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お知らせ

2022/01/01

2022年 年頭ごあいさつ

年頭所感の石村理事長画像
 

あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

平素は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)の活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
年頭にあたり、まずは一昨年より続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の全世界的な流行により病に苦しんでおられる皆様、また、これに伴う経済・社会活動の停滞によりご苦労されているすべての方に、心からお見舞いを申し上げます。

昨年も、COVID-19の流行が猛威を振るい続けた一年でした。感染の急拡大が招いた幾度かの緊急事態宣言により、テレワークやオンライン会議をはじめとする「新たな日常」が定着し、人々のライフスタイルは大きく変容しました。わが国の感染者数は昨年10月から減少傾向ではあるものの、新たな変異株の報告など、いまだ予断を許さない状況が続いています。産総研はこれからの「ウィズ・コロナ社会」を見据え、感染拡大防止と経済社会活動の両立を可能とするさまざまな研究活動や技術開発を続けてまいります。

また昨年は、東日本大震災から10年の節目の年でもありました。 震災は東北地方を中心に甚大な被害をもたらしましたが、人々の弛まぬ努力の結果、復興・再生が進んでいます。震災復興と再生可能エネルギーに関するイノベーション創出を目的に、2014年に設立された産総研「福島再生可能エネルギー研究所(FREA)」も、これまでに福島、岩手、宮城3県の延べ270社以上の企業に対して技術支援を行い、被災地域での新産業創出に貢献しています。

加えて、今後30年以内の発生確率が高いとの警鐘が出されている南海トラフ巨大地震への対策と備えも必要です。産総研は、地殻活動の解析手法を独自開発し、国へのデータ提供と、技術の高度化の研究を続けています。

このように、日本は多くの自然災害に悩まされ、さまざまな社会課題にも直面していますが、それらの多くは人々の英知があれば決して乗り越えられないものではありません。産総研には、科学技術の力で課題解決に貢献することが期待されており、私たちは昨年度から始まった第5期中長期計画において、「社会課題の解決」をミッションの一つに掲げました。
しかし、研究によって技術シーズを生み出すだけでは社会課題の解決にはつながりません。それが企業によって製品やサービスの形で社会実装されてはじめて、広く社会にとって有益なものとなり、人々に豊かな生活や幸せをもたらすこととなります。私たちが生み出した革新的な技術が企業の中で競争力の高い事業に育ち、「産業競争力の強化」へとつながる。これもまた、産総研の重要なミッションの一つです。しかしながら、私はこの二つの大きなミッションに対して、現在の産総研はまだまだ力不足であると認識しています。

昨年9月に制定した「第5期 産総研の経営方針」は、このような問題意識を踏まえて 産総研が導いた一つの道しるべです。この経営方針の中で、産総研は2030年度以降の将来像として、「ナショナル・イノベーション・エコシステムの中核」となることを目標に掲げました。産総研が中心となって、各々の分野で強みを持った大学・公的機関や企業と連携・協力しながら、基礎研究で生まれた技術シーズをシームレスかつ迅速に社会実装へ導く。そして、生じた利益を還流し、次なるシーズ創出につなげる。このサイクルを繰り返すことで、次々とイノベーションが生み出されるエコシステムを日本の中に作り上げたいと考えています。その第一歩として、産総研は2024年度までに産総研が中核となるナショナル・イノベーション・エコシステムの「プロトタイプの構築」を目指します。

そのためには、産総研がさらに魅力ある組織になること、すなわち産総研の価値向上が不可欠です。そのための取り組みの一つが、昨年制定した「産総研ビジョン」です。これは、多くの職員が議論に参加し、ボトムアップによって作り上げた産総研の目指す姿、ありたい姿です。職員一人一人がこのビジョンに共感することが、産総研の総合力、チーム力を発揮するための出発点だと考えています。私たちは、本年も産総研ビジョン『ともに挑む。つぎを創る。』を胸に、ナショナル・イノベーション・エコシステムの中核となるべく、役職員一同、努力してまいります。また、社会から信頼される公的研究機関であり続けられるよう、職員一人一人が高い遵法精神と倫理観をもって行動してまいります。

最後に、皆様方のご健勝をひとえに祈念いたしますとともに、今後とも産総研の活動にご支援、ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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国立研究開発法人産業技術総合研究所