大規模施設でのイベントにおいては、観戦時の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクを把握し、低減することが重要です。
これまで、産業技術総合研究所(以下、産総研)は、政府、公益財団法人日本サッカー協会(以下、JFA)と連携して、サッカースタジアムにおける政府「ワクチン・検査パッケージ」に関する技術実証*(10月12日: FIFA ワールドカップカタール 2022 アジア最終予選)やスタジアムの最大収容人数に対して入場者収容率100%の定員**で実施された天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会 準決勝および決勝において、観戦時の観客のマスクの着用の有無や応援方法、スタジアム内の歓声などを評価する調査を実施してきました。
このたび、産総研は、JFAが主催するFIFA ワールドカップカタール 2022 アジア最終予選において、入場者間の平均距離、観戦時の観客のマスクの着用の有無や応援方法、スタジアム内の歓声などを評価する調査およびCO2濃度計測器を活用したスタジアム内の密の程度の評価を実施します。また、リアルタイムでのマスク着用率やCO2濃度計測を実施し、スタジアム内での感染予防に関する情報発信も進めて参ります。
なお、本調査は、新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボ***および地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門地圏化学研究グループ、情報・人間工学領域 人工知能研究センター社会知能研究チームおよびエネルギー・環境領域 安全科学研究部門リスク評価戦略グループの3領域が連携して実施します。
*内閣官房「ワクチン接種が進む中における日常生活の回復に向けた特設サイト」
https://corona.go.jp/package/
**政府の方針である「イベント開催等における感染防止安全計画等について」に基づき、JFAが開催地自治体に「感染防止安全計画」を示し、その内容が承認されたことによる定員。今後の感染状況などにより、緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置などが発出された場合は、政府・自治体の方針に従い収容率(入場者数)の変更や、ワクチン・検査パッケージなどに変更となる可能性がある。
***新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボ
2021年12月20日に設立された産総研の融合研究ラボ。5つの研究領域を横断的に融合した研究ラボで新型コロナウイルス感染リスクを総合的に計測・評価する研究を推進。
詳細は、新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボホームページを参照
観客席を撮影するカメラ画像は、個人が特定できない程度の解像度で取得し、個人の特定はいたしません。また、音響センサは、個々の音声ではなく喧騒の計測のために用い、個々の人の声についての音声認識や会話記録は行いません。なお、得られた画像や音声などの情報は、本研究用途以外に使用することはありません。調査についてご不明点がありましたら、下の問い合わせ先にご連絡ください。
試合
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日程
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会場
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カメラ撮影
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レーザーレーダー
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マイクロホンアレイ
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CO2測定
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FIFA ワールドカップカタール 2022 アジア最終予選 |
2022/1/27 |
埼玉スタジアム2002 |
実施 |
実施 |
実施 |
実施 |
FIFA ワールドカップカタール 2022 アジア最終予選 |
2022/2/1 |
埼玉スタジアム2002 |
実施 |
実施 |
実施 |
実施 |
FIFA ワールドカップカタール 2022 アジア最終予選 |
2022/3/29 |
埼玉スタジアム2002 |
実施 |
実施 |
実施 |
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成果の発表方法
本調査を元とした研究成果はホームページなどにて一般の方にも分かりやすく報告します。得られた知見はJFAおよび自治体などと共有して今後の大会運営に生かしていきます。また、詳細な研究成果については論文などで学術的な発表を行う可能性があります。
お問い合わせ先
広報部報道室
Eメール:hodo-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)