a)。国土地理院(2021)は、2009年と2019年の地形測量データを比較し、同期間に形成された盛土の体積量を約56,000 m3と見積もっており、そのうちの約55,500 m3が崩落したと静岡県(2021a)は報告している。また、静岡県(2021b)の調査では、盛土には、褐色の土砂と黒色の土砂があり、褐色の土砂は現地周辺のものに類似するが、黒色の土砂は、他所から搬入された土砂と推測している。また、土石流堆積物と盛土のカルシウム含有率から、土石流となって流下した土砂の混合比率は、黒色の土砂が75~85 %で、褐色の土砂が15~25 %と推定している。

一方、静岡県の報告書を基に、木村(2021)は、盛土は三層構造で、2009年6月期前の盛土層、褐色の土砂、黒色の土砂の順に重なり、分布高度の位置は褐色の土砂よりも黒色の土砂のほうが低い所にある。そして、木村(2021)は、2021年7月3日の崩落崖は、褐色の土砂、黒色の土砂の境界付近にあたるとした(図2)。

今回の盛土崩落の原因の検討には、盛土の力学的性質のデータが不可欠であるが、上記の解釈から、2009年6月期前の盛土層、褐色の土砂、黒色の土砂のうち、黒色の土砂の力学的性質の解明が最重要となり、その際には盛土の採集地の特定は重要である。なぜならば、採集地に残された土砂の分析から得られる力学的性質の平均や範囲の情報は、盛土の力学的性質の推定に最も確実な制約を与えるからである。

2021年9月3日に、第一著者は熱海市の担当者の同行の下、逢初川の源頭部と中流域のそれぞれ2地点(図1の地点B1-4)を調査し、地点B1の黒色の土砂(未崩落の盛土)から4個体の海生二枚貝を、地点B3の土石流堆積物から5個体の海生二枚貝を発見した(図1、北村, 2022)。これらの貝殻の14C年代測定の結果、黒色の土砂の一部は沿岸堆積物であり、現世堆積物と中部完新統の2つの採集地がある可能性を明らかにするとともに、中部完新統の候補に神奈川県小田原市大磯丘陵の中村川下流域の完新統下原層を挙げた。黒色の土砂の一部が沿岸堆積物であるという知見は、以下の点で重要である。すなわち、沿岸では波浪や沿岸流で堆積粒子の円磨が進むため(球粒子の安息角は複雑形状を有する粒子の安息角より小さい)、黒色の土砂の安息角が褐色の土砂のそれよりも低い可能性は十分あり、よって黒色の土砂は褐色の土砂よりも崩落しやすい性質を有していた可能性があるのだ。

その後、北村ほか(2022a)は、黒色の土砂と土石流堆積物からチャート岩片を発見し、含有する放散虫化石とドロマイト粒子から、古生代/中生代境界付近から前期白亜紀まで及ぶ時代のチャートであることを明らかにした。この知見は、黒色の土砂の採集地の一部の場所の後背地にはチャートが分布することを示す。

さらに、北村ほか(2022b)は盛土最下端の基底部が含礫砂層(0.1 m厚)と亜円礫層(0.4 m厚)の累重からなることを発見した。前者の礫は火山岩の角礫である。後者の礫は堆積岩の亜円礫で、礫支持であり、礫間の砂質堆積物は放散虫化石を含む泥岩岩片と有孔虫を含むので、盛土の黒色の土砂の供給源の一部は沿岸堆積物であることを明らかにした。また、北村ほか(2022c)は盛土最下端から約350 m下流の堰堤を埋めた土石流堆積物から海綿骨針を含む泥岩岩片を発見した。これらの研究で発見された微化石を含む泥岩岩片は、黒色の土砂の採集地の特定につながる。

第一著者は、2021年9月3日の調査では、地点B1で、黒色の土砂から37個の礫(礫径10 mm以上)を採取した(図3)。それらのうち3個は軟質泥岩礫であった。これらの礫は爪でも削れる固さであることから、風化や運搬の過程での耐久性は低いと思われる。したがって、軟質泥岩礫は供給源の地層の近傍にあった可能性が高く、黒色の土砂の採集地の特定につながる。そこで、本研究では、主に古生物学的観点から軟質泥岩礫の堆積年代と堆積環境を検討した。

