受賞

2007/10/31

「2007年グッドデザイン金賞」を受賞

-医療用物質生産を目的とした完全密閉型植物工場システム-

 

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川弘之】(以下「産総研」という)ゲノムファクトリー研究部門 植物分子工学研究グループ【研究グループ長 松村 健】の完全密閉型植物工場システムが、財団法人 日本産業デザイン振興会の「2007年グッドデザイン金賞」(経済産業大臣賞)に選出されました。

 完全密閉型植物工場システムは、抗ガン剤やワクチンなどの医療用物質生産目的で開発された遺伝子組換え植物を外界から隔離した完全人工環境下で栽培し、収穫物から医薬品原材料の抽出・精製までの一貫した工程を同一施設内で行える遺伝子組換え植物工場システムです。

 完全密閉型植物工場システムは、植物バイオ研究、遺伝子拡散防止安全技術、次世代型製薬システム、さらに高効率な野菜工場システムの開発を行なう世界で初の画期的なリサーチデザインモデルとして、高く評価され今回の受賞となりました。

 産総研のグッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)の受賞は初。グッドデザイン賞はアザラシ型ロボット「パロ」、赤外光音声情報端末「アイミュレットLA」に続き3回目。

 今回の完全密閉型植物工場システムは、今後進行する温暖化に向けて、持続可能な食ビジネスへの展開、検査、診断を超えた治療技術への展開を促す意味でも期待されています。

完全密閉型植物工場システム

完全密閉型植物工場システムの写真

 

■ 受賞品目および受賞理由等 ■ [詳細] http://www.g-mark.org/search/Detail?id=33912

受賞年度 2007年度
受賞番号 07D01022
部門 新領域デザイン部門
特別賞 金賞
受賞対象名 完全密閉型植物工場システム
産総研型GM植物工場システム
審査委員による評価コメント 医療用物質生産を主な目的に開発されたこの工場システムは、植物バイオ研究、遺伝子拡散防止安全技術、次世代型製薬システム、さらに高効率な野菜工場システムの開発を複合的、横断的に行なおうとする世界で初の画期的な研究デザイン施設である。こうした研究の合意形成のために、研究実証施設でありながら、研究の意義と成果を周知させるコミュニケーションデザインプログラムも導入されている。持続可能な食ビジネスへの展開、検査、診断を超えた治療技術への展開を促す意味でも、これから望まれる優れたリサーチデザインのモデルとして、社会的インパクトのある優れた提案といえる。

 

■ 関連情報 ■

 産総研 TODAY VOL.5 No.8 p.18 「新しい産学官連携のしくみを創設