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発表・掲載日:2003/08/19

古紙を利用して高機能性建具を開発

-襖や屏風、衝立などの高機能化に成功-

ポイント

  • 耐熱性、耐水性、防汚性、さらには防炎性に優れた建具を開発した。
  • 古紙を利用することによりリサイクルにも貢献できる。

概要

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下、「産総研」という)セラミックス研究部門【部門長 亀山 哲也】環境材料化学研究グループ【グループ長 垰田 博史】と東海電子熱錬株式会社【代表取締役社長 林 義夫】と有限会社弁天堂【代表取締役社長 加藤 隆夫】)は共同で、古紙を利用した耐水耐熱防炎防汚性建具を開発した。

 開発した高機能性建具は、段ボールなどの古紙を材料とした建具(襖や屏風、衝立など)に透明セラミックスコーティング液を染み込ませて透明セラミックスをコーティングした後、その表面に超親水性の透明セラミックスコーティングを施したもので、襖業界の念願であった「破れず汚れず水に強く難燃性を有する襖を」という夢を実現したものである。さらに超親水性の透明セラミックスに光触媒を添加して用いることで防汚性や脱臭性、室内環境浄化性などの優れた機能を持たせることができる。



研究の背景

 従来、襖や屏風、衝立などにおいて古紙を材料とした建具は、破れ、汚れ、水に弱い、燃えやすいなどの問題点を抱えており、特に襖業界においては国内住宅における設置率が非常に高いことから、これらの問題を解決した製品の開発が長年の課題とされていた。

 産総研 環境材料研究グループでは、廃棄物を基材に用いた環境浄化材の開発を行っていたことから、東海電子熱錬株式会社と有限会社弁天堂との三者の共同研究で「高機能性建具の開発」に取り組んだ。

研究の経緯・内容

 産総研 環境材料研究グループで共同開発した技術は、紙などに透明セラミックスコーティング液を染み込ませてセラミックス化させることで耐熱性と木材並の強度を付与するなど、高機能化を図る技術。この点に着目し、襖や屏風などの古紙を材料とした基材の部分への応用を図った。さらにその表面に超親水性の透明セラミックスをコーティングすることで、建具として求められている性能を付与した。これにより、水に強く、汚れも簡単に除去でき、炎を近づけても燃えにくく燃焼による有害ガスを発生しない耐水耐熱防炎防汚性建具の開発に成功した。また、超親水性セラミックスに光触媒を添加して用いた場合には、光触媒機能により防汚性や脱臭性が向上すると共に、室内環境浄化性に優れた機能を持たせることができる。

耐水耐熱防炎防汚性建具の写真1

耐水耐熱防炎防汚性建具の写真2

今後の予定

 本技術を用いることで、様々な紙製品等への応用が期待できることから、今後新たな適用分野への展開を図る。

 また、開発に成功した建具はすでに実用段階にあり近日中の製品化を見込んでいる。


用語の説明

◆超親水性
水とのなじみが良く、水滴を垂らしても水玉ができず、一様な水膜に広がる性質。[参照元へ戻る]


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国立研究開発法人産業技術総合研究所