賞の概要
産総研では2003年度より、卓越した業績を挙げた職員に、理事長賞表彰を授与しています。
2025年度は例年以上に厳正な選考を実施し、以下のとおり受賞者を決定いたしました。
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研究
コンテンツ鑑賞・創作支援のための社会実装加速型メディアインタラクション技術の研究開発
受賞者
- 後藤 真孝(情報・人間工学領域、人間情報インタラクション研究部門)
- 濱崎 雅弘(人工知能研究センター、人間情報インタラクション研究部門)
- 中野 倫靖(人間情報インタラクション研究部門)
- 加藤 淳(人間情報インタラクション研究部門)
- 佃 洸摂(人間情報インタラクション研究部門)
- 渡邉 研斗(人間情報インタラクション研究部門)
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研究業績概要
受賞者らは、メディアインタラクションの新技術を実現し学術研究で高いプレゼンスを生み出しつつ、技術の力でコンテンツ鑑賞・創作の未来を切り拓き、産業界・社会(エンドユーザ)と連携した活発な社会実装を連鎖的に可能にする研究スタイルを生み出し実践した。この研究スタイルは、(a)基礎研究としての信号処理・機械学習等に基づく先端技術の創出、(b)応用研究としてのインタフェースやアプリケーションの考案と開発、(c)実証実験・社会実装としてのWebサービスの開発と公開、(d)社会実装としてのプラットフォームやサービス連携の仕組み(API)の提供という4つをスパイラル的に繰り返して様々な事例を創出する。それにより、2023~25年度において査読付き論文誌16件、査読付き国際会議論文32件、受賞19件の高い学術的成果を創出したことに加え、産総研および企業による様々なプレス発表、複数の大型公的外部資金の獲得・推進、10社以上との企業共同研究とそれに基づく社会実装などを通じて、大きな社会的インパクトを与えた。
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後藤 真孝 |
運営・研究支援
創発型融合研究支援事業の創設―ボトムアップ型融合研究による革新的シーズ創出
受賞者
- 則包 恭央(研究戦略本部企画部)
- 小阪 亮(研究戦略本部企画部)
- 七種 和美(研究戦略本部企画部)
- 清水 勇気(研究戦略本部企画部)
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受賞理由
受賞者らは、外部資金の早期獲得を目的としたボトムアップ型の融合研究支援事業「創発型融合研究支援事業」を新たに創設し、産総研のコア技術の強化および新たなコア技術の創出に貢献する取組と評価する。コア技術の基盤となる挑戦的なテーマを早期に社会実装へつなげるためには、研究初期での方向性の確立と外部資金による更なる加速が重要である。本事業では、アドバイザによる伴走型支援のもと、毎年度の外部資金への応募を必須とする制度設計とし、「質の向上と規模の拡大」の実現を目指す仕組みを構築した。また、応募条件を領域融合や参加研究者の多様性に十分に配慮することで、産総研ビジョンに掲げる「志ある多様な人材がつどい、互いを尊重しながら、ともに挑戦し成長する文化」の醸成と浸透に寄与する取組みとなっている。
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則包 恭央 |
社会実装
レベル4自動運転移動サービスの社会実装に向けた取組み
受賞者
- 加藤 晋(インテリジェントシステム研究部門)
- 橋本 尚久(インテリジェントシステム研究部門)
- 横山 利夫(インテリジェントシステム研究部門)
- 加藤 昌彦(インテリジェントシステム研究部門)
- 毋 岩斌(人間情報インタラクション研究部門)
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受賞理由
受賞者らは、長く蓄積してきた自動運転研究技術を元に国のプロジェクトに参画し、関連企業や自治体等と共に技術開発や実証を進め、許認可取得に必要となる技術性能・安全性評価項目や手法の開発、関連技術要件等のガイドラインの作成を牽引し、レベル4自動運転の運行を可能とした2023年4月の「改正道路交通法施行」に大きく貢献した 2023年5月には福井県永平寺町での国内初の自動運転移動サービスの本格運行を実現し、2025年2月には「ひたちBRT」における国内初の中型バスによる専用道区間等での自動運転バスの営業運行を実現した。また、2025年12月 に柏市柏の葉地域で一般道における自動運転バスの営業運行に向けて必要な許認可を取得し、2026年1月から営業運行を開始した。自動運転は、ハードウェアおよびソフトウェアの基礎技術と最新研究成果を結集したシステムであり、その社会実装には、技術開発だけでなく、実証を通した制度整備、社会実装を担う事業者の発掘、利用者の理解に基づく社会受容性醸成を、同時並行的に進めることが不可欠であり、技術的知見と豊富な経験を有する産総研が主導することで国をも動かし、社会実装を達成し得たと評価できる。
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加藤 晋 |
特別貢献
G-QuATの設立と環境整備
受賞者
- 池田 勉(量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)
- 堀部 雅弘(研究戦略本部企画部)
- 吉田 良行(量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)
- 金子 晋久(量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)
- 猪股 邦宏(量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)
- 滝澤 真一朗(量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)
- 簔原 誠人(量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)
- 藤井 剛(量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)
- 鈴木 貴裕(量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)
- 大橋 哲(研究環境整備本部 ファシリティマネジメント部)
- 神田 真生(研究環境整備本部 ファシリティマネジメント部)
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受賞理由
受賞者らは、量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)は、令和4年の「量子未来社会ビジョン」、令和5年の「量子未来産業創出戦略」に基づき、令和5年7月27日に設立されて体制整備、補正予算による環境整備を進め、令和7年度に本部棟の落成および量子・古典融合計算基盤『ABCI-Q』の提供を開始し、量子技術の社会実装を加速する中核拠点として本格稼働した。本部棟は、内外から研究者、技術者等が集結し、新たな融合計算技術の社会実装を推進し、経済社会課題解決・新市場創出、その利益による次の市場開拓というグローバルビジネスエコシステムの構築を目指すG-QuAT の中核施設となるよう、多様な働く環境をコンセプトに関係部署・研究担当者・設計施工業者との連携を図りながら、量子関連企業が入居可能なオフィススペースも有する施設を短期間で整備した。整備した3つのプラットフォーム、「Qufab」、「Qubed」、「ABCI-Q」は、量子コンピューティングの研究開発から社会実装までを一貫して支援するものであり、量子技術の産業化を目指す企業やスタートアップが持つ研究環境の整備の課題に貢献する体制を整えることができた。
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池田 勉 |