今回の土砂災害を踏まえ、国土交通省は全国調査を行い、点検が必要な盛土は36,000箇所以上あると報告したが、その報告書には、既存の盛土の災害危険性の具体的な評価指標は示されていない。一方、今年5月27日に公布された「盛土規制法」の第四条には、「(略)、宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積に伴う崖崩れ又は土砂の流出のおそれがある土地に関する地形、地質の状況その他主務省令で定める事項に関する調査を行うものとする。」とある。しかし、地形・地質の状況を評価する具体的基準は示されていない。したがって、今回の盛土の崩壊の原因究明で得られる知見は、既にある盛土の災害危険性の評価および盛土規制法の実効性を確保するための評価基準の策定に、重要な貢献を果たす。
 

結果と議論

3試料の軟質泥岩礫は、灰色から灰白色の泥岩の礫で、火山ガラスをかなり含み、貝類などの大型化石は含まない(図4-6)。重量は試料1、2、3でそれぞれ730 g、87 g、11 gである。試料3は少量のため、石灰質ナンノ化石、放散虫、有孔虫の分析、薄片作成にすべてを供したため、花粉分析ができなかった。産出した微化石の写真を図7-10に示した。

産出した花粉化石のうち、現在日本に分布しない種類が少なく、産出率も低いことから試料1、2ともに300万年前以降に堆積したことが推定された。上限の年代は現在日本に分布しないCyclocarya(サイクロカリア属)、Metasequoia type(メタセコイア属型)、Cathaya(ギンサン属)、Pseudolarix(イヌカラマツ属)の産出から推定し、試料1の堆積した年代は300万~90万年前、試料2の堆積した年代は300万~120万年前と推定された。

試料3から産出した放散虫化石のうちAxoprunum stauraxonium(アクソプルナム・スタウラクソニウム)は第四紀の時代を示すと考えられていることから、試料3の堆積した年代は第四紀(258.8万年前以降の時代)と推定される(ただし、分類学的な問題があるため決定的とまでは言えない)。堆積環境については、貝類や葉などの大型化石を産出せず、放散虫などを産出するので外洋の堆積物と推定される。

試料1と3から産出した珪藻は、それぞれ2,100万~800万年前、1,410万~870万年前に生息していた種が産するので、泥岩の元となった泥質物が堆積した年代よりも古い海底でたまった堆積岩が、泥質物の堆積場の周辺に露出していたことを示唆する。なお、今回の3試料から貝類などの生物源の石灰質骨格は産出しないことは、淡水の影響で溶解したためと推定される。

盛土最下端の基底部の亜円礫層の砂質堆積物は放散虫化石を含む泥岩岩片を産し、砂防堰堤を埋めた土石流堆積物は海綿骨針を含む泥岩岩片を産した(北村ほか, 2022c)。本研究の泥岩礫も放散虫化石と海綿骨針化石を含むことから、これらは同一の供給源の可能性が高い。

軟質泥岩礫の堆積年代と堆積環境から、盛土の採集地を考察する。崩土から神奈川県二宮町の指定ごみ袋が見つかったので(静岡県, 2021c)、対象地域は同町を含む神奈川県西部とした。

北村(2022)は、未崩落の盛土の黒色の土砂に含まれる貝殻の種組成と14C年代の測定から、その採取地の候補に神奈川県小田原市大磯丘陵の中村川下流域の完新統下原層を挙げた。同丘陵南部には谷戸層、前川層、羽根尾層、二宮層、沼代層という海成層が露出する。矢野(1986)は石灰質ナンノ化石の層位的分布とナンノ化石帯を示した(図11)。谷戸層は約860万~560万年前にあたる。一方、前川層の堆積開始期は約200万~170万年前まで遡る可能性があり(図10)、軟質泥岩礫の堆積年代(300万~90万年前)と重複する。さらに、前川・羽根尾両層は砂質泥岩からなり、堆積環境に関しては、矢野(1986)は底生有孔虫群集解析から大陸斜面上部(200-600 m)と推定している。したがって、岩質や堆積環境も一致する。

