【募集要項】計量標準総合センター<5日間インターンシップ>

以下の募集要項をご確認いただき、イベント情報ページに記載のとおりご応募ください。

※本インターンシップは、タイプ3:汎用的能力活用型インターンシップに該当します。
プログラムの趣旨(目的)
 日本最大規模かつ世界最先端の研究開発を行う産総研は、修士卒が研究職として活躍できる研究所です。
産総研が設置する8つの研究推進組織の1つが「計量標準総合センター」です。
「計量標準総合センター」は日本の国家計量標準機関として、国内の経済・産業・及び医療や食品など、あらゆる社会活動に必要とされる「長さ」や「質量」などの『計量標準』を開発・維持・供給すると共に、各国の計量標準機関と共に不変・普遍なものさしの整備に貢献しています。(計量標準総合センターHP:https://unit.aist.go.jp/nmij/

 本インターンシップでは、「産業技術総合研究所」と「計量標準総合センター」、『計量標準』について理解を深めていただくとともに、研究現場において"計測の実習"などを行っていただき『計量標準』の研究開発の一端を実際に体験していただきたいと考えています。また、実際に研究開発を行っている研究者と直に接し"意見交換"などを行う事で、研究現場で働く"研究職員の日常"を体感していただき、"研究開発を行う職場"について、より深く興味を持っていただければと考えています。また、最終日に実施する「成果発表会」に向けては、計測結果の考察、プレゼン資料の作り方、発表方法等についての助言や指導を受け、研究者に必要とされる事項や心構えなども学んでいただきたいと考えています。

 本インターンシップに参加することで、ご自身の未来の選択肢に「研究者」を加えていただけますと幸いです。   
実施時期・期間 日程:2025年8月4日(月)~8月8日(金) <5日間> 
・所内宿泊施設に泊まり込みで⾏います。(宿泊費全額支給)
・弊所旅費規程に基づき交通費を支給します。 
・給与は支給いたしません。
実施場所 産総研つくばセンター(茨城県つくば市)
募集人数 15名程度
選抜方法 エントリーシートによる書類選考
無給/有給等 【報酬】支給なし
【交通費】支給あり(弊所旅費規程に基づき、交通費を支給いたします。)
【宿泊費】支給あり(所内宿泊施設の利用料金については、全額を支給いたします。)
就業体験の内容
(受入れ職場に関する情報を含む)
1.産総研の概要に関する学習
組織概要、業務内容、ミッション等の学習により、社会における産総研の役割・立ち位置を理解していただきます。

2.計量標準の概要に関する学習
計量標準及び計量標準総合センターの概要、業務内容、ミッション等の学習により、計量標準について理解していただきます。

3.安全に関する学習
産総研職員が業務を実施する前に必ず受講しなければならない研修を受講していただきます。
①基礎講習:環境安全衛生
②基礎講習:廃棄物講習
③専門安全講習(化学物質_従事者編)
④専門安全講習(高圧ガス_従事者編)
⑤専門安全講習(放射線_取扱基礎編 他)
※上記講習のうち、①と②は実習生全員が同時に受講。③~⑤は実習内容に応じて各コース毎に必要な講習を受講。

4.情報セキュリティに関する学習
産総研職員が業務を実施する前に必ず受講しなければならない研修を受講していただきます。(実習生全員が同時に受講。)

5.研究職員との意見交換会(1回目)
実習生が配属先研究グループの研究職員、採用1年目~4年目の修士型採用の研究職員、修士採用後に博士号を取得した職員など比較的若い研究職員を中心とした意見交換会を実施します。緊張を和らげ、翌日からの実習を円滑に行うためのコミュニケーション作りの場として、また、先輩研究職員が職場環境や生活環境など、実習生の疑問に答えることで、実習生が実際の研究活動をイメージし易くするための場として活用していただきます。
※上記1.から5.まではインターンシップの初日に実施します。

6.実習(3日間)
※本インターンシップでは、以下7つのコースから1つを選択し、実際の研究室で実習体験をしていただきます。

➀光学素子のナノレベル形状計測に関する研究開発
(工学計測標準研究部門 長さ標準研究グループ)
「長さ」は日常生活や製造現場において最も頻繁に測定される量の一つである。長さ測定で用いられるノギスやマイクロメータなど多くの測長器は、ブロックゲージを基準とすることで、その信頼性を確保している。本実習では、ブロックゲージ校正装置である光波干渉計に触れ、その測定原理を理解するとともに、光波干渉計によるナノメートル精度でのブロックゲージ校正を体験する。

➁B5G/6G普及に向けたミリ波・テラヘルツ波帯アンテナ計測に関する研究開発 
(物理計測標準研究部門 電磁界標準研究グループ)
次世代移動通信B5G/6Gの実現には、ミリ波・テラヘルツ波帯アンテナの性能を正確に測る技術が不可欠である。産総研では、330 GHzまでのアンテナ利得や放射指向性を測定できる国内トップクラスの最先端設備(外挿法アンテナ利得校正装置、近傍界スキャナ、コンパクトレンジなど)を保有している。
本インターンシップでは、これらの最先端設備を実際に操作し、プロフェッショナルなアンテナ計測に挑戦する。具体的には、Kaバンド標準ゲインホーンのアンテナ利得測定や、40 GHz帯ゲインホーンの放射指向性測定など、リアルな計測業務を体験する。さらに、測定原理の基礎を専門家から直接学び、Pythonを用いたデータ解析や計測器制御スクリプトの作成にも取り組む。
                    
