水素キャリアがここまできた
産総研福島再生可能エネルギー研究所では、太陽光発電電力を用いて水を電気分解して製造した水素を効率的にメチルシクロヘキサン(MCH)へと化学変換するシステムを開発している。常温常圧で液体の有機化合物であるMCHは、水素キャリアの候補の一つで理論的には1リットルの液体MCHに500リットルの水素ガスを貯蔵できる。MCHを用いることで、大量の再生可能エネルギーを安全、安価に貯蔵、輸送でき、輸送した水素をエンジンやガスタービンなど内燃機関用の燃料として利用できると考え、水素の製造・貯蔵から利用に至るまでの技術開発を行ってきた。