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お知らせ記事2021/04/09

国立競技場での新型コロナウイルス感染予防のための調査について

掲載日:2021/4/9

調査概要

スタジアムのような大規模施設でのイベントにおいては、観戦などに訪れる観客だけでなく、選手やスタッフのクラブハウスやスタジアムにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクを把握し、低減することが重要です。

これまで、産業技術総合研究所では、国立競技場をはじめとしたスタジアム、球場などで観客・選手やスタッフの感染予防のための調査を進めてきました。

このたび、国立競技場および日本サッカー協会(JFA)の協力を得て、4月11日(日)に国立競技場で開催されるサッカー女子国際親善試合において、リアルタイムCO2濃度計測器を活用した密の程度の評価、カメラを設置し入場者のマスクの着用の有無、応援方法などの行動を評価することに加えて、マイクロホンアレイを用いたスタジアム内の歓声などの評価の実証試験を開始します。また、取得したデータをもとにしてスタジアムで実施される各種対策の効果の評価を実施するとともに、1月4日に国立競技場で開催されたYBCルヴァンカップ決勝や他のスタジアムのデータとの比較をすることで、より安全に観戦できる環境づくりに協力できると考えています。

なお本調査は、地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門地圏化学研究グループ、情報・人間工学領域 人工知能研究センター社会知能研究チーム、エネルギー・環境領域 安全科学研究部門リスク評価戦略グループの3領域の連携により実施します。

調査内容

  • カメラによる領域の矩形。拍手、万歳、ハイタッチなど10種類程度の行動の推定。マスク着用率およびマスク不着用の状況の把握。
  • マイクロホンアレイによる観客席の応援状況などを把握。スタジアム環境下では、観客の応援音声だけでなく、鳴り物やアナウンスなどさまざまな音が計測の妨害音として存在するが、このような環境下でのアレイ信号処理の技術的な適用可能性を探る。
  • リアルタイムCO2濃度計測器によるスタジアム内での密の程度の評価。
図

設置機器:左からハンディカメラ、マイクロホンアレイ

個人が特定できない程度の解像度によるカメラ画像を用いることにより顔の認識による個人の特定はいたしません。また、マイクロホンアレイは、個々の音声ではなく喧騒の計測のために用い、個々の人の声についての音声認識や会話記録は行いません。なお、本研究用途以外に使用することはありません。

お問い合わせ先

広報部報道室
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