発表・掲載日:2002/11/11

二酸化炭素、メタンと金属から、無公害の硬質膜被覆技術を開発

開発のポイント

  • 金属と二酸化炭素及びメタンを原料とし、反応性スパッタリング法で硬質の金属オキシカーバイドを合成する無公害の硬質膜被覆技術を開発した。
  • 金属オキシカーバイドの合成時に少量の希ガスを混入し、二酸化炭素のイオン化を促進させることでタングステンオキシカーバイド被覆を作製できた。
  • クロム、モリブデンのオキシカーバイドは、耐食性、耐磨耗性に優れ、タングステンオキシカーバイドは最も硬質で耐摩耗性に優れていて、ハードコーティング材料としての普及が期待されている。


概要

 近年は、環境に無害な材料開発が社会から強く求められており、他方、資源の有効利用の観点から、長寿命で信頼性が高く、安心して使用できる材料表面の硬質膜被覆技術の開発が求められている。
 そこで、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の表面に強固な被膜を形成することが可能な金属オキシカーバイトが注目されている。金属オキシカーバイドは金属と酸素及び炭素からなる化合物で、特に、金属としてモリブデン、タングステンを含むオキシカーバイドは非常に硬質で、ハードコーティング材料として極めて有望である。しかしながら、従来の製造法では、環境に有害な金属ヘキサカルボニルが用いられており、これに替わる無害な製造法の確立が求められている。
 当研究部門では、このたび、金属と二酸化炭素及びメタンを原料とし、反応性スパッタリング法で硬質の金属オキシカーバイドを合成する無公害の硬質膜被覆技術を開発した。

問い合わせ

産業技術総合研究所 中国センター 
産学官連携センター 成果普及・技術情報担当 小栗
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