産総研 - ニュース 受賞

2008/02/12

「朝日賞」を受賞

贈呈式の写真

 平成20年1月29日(火曜日)、東京・日比谷の帝国ホテルにおいて、2007年度朝日賞の贈呈式が行われ、産総研から湯浅新治氏(エレクトロニクス研究部門スピントロニクス研究グループ長)が、宮﨑照宣氏(東北大学教授)とともに「トンネル磁気抵抗効果(TMR)の発展と応用に関する研究」が評価され受賞しました。


受賞理由

写真(左)湯浅氏、写真(右)宮﨑氏 湯浅新治氏は、宮﨑照宣氏が初めて室温で実現したトンネル磁気抵抗効果(TMR)」(電子のトンネル効果を利用し、磁気によって物質の電気抵抗を大きく変化させる現象)をさらに発展させ、絶縁体に酸化マグネシウムを用いることによって、より大きな磁気抵抗比を持つTMRを実現しました。これらの成果は既に実用化され、近年のハードディスク容量の劇的な増加を技術面で支えているほか、電源を切っても記憶内容が消えない新しいタイプのメモリー(MRAM)の開発などへの応用も期待されているものです。

※朝日賞は1929年(昭和4年)に朝日新聞社が創設したもので、学術や芸術などの分野で傑出した業績をあげ、わが国の文化や社会の発展、向上に多大な貢献をした個人または団体に授与されます。


関連研究情報リンク:

スピン注入トルクの直接測定に成功
 - 次世代MRAMの開発を加速する新しい評価技術を確立 -(2007年11月26日 発表)

超高密度ハードディスク用の高性能TMR素子を開発
 - インチ当たり500ギガビット以上の高密度記録に対応できる磁気ヘッド技術 -(2006年05月09日 発表)

スピン注入磁気共鳴を利用したスピントルクダイオードを開発
 - 高感度マイクロ波検波器としての応用が期待される -(2005年11月17日 発表)

巨大なTMR(トンネル磁気抵抗)効果の発生メカニズムを実証
 - 世界最高の出力電圧550mVを達成 -(2004年11月1日 発表)

世界最高性能TMR(トンネル磁気抵抗)素子の量産技術を開発
 - ギガビットMRAMに必要な磁気抵抗比230%をスパッタ成膜法で実現 -(2004年9月7日 発表)

単結晶TMR(トンネル磁気抵抗)素子で世界最高性能を達成
 - 超高集積MRAMの実現に道筋 -(2004年3月2日 発表)