受賞

2009/07/16

第34回井上春成賞を受賞

受賞者写真

 エレクトロニクス研究部門 スピントロニクス研究グループ 研究グループ長 湯浅新治 氏は平成21年7月15日に井上春成賞委員会(独立行政法人科学技術振興機構)より第34回井上春成(はるしげ)賞を受賞しました。

 井上春成賞は、大学や研究機関等の独創的な研究成果で、企業化した技術(販売実績があるもの)に対して毎年2件授与されます。今回の受賞技術は「酸化マグネシウム系トンネル磁気抵抗素子及びその量産技術」で、企業化開発を実施したキヤノンアネルバ株式会社の市川潤二(いちかわじゅんじ)代表取締役会長兼社長と共に受賞しました。

 湯浅氏は酸化マグネシウム(MgO)をトンネル絶縁層に用いたトンネル磁気抵抗素子(MTJ素子)を開発し,従来技術の2倍を超える画期的な高性能を実現しました。さらに、キヤノンアネルバ株式会社と共同でMgO-MTJ素子の量産技術の開発に取り組み、アモルファス層の上に結晶層を成長させる独創的な手法によりMgO-MTJ素子の産業応用を可能にしました。MgO-MTJ素子を用いたハードディスクドライブ(HDD)磁気ヘッドは2007年から製品化され、現在生産されているHDDのほぼ全てに搭載され、世界をリードするHDDの大容量化に貢献しています。