産総研 - ニュース お知らせ

お知らせ記事2013/12/02

新たな共用施設利用制度の運用を開始
-スーパークリーンルームの企業などによる利用を促進-

ポイント

  • 利用約款に基づいた申請・回答の手続きで簡単に利用可能
  • 利用により発生した知的財産権は原則として利用者に帰属
  • 半導体関連企業などへの研究開発支援の充実と促進に期待

概要

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)は、産総研の研究施設と成果の一体的な利用を促進するため、新たな共用施設利用制度の運用を平成25年12月1日より開始し、企業などに利用しやすい制度とした。本制度では、LSI量産工場に匹敵し、国内公的研究機関では最大規模のスーパークリーンルーム産学官連携研究棟(以下「SCR」という)を当面の利用対象とし、企業などにおける研究開発に関連した事業活動での一層の活用と、産総研のオープンイノベーションハブ機能の強化を目指す。本制度は、つくばイノベーションアリーナナノテクノロジー拠点(TIA-nano)事業強化の一環として整備され、特にSCRの利用促進により、半導体関連企業などへの研究開発支援の充実と促進が期待される。

 今回の制度での対象施設・装置は、SCRに設置されている約100台の半導体製造装置であるが、今後、産総研の研究成果が活用されている他の大型研究施設、特殊装置などにも適用の範囲を広げていく予定である。

 本制度の主な特徴は以下の通りである。


1.利用約款に基づいた申請・回答ベースの簡便な利用手続き

2.利用により発生した知的財産権は原則として利用者に帰属

3.明瞭な秘密情報管理ルールの遵守

4.単価表ベースによる利用料金で、利用コストの見通しが容易

新たな共用施設利用制度のご案内ページ
http://unit.aist.go.jp/tia/orf-co/scr/
新たな共用施設利用制度のご案内ページのイメージ画像
 

用語の説明

◆スーパークリーンルーム産学官連携研究棟(SCR)
3,000 ㎡のスーパークリーンルーム(空気清浄度 クラス3(JIS規格))と1,500 ㎡の研究クリーンルーム(空気清浄度 クラス5)を備え、研究用のクリーンルームとしては世界トップクラスを誇る産総研保有の研究棟。この施設では現在、直径300 mmのシリコンウエハーを用いた一貫試作ラインとシリコン以外のさまざまな材料に対応できる試作設備を利用して、三つの最先端研究開発支援プログラムを含む複数の研究開発プロジェクトが実施されており、総勢200名を超える人員が集結し、我が国最大級の産学官連携研究拠点としての活動を推進している。[参照元へ戻る]
◆オープンイノベーションハブ
産学官の多様な関係者が集結し、お互いの技術やアイデアを融合・発展させ、新しい産業を生み出す中核地点。
産総研では、自らの強みである 1)多様な分野の研究人材、2)先端的インフラ、3)研究成果の蓄積に基づき、4)技術融合による新たな技術シーズの創生、 5)研究と教育による実践人材育成、6)地域の拠点とそのネットワークを生かし、開かれた研究拠点の形成や大型連携の推進、生じた成果のより円滑な産業化に向けた取り組みを強く進めている。[参照元へ戻る]
◆つくばイノベーションアリーナナノテクノロジー拠点(TIA-nano)
TIA-nanoは、世界水準の先端ナノテク研究設備・人材が集積するつくばにおいて、産総研、独立行政法人 物質・材料研究機構、国立大学法人 筑波大学、および大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構が中核となり、さらに産業界が加わって、世界的なナノテクノロジー研究・教育拠点構築を目指すものであり、2009年6月に発足した。
TIA-nanoは、2010年6月に閣議決定された『新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~』においても「21世紀の日本の復活に向けた21の国家戦略プロジェクト」の中の一つに位置付けられており、今後ナノテクノロジーに係る研究開発・人材育成活動を軸に、我が国だけでなく世界的なイノベーションエンジンとなることが期待されている。[参照元へ戻る]