神奈川県西部では、300万~90万年前の海成層としては、相模原市の相模川沿いに露出する中津層群があり、その堆積年代は350万~195万年前である(植木ほか, 2013)(図10)。中津層群は、下位から小沢(こざわ)層、神沢(かんざわ)層、清水層、大塚層、塩田層の5 層から構成され、上方に向かって堆積物の粒子は細粒化し、清水層、大塚層、塩田層は塊状シルト岩や凝灰質シルト岩からなる。堆積環境は上位ほど沖合で堆積した地層からなり(植木ほか, 2013)、大塚層・塩田層の一部の地層の堆積深度は150-240 mと推定されている(瀬戸ほか, 2019)。したがって、中津層群の岩質、堆積年代、堆積環境も軟質泥岩礫のそれらと一致する。よって、両地域の鮮新・更新統は黒色の土砂に含まれる軟質泥岩礫の採集地の可能性がある。

 

本研究成果の社会的意義

伊豆山地区の土石流災害を踏まえた国土交通省の調査では、点検が必要な盛土は全国調査で36,000箇所以上あることが分かり、同省の報告書には、それらの災害危険性の評価方法に、測量、ボーリング、監視等の調査を挙げたが、具体的な評価指標は示していない。

一方、今年5月27日に「盛土規制法」が公布され、第四条に「(略)、宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積に伴う崖崩れ又は土砂の流出のおそれがある土地に関する地形、地質の状況その他主務省令で定める事項に関する調査を行うものとする。」とある。しかし、上記の「盛土の災害危険性の評価」と同様に、地形・地質の状況を評価する具体的基準は示されていない。

伊豆周辺では、2021年7月1日から大雨となっていたが、土砂災害は伊豆山地区の土石流だけである。これは、災害危険性としては、逢初川源頭部の盛土が最大であったことを示す。よって、その崩壊の原因究明で得られる知見は、「盛土規制法」の実効性の確保と「既存の盛土の災害危険性の評価基準」の策定に必須の情報を提供する。

上述したように、今回の盛土崩落の原因究明には、黒色の土砂の力学的性質の解明が最重要で、それにはその採集地の特定は重要である。本論では、黒色の土砂の採取地の特定につながる重要な情報が泥岩礫から得られた。すなわち、神奈川県小田原市大磯丘陵の中村川下流域と相模原市の相模川沿いの2箇所である。今後は、北村(2022)と北村ほか(2022a)の研究成果―黒色の土砂が沿岸に生息する貝類とチャートを含むーと合わせ、現地調査することによって、黒色の土砂の採集地を特定し、その場所の土砂を採取し、力学的性質の平均や範囲を測定し、黒色の土砂の力学的性質を解明する。

図1

図1 熱海市伊豆山地区の土石流の流路と試料採取地点と地質。a―d: 土石流の流路と試料採取地点。e: 地質図。画像は国土地理院(2021)の写真番号48156と48158を使用、https://www.gsi.go.jp/BOUSAI/R3_0701_heavyrain.html, 2022年3月1日引用。地質図は及川・石塚 (2011)の地質図と産業技術総合研究所地質調査総合センター (2021)の地質図 Naviのシームレス地質図v2に基づいて作成。aとeの十字線1と2の緯度・経度はそれぞれ北緯35度7分0秒・東経139度4分0秒と北緯35度6分0秒・東経139度5分0秒。  

図2

図2 逢初川崩壊箇所付近の縦断面図(縦横比1:1) 木村(2021)

図3

図3 試料採取地点B1の未崩落の盛土の写真。すべて黒色の土砂からなる盛土。

図4

図4 軟質泥岩礫の写真と軟X線写真。1-3は試料番号。

図5

図5 軟質泥岩礫の粒度組成。

図6

図6 薄片写真。赤矢印は火山ガラス。

図7

図7 軟質泥岩礫から産出した珪藻化石:
1. Copula of Denticulopsis simonsenii Yanagisawa and Akibaor its related species
(Denticulopsis vulgaris (Okuno) Yanagisawa and Akiba, Denticulopsis praekatayamae Yanagisawa and Akiba, Denticulopsis katayamae Maruyama).
2. Fragment of Denticulopsis simonsenii or its related species.
3. Fragment of Epithemia sp.?
4. Fragment of Thalassionema nitzschioides (Grunow) Mereschkowsky?
5. Fragment of Coscinodiscus marginatus Eherenberg?
6. Actinocyclus ingens f. ingens (Rattray) Whiting and Schrader
7. 海綿の骨針
スケール A:6,7; スケール B:1-5