③ナノ粒子の計測技術および計量標準に関する研究開発
(物質計測標準研究部門 粒子計測研究グループ)
半導体デバイスの微細化に伴って製造プロセスの難易度が高まる中、薬液中の異物として検出・計測すべき粒子の粒径は、数ナノメートルにまで縮小している。本インターンシップでは、認証標準物質の粒径値付けに用いられる電気移動度法を学ぶとともに、サンプルの前処理から測定装置の調整、測定、解析までを実習する。

➃加速器中性子を用いた中性子計測技術と計量標準の研究開発
(分析計測標準研究部門 放射能中性子標準研究グループ)
中性子は、電荷を持たない粒子であり、原子力発電に加え、その透過力を生かして材料分析に利用したり、病院の放射線治療でも利用される。放射線作業や治療において不必要な被ばくを避けるため、中性子の線量を正確に測ることが求められている。本インターンシップでは、加速器による中性子発生を体験し、複数の原理の中性子検出器を実際に動かして、中性子の数やそのエネルギー分布を測定・解析するなど、研究の一端を経験する。また、非破壊計測などの放射線利用の研究開発現場も見学する。

⑤固体線量計を用いた線量評価技術の開発
(分析計測標準研究部門 放射線標準研究グループ)
医療用リニアック装置において、高エネルギー光子線や電子線をアラニン線量計に照射し、照射した線量を決定する実習を行う。
照射後、アラニン線量計をESR装置を用いて読み取り、測定結果から、実際に照射された線量を決定する。

⑥中性子・X線を用いた非破壊計測技術
(分析計測標準研究部門 先進ビーム計測研究グループ & レジリエントインフラ実装研究センター 非破壊イメージング技術研究チーム)
対象物の中を非破壊で観察できるX線や中性子による非破壊計測技術は、先端的な材料や製品の開発などのために用いられている。本インターンシップでは、中性子やX線を用いた先端非破壊計測技術の原理を学び、データ解析などの体験を行う。

7.研究職員との意見交換会(2回目)
※実習最終日に実施します。  
実習生と計量標準総合センターの研究部門長、研究グループ長等との意見交換会を実施します。実習生が3日間の実習で学習したことや、疑問に思ったこと、感じたことなどを研究部門長等と率直に話せる場を設けることで、産総研計量標準総合センターへの理解度を深めていただきます。また、翌日実施する成果発表会の緊張を和らげる場として活用していただきます。

8.成果発表会
※実習グループごとに、実習で学んだ内容を資料にまとめて発表していただきます。発表後には質疑応答を行い、理解をさらに深めていただく予定です。
※発表会終了後に修了証書の授与式を行います。
就業体験を行う際に必要な能力 ・大学院修士課程に在学中の方(理系の6年制カリキュラムを含む)、または修了された方
・研究開発に興味がある⽅
・全⽇程参加可能な⽅
・2人部屋または3人~4人部屋に宿泊可能な方(基本的に「ツインルーム」か「ファミリールーム」の宿泊になります。)
インターンシップにおける
フィードバック
・指導担当研究者、成果発表会聴講者から適宜フィードバックを実施。
・定員の関係でインターンシップの選考に漏れた方を対象に産総研及び計量標準に関する学習会(時期未定)を実施し、産総研と計量標準について理解を深めていただく。
・実習生及びインターンシップの選考に漏れた方には、計量標準総合センター成果発表会(1月下旬~2月上旬に実施)の開催案内を出す。先輩研究職員の実際の研究成果や先輩研究職員のプレゼン等に接することで、計量標準に関する知識をより深めるとともに、インターンシップ後の自身の成長を確認し、研究者としての将来の自分を考察していただく。
参加情報の取り扱い 採用活動開始以降(3月1日以降)に実施する「産総研及び計量標準総合センターの説明会」を案内する際に活用する。(当該説明会に参加することで、インターンシップで学習した「産総研」及び「計量標準総合センター」について再確認していただき、産総研を就職先の対象に含めるかどうかを最終的に検討する際の参考としていただきたいと考えています。)
2025年度のインターンシップ実施計画(時期・回数・規模等) 2025年8月4日(月)~8月8日(金)<5日間>・1回・15名程度
(計量標準総合センターでは今後も8月中に1回、人数規模は20名程度で実施したいと考えています。)
計量標準総合センターにおけるインターンシップ実施に係る実績概要
 
テーマ数
参加者数
2017年度 2018年度 2019年度 2023年度 2024年度
11テーマ
23名参加
10テーマ
22名参加
7テーマ
16名参加
7テーマ
16名参加
7テーマ
20名参加
※2020年度~2022年度は新型コロナウイルスによりインターンシップは開催していません。
採用選考活動等の実績概要
(産総研全体の修士卒研究職の採用者数)
 
人数
(内、女性人数)
2021年度入所 2022年度入所 2023年度入所 2024年度入所 2025年度入所
7(4)人 9(2)人 7(3)人 18(12)人 28(16)人
※産総研全体の修士卒採用者数で前年度5月~当該年度4月に入所した人数です。
※2023年度までは地質調査総合センターと計量標準総合センターのみが修士卒採用を実施しておりましたが、2024年以降は全領域で修士卒採用を実施することとなりました。

修士卒研究職採用に関するお問い合わせ先

DEI人事部人材マネジメント室リクルーティンググループ
Eメール:hrd-keikaku-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)