受賞

2012/03/08

第8回日本学術振興会賞を受賞

末永 和知 上席研究員の写真
ナノチューブ応用研究センター
末永 和知 上席研究員

 平成24年2月27日に日本学士院において、第8回日本学術振興会賞の表彰式が行われ、当所のナノチューブ応用研究センター 末永 和知 上席研究員が受賞しました。

 日本学術振興会賞は、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を早い段階から顕彰し、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することにより、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させることを目的に、独立行政法人日本学術振興会が平成16年度に創設したものです。

受賞対象:「電子顕微鏡による単分子・単原子の観察および分析」

受賞理由:
 ナノテクノロジーに基づく新しい材料やデバイスの開拓には、分子・原子レベルで極微細構造を観測・分析する方法が不可欠である。
 末永上席研究員は、電子顕微鏡の低加速化・低収差化・高感度化・低損傷化など多くのハードウェア技術の開発に加え、高速な動的観察を可能とするソフトウェア開発を通して、単分子・単原子を可視化するための電子顕微鏡観測技術を確立した。さらに、単分子・単原子からの分光計測を世界に先駆けて開拓するなど、この分野の発展に多大な貢献を果たした。

 末永上席研究員の業績は、従来の電子顕微鏡が追求した高加速化による高分解能化と異なり、「低加速でも低収差化によって高分解能化を図る」という独自の着眼点に基づき、世界をリードする革新的な低損傷・高分解能電子顕微鏡技術を開発し、従来技術では達成できなかった個別分子の動的観察を可能にしたものである。その波及効果は大きく、さらなる発展が大いに期待される。