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発表・掲載日:2001/12/06

新しい強磁性形状記憶合金の開発


概要

 産業技術総合研究所東北センターの基礎素材研究部門 機能性金属材料グループと東北大学 石田清仁教授の研究グループでは、新しい高加工性の強磁性形状記憶合金の開発に成功した。

 強磁性型形状記憶合金は、形状記憶効果の発現に関連するマルテンサイト相が強磁性を示す合金である。このような合金は、磁場により形状を制御できるため、新しいスマート材料として注目されている。



成果の内容

○従来技術
 従来の形状記憶合金は、熱弾性型マルテンサイト変態を示し、大きな変位は得られるが温度変化により変位を制御するため、合金の冷却速度によりアクチュエータの応答速度が律速され、高速応答に適さない欠点があった。強磁性型形状記憶合金は、磁場により変位を制御でき、且つ、磁歪、電歪材料と比較して10~100倍大きな歪みが得られることから、高速応答が可能な磁気駆動アクチュエータへの応用展開が期待されている。

○新材料
 我々のグループでは、東北大学の石田清仁教授および貝沼亮介助教授と共同で、Co-Ni-AlおよびCo-Ni-Ga系合金において、強磁性型形状記憶合金を新たに発見した。これまでにも、Ni2MnGa、Ni2MnAl, Fe-PdおよびFe-Pt合金などで強磁性型形状記憶合金は報告されているが、脆くて加工ができない、変態点が低い、および高価な貴金属を含むなどの欠点があり、研究として注目されるが工業用材料の対象とはならなかった。
 今回開発した材料は、形状記憶効果を示すβ単相の場合は非常に脆いが、組成と組織の制御により微量の延性のあるγ相と複合することにより熱間・冷間での加工が可能となる。
 例えば、1300℃の熱延で、直径20mmのインゴットを厚さ1.3mmまで加工できる。また、2段熱処理を行うと加工性が更に向上し、冷延で厚さ200mmのテープ形状にすることもでき、従来の加工プロセスで製造できる。
 磁気変態温度およびマルテンサイト変態温度も、組成と熱処理温度により-150℃~+120℃まで制御することが可能である。従って、作動温度、加工性、材料コストの面から工業化の可能性が高い。 

今後の予定

今後は、磁気駆動アクチュエータ、歪みセンサー、感温センサーなどへの実用化に向けた研究を進める予定である。




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国立研究開発法人産業技術総合研究所