図8

図8 軟質泥岩礫から産出した放散虫化石。
1–4. Haliometta miocenica (Campbell and Clark). 試料3.
5, 6. Axoprunum stauraxonium Haeckel. 試料3.
7–9. Cenosphaera sp. 試料3.
10. Spongodiscus sp. 試料3
11. Spongodiscus sp. 試料1.
12. Flustrella sp. 試料3.
13, 14. Stylodictya camerina Campbell and Clark? 試料3.
15, 16. Larcopyle spp. 試料3.
17. Spumellaria gen. et sp. indet. 試料1.
18. Spumellaria gen. et sp. indet. 試料3.

図9

図9 底生有孔虫化石の写真。

図10

図10 軟質泥岩礫から産出した花粉化石の写真(スケールはすべて20µm)。
1, 2. Metasequoia type 試料1。
3. Cryptomeria type 試料1。
4. Cyclocarya 試料1。
5. Pseudolarix 試料2。
6. Cathaya 試料2。

図11

図11 神奈川県西部の海成鮮新・更新統の層序と軟質泥岩礫の堆積年代。石灰質ナンノ化石帯とナンノ化石基準面は、高山ほか(1995)、佐藤ほか(2012)、Agnini et al. (2017)をもとに作成した。ナンノ化石基準面の括弧内の数値は年代で、単位は百万年前。1は高山ほか(1995)、2は佐藤ほか(2012)、3はAgnini et al. (2017)の年代値。大磯丘陵南部のナンノ化石の層位分布図は矢野(1986)の原図をトレースし、一部改変した。大磯丘陵南部の地質図は蟹江ほか(1999)を一部改変した。中津層群の分布図と層序図はそれぞれ瀬戸ほか(2019)と植木(2013)を一部改変した。神奈川県西部の地図は国土地理院(2021)から2022年2月24日にダウンロード(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)。

引用文献

Agnini, C., Monechi, S. and Raffi, I. (2017) Calcareous nannofossil biostratigraphy: historical background and application in Cenozoic chronostratigraphy. Lethaia, 50, 447-463.
蟹江康光・平田大二・今永 勇(1999)大磯丘陵と相模湾、沖ノ山堆列の地質と微化石年代。神奈川県立博物館調査研究報告(自然科学)、no. 9、95-110.
木村克己(2021), 熱海市の逢初川土石流災害の地形・地質的背景。深田地質研究所年報、No.22、185-202.
北村晃寿(2022) 静岡県熱海市伊豆山地区の土砂災害現場の盛土の崩壊斜面と土石流堆積物から見つかった海生二枚貝の貝殻。第四紀研究.
 https://doi.org/10.4116/jaqua.61.2114
北村晃寿・岡嵜颯太・近藤 満・渡邊隆広・中西利典・堀 利栄・池田昌之・市村康治・中川友紀・森 英樹, (2022a) 静岡県熱海市伊豆山地区の土砂災害現場の盛土と土石流堆積物の地球化学・粒子組成分析。静岡大学地球科学研究報告, 49. 
 https://www.sci.shizuoka.ac.jp/~geo/grep/49_kitamura_et_al.pdf [PDF:2.6MB]
北村晃寿・山下裕輝・本山 功・中西利典・森 英樹(2022b) 静岡県熱海市逢初川の源頭部の盛土下端部の露頭調査。静岡大学地球科学研究報告, 49号。
 https://www.sci.shizuoka.ac.jp/~geo/grep/49_kitamura_et_al_4.pdf [PDF:3.4MB]
北村晃寿・矢永誠人・岡嵜颯太・片桐 悟・中西利典・森 英樹(2022c) 静岡県熱海市逢初川の砂防堰堤の埋積土の放射性セシウム濃度と粒子組成の層位変化 ―2021年7月3日の土石流堆積物の識別―。静岡大学地球科学研究報告, 49号。
 https://www.sci.shizuoka.ac.jp/~geo/grep/49_kitamura_et_al_2.pdf [PDF:2MB]
国土地理院(2021) https://www.gsi.go.jp/BOUSAI/R3_0701_heavyrain.html, 2022年3月1日引用。
及川輝樹・石塚 治(2011) 熱海地域の地質。地域地質研究報告(5万分の1 地質図幅)。61 p, 産業技術総合研究所地質調査総合センター。
産業技術総合研究所地質調査総合センター(2021)地質図Navi.
 https://gbank.gsj.jp/geonavi/#disclaimer, 2021年10月6日引用。
瀬戸大暉・間嶋隆一・彌勒祥一・中村栄子(2019) 神奈川県相模原市に露出する下部更新統中津層群上部から産出した冷湧水性化学合成化石群集。化石, 106、19-34.
静岡県(2021a) 難波副知事記者会見 令和3年7月8日
 https://www.youtube.com/watch?v=ihq8hpwGA0w 2021年7月9日引用。
静岡県(2021b) 熱海市伊豆山地区土石流土質調査結果(速報)
 https://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-350/documents/kisyateikyou_doshitucyousakekka.pdf [PDF:139KB]  2021年9月9日引用。
静岡県(2021c) 第2回逢初川土石流対策検討委員会
 http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-350/sabouka/r3aizomegawadosekiryuutaisakukenntouiinnkai_2.html 2021年12月1日引用。
佐藤時幸・千代延 俊。ファリーダ メウティア(2012) グローバル気候変動と新第三紀の終わり/第四紀の始まり:石灰質ナンノ化石層序から。地質学雑誌, 118, 87-96.
高山俊昭・佐藤時幸・亀尾浩司・後藤登美子(1995) 第四系石灰質ナンノ化石層序と鮮新統/更新統境界の年代値。第四紀研究, 34, 157-170.
植木岳雪・原 英俊・尾崎正紀(2013) 八王子地域の地質。地域地質研究報告(5万分の1地質図幅)、137p.、産業技術総合研究所。
矢野 亨(1986)大磯丘陵南部地域の層序とその地質年代および堆積環境。静岡大学地球科学研究報告, 12, 191-208.

