2009年8月19日(水)にオーストラリアのタウンズビルで開催された第10回鉱床地質学会(The Society for Geology Applied to Mineral Deposits(SGA))大会において、石原舜三産総研顧問がSGA-ニューモント-ゴールドメダルを受賞しました。この受賞は、この学会が1990年に発足して以来2人目の栄誉あるものです。
受賞理由 「花崗岩における金属鉱床の成因に関する科学的貢献」
石原顧問は、花崗岩マグマが固まる際の酸素含有量によって異なった金属鉱床ができることを発見し、その理論が普遍的で応用範囲が広いことからこの表彰となったものです。
日本海側と太平洋側の花崗岩周辺の金属鉱物の濃集分布が異なることから、この理論が見いだされました。プレート運動によって太平洋の海底下深く沈んだ堆積岩中の炭素が、花崗岩質マグマから酸素を奪うことで花崗岩が還元的になり、スズやタングステンを濃集します。そのようなことのない、日本海側では、花崗岩は酸化的なままで、磁鉄鉱を含み、モリブデンや銅、鉛、亜鉛などの鉱物鉱床が発達することになります。
この理論によって鉱床を探索することが容易になり、世界の資源開発に貢献しています。