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発表・掲載日:2001/07/31

光触媒を用いた水処理装置を開発

-産業廃棄物処理施設の排ガス洗浄水中のダイオキシン類99%分解除去に成功-


概要

 産総研 セラミックス研究部門 環境材料化学研究グループとヤマダ・インダストリーは共同で二酸化チタン光触媒による水処理装置を開発し、産業廃棄物処理施設の排ガス洗浄水を流通させることによってその中に含まれるダイオキシン類を99%以上分解除去することに成功した。特にダイオキシン類のうち、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンとポリ塩化ジベンゾフランだけでなく、昨年施行された「ダイオキシン類対策特別措置法」によって新たに規制の対象となり、分解されにくいと言われていたコプラナーPCBも99.8%分解・除去することに成功した。本装置は非常にコンパクトで構造も操作も簡単、低コストで運転可能と、極めて利点が多く、光触媒を用いた洗浄水中のダイオキシン類の分解除去装置の開発としては世界初で画期的である。.



詳細

 独立行政法人 産業技術総合研究所 中部センター 瀬戸サイトのセラミックス研究部門(部門長 亀山哲也) 環境材料化学研究グループ(グループ長 垰田博史)とヤマダ・インダストリー株式会社(代表取締役 山田行男)は共同で二酸化チタン光触媒による排ガス浄化装置を開発し、産業廃棄物処理施設の焼却炉からの排ガスに含まれるダイオキシン類を99%分解・除去することに成功し、今年度の環境賞を受賞していた。

 今回、二酸化チタン光触媒による水処理装置を開発し、産業廃棄物処理施設からのスクラバー水(排ガスの洗浄水)中に含まれるダイオキシン類の分解除去を行った。産業廃棄物処理施設からの排ガスを洗浄したスクラバー水には排ガス同様、ダイオキシン類が含まれており、その処理が問題となっている。昨年施行された「ダイオキシン類対策特別措置法」によって、水質の環境基準はダイオキシン類の中で毒性の最も強い2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンに換算して1リットル当たり1ピコグラム(1兆分の1グラム)、排水基準は1リットル当たり10ピコグラムと決められている。

 開発した水処理装置は12×12×40センチメートルの大きさで、1グラム当たり数百平方メートルという大きな表面積を持つ球状光触媒が200グラム詰め込まれており、8本の紫外線ランプ(計145ワット)からの光が照射されている。この中に1リットル当たり3040ピコグラムという極めて高濃度のダイオキシン類を含んだスクラバー水(排ガスの洗浄水)0.5リットルを1分間当たり15ミリリットルの流速で循環させ、その中に含まれるダイオキシン類の濃度変化を測定した結果、1時間後、19.6ピコグラムに減少し、99.4%のダイオキシン類を除去することができた。また、昨年施行された「ダイオキシン類対策特別措置法」によって新たに規制の対象となり、分解されにくいと言われていたコプラナーPCBも最初1リットル当たり240ピコグラムあったものが、1時間後0.58ピコグラムに減少し、99.8%除去することができた。さらに、2時間運転後にはダイオキシン類の濃度が7.32ピコグラムと排水基準値の10ピコグラム以下に減少した。本装置は非常にコンパクトで構造も操作も簡単、低コストで運転可能と、極めて利点が多く、光触媒を用いた洗浄水中のダイオキシン類の分解除去装置の開発としては世界初で画期的である。.





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