受賞

2008/11/17

つくば奨励賞2部門を受賞

受賞者写真

左:企画本部 渡部 司
  中央:(財)茨城県科学技術振興財団理事長 江崎玲於奈殿
  右:ナノチューブ応用研究センター 畠賢 治   

 平成20年10月10日(金)につくば国際会議場において、第18回つくば奨励賞の表彰が行われました。

 この表彰は、研究者の創造的な研究活動を奨励することを趣旨として、財団法人茨城県科学技術振興財団が主催しているもので、今回、産総研からは実用化研究部門において企画本部戦略経営室の渡部司総括主幹(計測標準研究部門長さ計測科幾何標準研究室付)、若手研究者部門においてナノチューブ応用研究センタースーパーグロースCNTチームの畠賢治研究チーム長が受賞しました。

 

 渡部司総括主幹
 受賞対象テーマ: 「角度標準の普及と自己校正機能付きロータリエンコーダの開発」

 2年という短期間で角度トレーサビリティ体系の頂点である国家標準器となるロータリエンコーダ自己校正装置の開発に成功し、その装置を改良することで、多種多様な角度計測器を1台で高精度に校正できる機能を持たせ、この装置を導入した企業が角度標準の第一号校正事業者となり、角度トレーサビリティ体系が確立さました。
 また、タイ国家計量標準機関(NIMT)においても、本研究の成果である装置を購入し角度トレーサビリティ体系の確立に着手しており、海外からも高い評価を得ております。
 このように、今回の受賞は国内外の角度計測機器の高精度化に大きく貢献し、社会や産業界の発展に寄与した点が評価されたものです。

 

 畠賢治研究チーム長
 受賞対象テーマ: 「スーパーグロース -革新的カーボンナノチューブ合成法」

  従来の1000倍となる超高効率合成の発見・開発において中心的役割を果たしました。この方法は従来の技術に比べ、数百倍の触媒効率(高さで500倍、時間効率で3000倍)となり、これは短時間で大量のナノカーボンチューブが合成できることを示しており、純度も現在最も普及しているHiPCo法カーボンナノチューブの2000倍となります。
 現在、最も工業的生産に向いているのは、この超高効率合成法であり、この技術をコアとして日本も含め複数の国の重点開発研究プロジェクトが開始されています。
 以上の成果により、単層ナノカーボンチューブが抱えていた複数の技術課題を同時に解決し、カーボンナノチューブ実用化に向けての大きなブレークスルーを成したことが評価されたものです。

授賞式の模様

会場の様子