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産総研:第2回産総研サイエンスカフェin関西

「あなたの知らないダイヤモンド -究極の半導体-」

写真1

 ダイヤモンドと聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか。指輪やネックレスに使われるキラキラ輝く宝石でしょうか。とても硬い物質というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。産総研関西センターでは、ダイヤモンドについて様々な研究を行っています。平成27年1月24日(土)、池田商工会議所(大阪府池田市)にて「あなたの知らないダイヤモンド-究極の半導体-」と題し、第2回産総研サイエンスカフェ in 関西を開催しました。講師を務めたユビキタスエネルギー研究部門 鹿田 真一 総括研究主幹が、参加者の皆さんに実験や試料観察を通じて「材料としてのダイヤモンド」について紹介しました。

 ダイヤモンドは炭素原子でできています。非常に高価なことから、ダイヤモンドの貴重性は皆さんもよくご存知だと思いますが、一方で、同じく炭素から成るグラファイトは、鉛筆の芯など安価な材料として用いられています。また、炭素原子は宇宙で4番目に多く存在する原子であることから、ダイヤモンドの材料はとても多いと言えます。それでは、なぜダイヤモンドは貴重なのでしょうか。鹿田さんは、ダイヤモンドは自然界では地球内部の高温・高圧環境でしか生成されず、地表で発見されることが難しいためだと説明しました。それほどまでに貴重なダイヤモンドを、メタンや一酸化炭素などの炭素を含むガスを原料にして人工的に作成する研究に産総研は取り組んでいるのです。そして様々な試行錯誤を経て、有史以来最大のダイヤモンド単結晶の薄板(厚さ:0.5mm 面積:40×60mm2)を作成することに成功しました。参加者の皆さんにも、産総研作成のダイヤモンドの実物を見て触っていただきました。

 そもそも、なぜダイヤモンドに注目し研究をしているのでしょう。その答えはダイヤモンドの特性とその応用方法にあります。カフェの後半ではその点について実験を交えて紹介しました。

 非常に硬いことで知られるダイヤモンドですが、その他にも絶縁破壊電圧※1、熱伝導性、弾性率、化学的安定性などにおいて優れた特性を持っています。驚くべきは、これらの特性のうち、物質中最高のものが幾つも含まれるということです。このことから、ダイヤモンドは究極の半導体になるのではと期待されています。

 そこで、半導体の材料となる物質の硬さの違いを、参加者の皆さんに体感していただきました。用意したものは、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンドの3種類の半導体材料。SiCを塗したサンドペーパーでこれらを研磨すると、Siには容易に傷がつきましたが、SiCにはなかなか傷がつきません。そして、ダイヤモンドには全く傷がつきませんでした。ダイヤモンドを擦ったときのつるつる滑る感覚に、参加者の皆さんはダイヤモンドの硬さを実感していたようでした。

 続いての実験では、テーブルの上に柱状の氷と十円硬貨(銅製)、そしてダイヤモンドの薄板を用意しました。十円硬貨とダイヤモンドを両手に持ち、それぞれを氷に突き刺すとどうなるか、という実験です。硬い氷にこれらが刺さるわけがないと予想しましたが、ダイヤモンドを氷に押し当てるとすっと突き刺さりました。氷がまるでゼリーであるかのようでした。これは、ダイヤモンドを手に持ったことにより、ダイヤモンドが一瞬で人の体温まで暖められ、その熱で氷が解けたことが原因です。日々の生活で、銅製のものは熱しやすく冷めやすいという感覚をお持ちだと思いますが、この実験を通して、ダイヤモンドはそれをはるかに上回る熱伝導性を持っていることを実感できました。

 これらの特性を応用し、省エネパワーデバイス用の半導体材料としてダイヤモンドが用いられることが期待されています。最後に鹿田さんは、「ダイヤモンドを使ったデバイスでエネルギー効率を向上させれば、CO2低減に大きく貢献できます。現時点では人工の結晶には細かい欠陥が見られるため、半導体としての利用にはまだ時間かかりますが、より大きい結晶をより低欠陥で作れるよう研究を進めていきます。」と参加者に語り、サイエンスカフェを締めくくりました。

 これからも、産総研関西センターではサイエンスカフェを定期的に開催していきます。皆さんのご参加をお待ちしています!

※1 電気機器などの端子間や端子ケース間に電圧をかけた際に、絶縁破壊を起こさずに一定時間耐えられる電圧のこと。ダイヤモンドはこの値が高く、高電圧をかけても壊れない。
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鹿田さんは沢山の試料を使いながら説明しました
写真3
ダイヤモンドの硬さを体験しました
写真4
鹿田さんの説明に、皆さん真剣な面持ち
写真5
氷に十円硬貨とダイヤモンドを押し当てると・・・

開催概要
日時 2015年1月24日 土曜日 14時00分 ~ 15時30分
会場 池田商工会議所 2階 会議室D
〒563-0025 大阪府池田市城南1-1-1
主催 産業技術総合研究所 関西センター
参加費 無料 (ドリンク、お菓子をご用意しています)
定員 40名 ※先着順
対象 高校生以上
申込方法 オンライン登録、FAX
申込締切 2015年1月21日 水曜日
問い合わせ先 産業技術総合研究所 関西センター 関西産学官連携センター
〒563-8577 大阪府池田市緑丘1-8-31
電話:072-751-9606 FAX:072-751-9621 Eメール:メールアドレス:kansai-koho-ml*aist.go.jp(*を@に変更してご使用ください)
備考 産総研サイエンスカフェ in 関西
http://www.aist.go.jp/kansai/ja/collabo/sci-cafe.html
※産総研の広報活動に使用することを目的として、サイエンスカフェの様子を写真や動画等で撮影させていただく場合がございます。その他の目的に使用することはございません。あらかじめご了承ください。

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国立研究開発法人産業技術総合研究所