 

各研究機関の役割

各研究機関の役割は以下の通りです。
静岡大学:試料採取、岩石学的分析、放散虫化石と有孔虫化石の抽出、全体総括、論文執筆を担当。
千葉大学:石灰質ナンノ化石の同定と論文執筆を担当。
山形大学:放散虫化石の同定と論文執筆を担当。
早稲田大学:有孔虫化石の同定と論文執筆を担当。
名城大学:花粉化石の抽出と同定と論文執筆を担当。
産業技術総合研究所地質調査総合センター:珪藻化石の抽出と同定と論文執筆を担当。


用語説明

・花粉化石
花粉の外壁は化学的に安定な高分子化合物でできており、化石として保存されやすい。植物の種類により花粉の外壁の形態が異なり、化石として保存された外壁を観察することによって、属又は科レベルで特定することが可能である。[参照元へ戻る]
・放散虫
単細胞の海洋プランクトンの一種で、0.1 mmほどの大きさである。世界中の海洋にさまざまな種が生息しており、多くは二酸化ケイ素(SiO2)の殻をもつため化石として保存されやすい。[参照元へ戻る]
・珪藻
二酸化ケイ素(SiO2)を主成分とする殻が2枚合わさって細胞を覆っており、0.01 mmから1 mm程度の大きさである。[参照元へ戻る]
・有孔虫
多くは海生の単細胞の原生生物の一群。内湾汽水域から深海まで、極域から熱帯までのすべての海洋環境に生息しており、浮遊生活と底生生活を送るものがいる。主な種類は、石灰質(CaCO3)の殻をもち、大きさは通常 2 mm以下程度である。沖縄地方の海岸に見られる星砂は特に大型の有孔虫の殻である。[参照元へ戻る]
・石灰質ナンノ化石
海生の単細胞の植物プランクトンで、石灰質(CaCO3)の殻をもち、大きさはおおむね数 µmから20数 µm程度である。[参照元へ戻る]
・海綿
原始的な動物で、淡水にも生息するが多くは海に生息する。石灰質や珪質の骨格や骨針、有機質の海綿繊維から構成される。[参照元へ戻る]


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