概要
国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)の参加チーム「Bando_AIST_task4」は、国際的な音響イベント検出・分類技術の評価コンペティションIEEE AASP Challenge on Detection and Classification of Acoustic Scenes and Events (DCASE 2026 Challenge) の Task 4 「Spatial Semantic Segmentation of Sound Scenes(S5)」に出場し、チームランキングで優勝しました。
本タスクは、複数の音が同時に存在する空間音響シーンから、対象となる音イベントを検出し、それぞれの音源信号を分離する技術を評価します。世界の研究機関・大学・企業などから10チームが参加し、日常環境に含まれる音イベントを対象に、音源分離性能とラベル予測性能を組み合わせた評価指標に基づき、各システムの性能が評価されました。
今回の成果は、複数の音が重なり合う実環境において、必要な音を抽出し、その種類を認識するAI技術の高度化につながるものです。今後は、実環境音の理解、ロボット聴覚、音響モニタリング、補聴・音声強調などへの応用が期待されます。
「Bando_AIST_task4」チームの概要
名称:Bando_AIST_task4
参加者:坂東 宜昭、櫻井 舜、野﨑 雄斗、井本 桂右、大西 正輝
主な取り組み:
産総研チームは、時間周波数領域の音源分離モデルであるTF-Locoformerと、音響表現学習モデルATST-Frameを組み合わせた反復的な音源分離・分類システムを開発し、分離と分類を段階的に改善する構成により、空間音響信号中の複数音イベントを検出・分離するエンドツーエンドシステムを構築しました。
「DCASE 2026 Challenge Task 4」の概要
DCASE Challengeは、音響シーン分類、音響イベント検出、音源分離など、音環境理解技術の発展を目的とした国際的な評価型コンペティションです。
Task 4「Spatial Semantic Segmentation of Sound Scenes(S5)」では、10秒長の4チャンネル空間音響信号を入力として、最大3個の対象音イベントを検出し、それぞれの音源信号を分離する性能を競います。対象クラスには、Speech、BicycleBell、VacuumCleanerなど18種類の音イベントが含まれます。
名称:DCASE 2026 Challenge Task 4
タスク名:Spatial Semantic Segmentation of Sound Scenes
開催期間:2026年4月1日〜2026年7月1日
投稿締切:2026年6月15日(AoE)
結果発表:2026年7月1日
評価指標:CAPI-SDRi、ラベル予測精度など
公式結果:Bando_AIST_task4が第1位