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お知らせ

2018/10/25

新たな研究拠点「柏センター」を設立
-来年4月の本格稼働に向けて組織体制を整備-

ポイント

  • 新たな研究拠点「柏センター」を、平成31年4月の本格稼働に先立ち、平成30年11月1日に設立
  • 人間拡張技術の研究を中核とした産学官一体の研究拠点を構築する

概要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という。)は、平成30年11月1日に新たな研究拠点である「柏センター」(千葉県柏市 国立大学法人 東京大学 柏IIキャンパス内)を設立いたします。

「柏センター」は、医療・介護分野などさまざまな個別分野データの①収集・管理、②解析、③2次提供を行うデータ基盤の構築や、AI技術を搭載した機器などの試作・実証・評価環境の整備などを通じ、Society5.0の基盤をなす、人がもつ感覚や運動機能を補綴(ほてい)・拡張・増強しようとする学術分野である「人間拡張技術」を中核とした研究を推進します。多様な業界からの参画を得た産学官一体の研究拠点を構築することで、AI技術の社会実装の加速化を目指します。

「柏センター」には、新たな研究推進組織として「人間拡張研究センター」を設置します。また、「柏センター」で行われる研究を支援するため、「研究業務推進室」および「産学官連携推進室」を設置するとともに、産総研が平成30年度より開始した「産総研デザインスクール」の運営準備を行う組織として「デザインスクール準備室」を設置します。

体制図
柏センターの体制図

設立の経緯

平成28年8月2日付で閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」において、IoT、人工知能などの技術の進展を背景として、人工知能に関する研究拠点を整備し、社会実装を推進することとされ、平成28年度第2次補正予算「人工知能に関するグローバル研究拠点整備事業」を産総研で実施することとなりました。同事業の実施のため、産総研は、平成29年3月24日付で、国立大学法人 東京大学および経済産業省 産業技術環境局と「(仮称)グローバルAI研究拠点」に関する協定を締結し、東京大学 柏IIキャンパス内への研究拠点の整備を進めてきました。

【参考】
産総研 ニュース(平成29年3月31日)
東京大学、経済産業省産業技術環境局と産業技術総合研究所が「(仮称)グローバルAI研究拠点」に関する協定を締結
 -「AIものづくり」を推進するオープンイノベーション・ハブ拠点を構築-

今般、平成31年4月の本格稼働に先立ち、研究推進体制をいち早く構築するため、組織を設立するに至りました。

柏センターの施設について

「柏センター」の施設は、研究棟(「社会イノベーション棟」)とサーバー棟(「AIデータセンター棟」)から構成されます。

社会イノベーション棟には、人間・環境計測やIoTセンサー・デバイス開発のための設備が整備され、「人間拡張研究センター」が中心となって研究活動を行います。AIデータセンター棟には、平成30年8月1日より本格運用を開始した大規模AIクラウド計算システム「ABCI」が構築されています。

図
社会イノベーション棟(完成予想図)
図
AIデータセンター棟(建物以外はCG)

本格稼働に向けて

平成30年11月には社会イノベーション棟の完工を予定しています。社会イノベーション棟の完工後は順次研究設備などの導入を行い研究環境の整備を進め、一部研究を開始し、平成31年4月から本格的な研究活動や連携活動を実施します。

柏センターにおける研究などの内容

新たな研究推進組織となる「人間拡張研究センター」は、「人間+知能機械」というシステム構成で人間単独の時よりも能力を拡張し、かつ、その知能機械の継続使用によって人間自身の能力も維持・増進できるシステムの研究、それらを社会実装するためのサービスの研究を行うことを目的とします。これによって、人間が本来持つ能力の維持・向上(体力、共感力、伝達力など)、生活の質の向上(満足度、意欲など)、社会コストの低減(医療費、エネルギー、未使用製品など)、産業の拡大(製造業のサービス化の推進、IoTを用いて生活データを蓄積し、AIで価値ある知識とする知識集約型産業の創出)を目指します。このために、人間の能力を拡張する技術の研究開発、人間単独、「人間+知能機械」システムの能力を計測・評価する基盤技術の研究開発、人間の能力拡張によってもたらされるリスク、社会価値、産業価値の評価技術開発と、産業エコシステムとして包括的にデザインする方法論の体系化、を研究課題に据えています。産総研 情報・人間工学領域とエレクトロニクス・製造領域からデバイス、ロボット、人間計測、サービス、デザイン、経営学の研究者を集約、融合して、七つの研究チームで研究を展開します。

図
人間拡張研究センター 研究のねらい

また、「デザインスクール準備室」は、社会イノベーションをけん引する産学の人材を育成する「産総研 デザインスクール」の開校を視野に、スクール運営に係る業務などについて適切な管理体制を構築すべく、「柏センター」に設置されます。これに先行して現在、昨今の「デザイン思考」の概念を取り入れた、社会イノベーションの実践に関する研究活動・協働プロジェクト活動を実際に行う人材育成プログラムを実施するための、試行事業を行っているところです。

用語の説明

◆大規模AIクラウド計算システム「ABCI」
産総研 人工知能研究センターと産総研・東工大 実社会ビッグデータ活用オープンイノベーションラボラトリが設計・開発を行った計算システム。高性能で省電力の最新GPUを4352基搭載し、高温になる演算処理装置などをAIデータセンター棟が供給する外気に近い温度の冷却水で直接冷却する。 [参照元へ戻る]

【参考】
プレスリリース(平成30年6月26日)
大規模AIクラウド計算システム「ABCI」がスパコン性能ランキング世界5位
 -大規模で省電力のクラウド型計算システムで高度な人工知能処理を可能に-

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