産総研 - ニュース 受賞

2012/04/23

平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞

 平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞)の表彰式が4月17日に文部科学省にて、平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(創意工夫功労者賞)の伝達式が4月20日に産総研東京本部にて、行われました。

 この表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とすることを趣旨として、文部科学省が主催しているものです。

平野文部科学大臣の写真
  平野文部科学大臣 ご挨拶

開発部門

計測標準研究部門

井原俊英 研究室長、齋藤剛 主任研究員

「革新的計量トレーサビリティ実現のための定量NMR法の開発」

 水素原子核を測定する核磁気共鳴法を高精度化させたことで、水素原子を含有するあらゆる標準物質の校正を可能とした。本成果により、国家標準が整備されていない化学物質においても計量トレーサビリティが確保された標準物質の供給が可能になり、化学分析で必要とされる標準物質のニーズに即応できる仕組みが構築できた。

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活断層・地震研究センター

澤井祐紀 主任研究員、宍倉正展 研究チーム長、佐竹健治 教授(東京大学)、行谷佑一 研究員、岡村行信 研究センター長

「日本海溝における巨大津波の復元方法の開発」

 過去の津波が残した「津波堆積物」に注目し、その分布範囲から貞観地震による津波の浸水域を復元した。さらに、化石の記録から地震時の地殻変動を推定した。これらの地質調査に基づいて数値シミュレーションを行い、貞観地震の規模をM8.4以上と具体的に示した。さらに、同様の津波が450年~800年間間隔で発生していたことを解明した。

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研究部門

電子光技術研究部門

伊豫彰 主任研究員

「高圧下反応制御による新高温超伝導体の創製に関する研究」

 高圧下では原料間の反応が短時間で進行するなどの特徴を最大限に利用することで、効率的な物質の探索が可能であることを実証した。実際に、高圧下(数万気圧)での精密な反応制御により、多層型銅酸化物や鉄砒素化合物において従来法では合成不可能なユニークな新超伝導体の創製に成功した。

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創意工夫功労者賞

計測標準研究部門 前島弘 研究員

「力の国家計量標準の範囲拡大と供給における改善」

 世界最大級の20 MN力標準機の開発に参画し、力標準の範囲を大幅に拡大した。力標準機の運転の自動化や校正方法の見直しを行い、校正を効率良く実施できるようにした。また、アジア太平洋地域の力標準の国際整合性を確保するのに貢献するなど、力計測の計量トレーサビリティ体系の整備と維持に貢献している。

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