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研究ハイライト 福島発水素サプライチェーンの完成形が見えてきた!

エネルギー・環境領域
福島発水素サプライチェーンの完成形が見えてきた!
-再生可能エネルギー社会へ、水素サプライチェーンや水素混焼発電機システムを実証-
  • 再生可能エネルギー研究センター辻󠄀村 拓
  • 小島 宏一

掲載日:2020/10/09

再生可能エネルギー社会へ、水素サプライチェーン技術を実証

福島県にて導入が促進されている再生可能エネルギー電力で水素を製造し、化学変換、貯蔵、輸送を経て、水素混焼発電機システムで発電するサプライチェーンの技術を実証した。

福島県水素サプライチェーンのイメージ図
福島県水素サプライチェーンのイメージ
 

水素キャリアがここまできた

産総研福島再生可能エネルギー研究所では、太陽光発電電力を用いて水を電気分解して製造した水素を効率的にメチルシクロヘキサン(MCH)へと化学変換するシステムを開発している。常温常圧で液体の有機化合物であるMCHは、水素キャリアの候補の一つで理論的には1リットルの液体MCHに500リットルの水素ガスを貯蔵できる。MCHを用いることで、大量の再生可能エネルギーを安全、安価に貯蔵、輸送でき、輸送した水素をエンジンやガスタービンなど内燃機関用の燃料として利用できると考え、水素の製造・貯蔵から利用に至るまでの技術開発を行ってきた。

水素キャリア製造システムの写真
 

水素キャリア製造の設備コスト半減、発電機の稼働1000時間以上を達成

このサプライチェーンでは、再生可能エネルギーで製造した水素を用いて、トルエンを水素キャリアであるMCHに化学変換するが、今回、水素キャリア製造システム全体における工程をできるだけ省き、設備コストを半減できる、極めてシンプルな構成の水素キャリア製造システムを開発した。また、水素混燃発電機システムについては、発電出力300~500kW、水素混燃率40~60%で、合計1000時間以上の稼働を達成した。

水素混燃発電機システムの写真
 

究極は自産自消!「脱炭素型」発電モデル実現へ

今後は、今回の実証を通じて得た成果を生かし、再生可能エネルギーをMCH水素キャリアの活用により平準化して需要家に電気と熱を安定的に供給することや、石油コンビナート・鉄鋼・化学プラントから生成される副生水素を燃料として自産自消する事業モデルの普及・拡大を図っていく。

辻村研究チーム長と小島主任研究員の写真
 
 

本研究テーマに関するお問合せ先

辻󠄀村研究チーム長の写真
小島主任研究員の写真
再生可能エネルギー研究センター 水素キャリアチーム

研究チーム長 辻󠄀村 拓(つじむら たく)

主任研究員 小島 宏一(こじま ひろかず)

〒963-0298 福島県郡山市待池台2-2-9 福島再生可能エネルギー研究所

メール:frea-contact-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)

ウェブ:https://www.aist.go.jp/fukushima/ja/unit/

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国立研究開発法人産業技術総合研究所