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発表・掲載日:2001/05/30

電解研磨のデータベースをホームページで公開

ポイント

  • 従来の100倍の電流密度を利用した超高速の電解脱スケール
  • 数10秒を要したステンレス鋼の脱スケールを0.1秒以下(1/100以下)に短縮
  • 中性の電解液を用い環境負荷の大幅低減

概要

 独立行政法人 産業技術総合研究所【 理事長 吉川 弘之 】(以下「産総研」という)ものづくり先端技術研究センターの 清宮 紘一 らは、各種金属材料の平面、円筒内面の加工事例を体系化した「電解研磨データベース」の作成を行ってきました。このたび この成果を、インターネットを用いて技術情報公開するホームページである 「テクノナレッジネットワークhttp://www.techno-qanda.net/)」 において、産総研ものづくり先端技術研究センターが担当する「加工技術データベース」の中で、「切削データベース」「溶接データベース」に加えて、新たに公開しましたのでお知らせ致します。

 このデータベースには、最新の研磨データとして、従来の100倍の電流密度を利用した超高速の電解脱スケールの加工事例が公開されております。この加工法では、通常 数10秒を要したステンレス鋼の脱スケールを0.1秒以下に短縮した加工条件等が示されています。また、硝弗酸の代わりに中性の電解液を用いており、環境負荷の面でも大きな利点がある加工法です。

 なお、今回の「電解研磨データベース」では、電解研磨の加工事例を XML(Extensible Markup Language) で記述し、推奨条件提示のXMLを生成するという、システム構築に関する新手法の工夫も 行っております。

「加工技術データベース」の中で紹介されている
[電解研磨データベースの表紙]
電解研磨データベースの表紙の写真

[実験装置写真等]

円筒内面用機の写真
[円筒内面用機]
小径管内面の研磨結果の写真
[小径管内面の研磨結果]
 



関連説明

http://www.techno-qanda.net/ より抜粋)


◆テクノナレッジ・ネットワーク
製造技術に関する技術情報サイトとして、中小企業庁からの委託により産総研産学官連携部門が運営している事業。 テクノナレッジ・ネットワークでは、公設試験研究機関が提供する技術相談データベース(Q&Aデータベース)を中心として、製造技術に関する様々な技術分野の情報を収集しており、技術的課題解決のためのヒントを得たり、創造的ものづくりの実現につながる知識データを、任意の語句を入力することで検索することができる。また、技術情報提供者に関する情報も技術情報とともに載せており、閲覧者が詳細について知りたい場合に問い合わせしやすい環境を提供している。[参照元へ戻る]
◆電解研磨加工
1931年にフランスのJacquetにより発明された加工法で、電解液中に浸した電極と工作物に電圧を印加する方法により、陽極(+極)側の工作物を研磨する。加工中の表面に形成される粘性液層の働きによって、ミクロ凸部での加工速度がミクロ凹部よりも大きくなるために表面粗さが次第に改善されるのが加工原理と考えられている。 従来は、小さい工作物を一度に多数個処理するのに向いているが、取りしろが大きいため、精度を必要とする物には適さない。電解液として強酸や強アルカリを使用するので、作業者への危険と廃液による環境問題を伴っていた。このため、電解研磨装置を新規に設備するのは非常に難しい状況になっている。
今回の技術開発は、高電流密度における秒単位の電解加工現象を利用した高速化と、中性の電解液利用を組み合わせた手法で、それらを利用しやすい形でテクノナレッジネットワークの一環として公開した点に特徴がある。[参照元へ戻る]
◆加工技術データベース
旧機械技術研究所の生産システム技術の関連研究では、加工実験や解析を行い、そのデータを収集・蓄積し、技術データとして体系化する研究を進めてきている。 本加工技術データベースは、これまでの溶接や機械加工に関する実験データを集めたもので、ネットワークを介した問い合わせにより、シミュレーションや推論を行い、適切な加工方法や加工条件を提示するコンサルティング機能を有している。 製造知識情報資源として、5年前からRIODB(旧工業技術院研究情報データベース)の一環としてインターネット上に 公開しており、毎月1万件弱のアクセスを得ている。
今回の発表は、切削、溶接に加えて、研磨加工の技術データをとりまとめて発表したものである。[参照元へ戻る]
◆ものづくり先端技術研究センター
産業技術総合研究所の23研究センターの一つ【 センター長 小島 俊雄 】で、MT(製造技術)とIT(情報通信技術)の融合に関する7年間の研究開発プロジェクトを実施している。わが国の高い ものづくり力を支えてきた、熟練作業者の技能、特に加工技能に着目し、技能の技術化を押し進め、共有基盤として整備していくことが目標である。具体的には、<1>加工における技能をデジタル化する技術、<2>デジタル化された高信頼性、高精度な技術情報をインターネットで公開し、製造業で進化・改良することを可能にする情報処理基盤技術・システム化技術を開発する。こうした研究は、企業規模における情報格差に関する問題点など公的基盤技術としての性格や緊急性から国自ら行う必要があり、さらにその成果を情報ネットワークで展開することは、高い技術開発力と競争力の維持・向上に必要なものづくり環境を全国規模で実現することにつながる。そのために本研究センターは、産総研の機械・製造技術分野における研究開発ポテンシャルをベースに、公設試験研究機関や大学をはじめ、産業界との一体的な研究体制で臨むことにより、成果を随時産業界へ提供する速効波及型研究を行うことを目指している。[参照元へ戻る]


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