2009/11/03
飯島澄男ナノチューブ応用研究センター長が文化勲章を受章
飯島澄男ナノチューブ応用研究センター長
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飯島 澄男 ナノチューブ応用研究センター長が平成21年度文化勲章受章者に選出され、2009年11月3日(火)に皇居で行われた文化勲章親授式において受章しました。
【分野】
材料科学
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【受賞理由】
材料科学の研究で優れた業績を挙げ、高分解能電子顕微鏡の開発とカーボンナノチューブの発見により、基礎と応用の両面にわたって多大な貢献をしました。
【業績】
飯島研究センター長は、1991年に高性能電子顕微鏡を用いて、当時、注目を浴びていたフラーレン分子を合成するアーク放電チャンバー中の電極堆積物の中から、直径が数ナノメートルの針状結晶を発見し、その構造が炭素原子のシートが円筒状になった構造であることを明らかにし、カーボンナノチューブと命名しました。
カーボンナノチューブを発見しただけではなくその構造を明らかにしたことは、カーボンナノチューブの電子的特性の理論的予測へと発展し、物理から化学、エレクトロニクス分野やエネルギー分野等の大きな広がりを持った研究分野を創出しました。
産業応用でも、キャパシターや高強度繊維など、様々な分野への応用が期待されています。
【現職】
独立行政法人産業技術総合研究所 ナノチューブ応用研究センター長
名城大学大学院 理工学研究科 教授
日本電気株式会社 特別主席研究員
【経歴】
飯島研究センター長は埼玉県出身で70歳。電気通信大学卒、東北大学大学院理学研究科博士課程を修了。1987年日本電気株式会社に入社、1991年にカーボンナノチューブを発見し、1998年から名城大学理工学部教授、2001年から産業技術総合研究所新炭素系材料開発研究センター(現ナノチューブ応用研究センター)研究センター長に就任。
【受賞】
ベンジャミン・フランクリン賞、バルザン賞、カブリ賞、アストゥリアス皇太子(スペイン)賞などの海外の賞、日本学士院賞・恩賜賞、文化功労者顕彰、 藤原賞などの国内の賞など数多くの賞を受賞しています。
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