お知らせ

お知らせ記事2022/10/11

次世代グリーンデータセンター用デバイス・システムに関する協議会 第一回公開シンポジウムを開催
-光電融合・省電力チップ・ディスアグリゲーション技術が拓く次世代グリーンデータセンター創出に向けて-

ポイント

  • 次世代グリーンデータセンター用デバイス・システムに関する協議会(以下協議会)が設立され活動を開始しました。
  • 協議会では光電融合技術、省電力チップ技術、ディスアグリゲーション技術といった個別技術開発事業者からバリューチェーン、データセンター事業者まで交えて社会実装に至る道筋を議論します。
  • 協議会の活動を広く社会に周知するために公開シンポジウムを開催します。

概要図

協議会体制図

 

概要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】(以下「産総研」という)プラットフォームフォトニクス研究センターは産総研コンソーシアム「次世代グリーンデータセンター用デバイス・システムに関する協議会」(以下「協議会」という)を令和4年4月1日に設立しました。協議会では次世代グリーンデータセンターに用いる「光電融合技術」、「省電力チップ技術」、「ディスアグリゲーション技術」の実用化を担う研究開発事業主体と、それらの実用化に必要なバリューチェーンやデータセンター事業者による情報共有、意見交換等を実施するために、社会実装推進部会、システムアーキテクチャ検討部会、光電コパッケージ技術検討部会の3つの部会を組織し活動を進めております。

協議会ならびにその活動を紹介するために2022年11月22日(火)にシンポジウムを開催致します。

 

背景(協議会について)

現在重要な社会インフラとなっているデータセンターは、今後取り扱いデータ量、演算速度のさらなる増強が求められています。同時に持続可能社会実現のため省エネルギー、カーボンニュートラルといった方向性も求められています。

これまで高速で複雑な演算を実施するためには高密度集積可能な電子回路が、情報伝送のためには高速信号を低エネルギー、低遅延で伝送できる光回路がそれぞれ用いられてきました。将来的に高性能化と省エネルギーの両立を図るためには個々のデバイスの省電力化に加えて、これらのデバイスをより効率よく協調動作させる必要があります。それには従来個別に利用されてきた電子回路と光回路を光電融合技術により緊密に連携させ、両者の長所である演算能力と伝送能力を最大限に発揮することが必要不可欠であると考えられています。これらの技術を次世代グリーンデータセンターとして社会実装するためにはバリューチェーンの見直しやデータセンター事業者等と連携を行い、データセンターとしてのあるべき姿を議論してくことも不可欠です。

そこで産総研では光接続技術と省電力技術を基盤とした次世代グリーンデータセンターに寄与する研究開発を促進するため、産総研コンソーシアム「次世代グリーンデータセンター用デバイス・システムに関する協議会」を設立し、以下の3つの部会を主軸として活動を行い、日本のデバイス・システムの国際競争力の強化を目指しております。

  1. システムアーキテクチャ検討部会: 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という) グリーンイノベーション基金事業/次世代デジタルインフラの構築 【研究開発項目3】次世代グリーンデータセンター技術開発 のうち要素デバイス省電力化、光配線技術、ディスアグリゲーション技術の開発として2021年度に採択された6社(*)と再委託先の産総研を加えたメンバーにより光電融合技術、省電力チップ技術、ディスアグリゲーション技術の議論を行います
  2. 光電コパッケージ技術検討部会: 産総研が技術組合PETRAのメンバーとして2012年から2021年度までNEDO光エレクトロニクス実装プロジェクトで開発をしてきた光電コパッケージ技術をベースに基板メーカー、部材メーカー、実装・計測技術企業等をメンバーとして光電コパッケージ産業の知見の共有、今後の発展の方向性ならびに連携に関する議論を行います
  3. 社会実装推進部会: 上記二つの検討部会のメンバーに加え次世代グリーンデータセンターを実用化するために必要なバリューチェーン関連企業をメンバーとし、さらにデータセンター事業に関わる方々をアドバイザリ会員として迎え、真に社会に必要とされるデータセンターについて広く情報を集め技術開発の方向性を包括的に議論します

(*) 富士通株式会社, アイオーコア株式会社, 富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社, 京セラ株式会社, 日本電気株式会社, キオクシア株式会社

協議会体制図

 

シンポジウムについて

2022年4月1日に発足した本協議会は、まずシステムアーキテクチャ検討部会、続いて社会実装推進部会を設置し、参加会員企業の募集を進め7月22日に総会、8月26日の光電コパッケージ技術検討部会キックオフをもって3つの部会からなる協議会の本格的な活動が始動しました。

この度、本協議会が取り組んでいく方向性を広く社会に周知するために、一般への公開シンポジウムを開催することになりました。基調講演、特別講演では講師を招きデータセンター関連の技術・市場動向についての話題提供を、続いて本協議会から活動の紹介をします。

 

シンポジウム内容

  • タイトル : 第1回 次世代グリーンデータセンター用デバイス・システムに関する協議会シンポジウム
    ~光電融合・省電力チップ・ディスアグリゲーション技術が拓く次世代グリーンデータセンター創出に向けて~
  • 日時 : 2022年11月22日 (火) 13:00-17:00
  • 場所 : JR川崎タワーオフィス棟 (JR川崎駅西口から徒歩3分) 20階M202・M203会議室
    神奈川県川崎市幸区大宮町1-5  ならびにオンライン会議
  • 申し込み : シンポジウムジム開催案内ページのリンクからお申し込みください
    (締め切り  2022年11月17日(木)) (http://unit.aist.go.jp/pprc/gdc/event/2022_sympoium_notice/index.html)
  • 参加費 : 無料
  • 備考 : 協議会会員以外はオンライン参加とさせていただきます
 

協議会の各部会長、分科会長による活動のご紹介の他、NTTコミュニケーションズ 梶村副社長による「GX戦略に資する次世代グリーンデータセンターの推進」と題する基調講演に続き、富士通 安島プリシパルアーキテクト、NTT 富澤 デバイスイノベーションセンター長による特別講演、エヌビディア 永田シニアマネージャによるアドバイザリ講演を予定しております。

プログラムの詳細、ならびに申し込み方法はweb(https://unit.aist.go.jp/pprc/gdc/event/2022_symposium_notice/index.html)をご覧ください。

 

用語解説

ディスアグリゲーション技術
通信、演算等の要素機能を分割・モジュール化し、構成したいシステムに合わせて最適に組み合わせることができるようにする技術 [参照元へ戻る]
光電コパッケージ技術
LSIへ電気信号/電力供給と高速な光信号接続を同一基板上で可能とするパッケージング技術 [参照元へ戻る]
 

本件問い合わせ先

国立研究開発法人 産業技術総合研究所
広報部 報道室
TEL:029-862-6216 FAX:029-862-6212
E-mail:hodo-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)